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永田 一夫 院長の独自取材記事

永田歯科医院

(豊田市/新豊田駅)

最終更新日:2021/10/12

永田一夫院長 永田歯科医院 main

豊田市天王町に40年にわたり開業する「永田歯科医院」は、アットホームな歯科医院だ。長年勤めているスタッフも多く、患者とのコミュニケーションを大切にしている。永田一夫院長が「私の年齢とともに患者さんの年齢も上がってきているかな」と、笑いながら話すように、開業以来長年にわたって通っている患者が多い。咬合管理に力を入れており、子どもから高齢者まで、いくつになってもしっかり噛むことができるようにしたい、と患者への思いを語る永田院長。長年近隣の子ども園や小中学校の健診も担当し、子どもたちの口の健康も守っている。定期的なメンテナンスが将来の口腔内の状態を左右するという考えで、予防歯科の大切さを患者に伝えているという永田院長に、その想いを聞いた。

(取材日2018年7月24日)

地域に密着した歯科医院で患者との信頼関係を築く

まず最初に、歯科医師になられたきっかけを教えてください。

永田一夫院長 永田歯科医院1

高校時代から、父に歯科医師への道を勧められていましたが、私はどちらかというと社会学系のことが好きだったんですね。それで、初めは他大学の法学部に入ったのですが、やはり思い直してこの道に進みました。実際歯学部に入学してみると、中途半端な気持ちでやっていけることではなく、学生時代は真剣な気持ちで頑張って勉強しましたね。大学院卒業後、大学へ残ることも考えたんですが、結局は開業することになって……。今振り返ると、開業し臨床を40年やっているからこそわかること、言えることがあると感じています。日々患者さんと向き合いながら、時に信頼できる仲間たちと治療内容について本音で話し、情報交換できるのはうれしいことですね。

スタッフの方々も長く勤務されている方が多いとか。

現在、歯科衛生士が4名と受付が2名、非常勤で矯正治療を専門にしている歯科医師と、口腔外科を専門にしている歯科医師、私を含めて9名のスタッフがいます。2人の非常勤歯科医師はもう20年以上にわたって当院を手伝ってくれていて、気心も知れていますし、頼りになる存在です。矯正治療や外科的処置は私も行いますが、やはりもう一人信頼できる先生がいてくれることは、心強いですね。歯科衛生士も勤続10年以上で、私のやり方をよくわかってくれているので、安心して任せることができます。歯のメンテナンスは歯科衛生士が担う部分も多いので、患者さんとも良い関係を保ってくれていて助かります。たまにお休みすると患者さんのほうから心配して声をかけていただくこともあることが、信頼の証ですね。

歯のメンテナンスに力を入れていらっしゃるとお聞きしました。

永田一夫院長 永田歯科医院2

当院の患者さんは高齢者が多いのですが、多くの患者さんが歯周病のメンテナンスに通われています。皆さん2ヵ月から3ヵ月に1回の割合で来院していただいています。10年以上定期的なメンテナンスを怠らない患者さんもいますね。そういう方は、口腔内にほとんど問題がないので、お口のチェックと、衛生士によるメンテナンスで十分です。痛くなってからだと治療も大変ですが、定期的にしっかりメンテナンスをしていれば、痛い治療をする必要もないので患者さんも気軽に来られるんですね。痛くなってから歯科医院へ行くのではなく、痛くならないように定期検診に通う、そういう意識を持ってもらえるように、患者さんにお話ししています。

正しい噛み合わせには、よく噛むことが重要

先生が診療時に心がけていることをお聞かせください。

永田一夫院長 永田歯科医院3

私の中で軸になっているのは、乳幼児から高齢者まで、口の中の咬合管理をしっかり行うことですね。咬合管理とは、噛めなくなった時に入れ歯を作るとか、歯周病になった時にぐらつきを止めるとか、そういうこともすべて含めて、十分よく噛めるような状況にするということです。「8020運動」というのを聞いたことがあると思うんですが、これは80歳の時に20本以上の歯を残そうという運動と思われがちですが、本来10対以上の歯を残したい、ということなんですね。歯は対になっていることで噛めるわけですから。10対あれば、あまり不自由なく食べることができるといわれています。実は、今の80歳くらいの方は、昔から糖質が少ない食生活をしていたことで、およそ半数くらいの人が「8020」を達成できているといわれています。やはり、食生活は大切ですね。

子どもの咬合管理において大切なことは何でしょうか?

子どもの噛み合わせにおいても大切なことは、しっかり噛んで食べる習慣をつけることです。口を閉じてよく噛む、食べ物が口に入っている時は水分をとらない。これは乳幼児健診や学校健診でもお話しすることです。口の周りの筋肉は、よく噛むことによって運動性の発育をするんです。すてきな笑顔は口角が上がっているといわれますが、それは口の周りの筋肉がやわらかいとも言えるんです。学校医として健診をしていて、40年前と比べると子どもの口腔周囲の発育が変わってきて、顎が小さくなっていると感じます。今は顎がすっとした細面の子どもが多いですよね。本来日本人は頬骨が張ってえらが出ていたはずなんですが、最近の子どもの顔は骨格があまり発達していない。これは食べる時によく噛んでいないことが原因の一つではないかと私は思います。それが噛み合わせの悪さにもつながっていくので、噛むことの大切さを知ってほしいですね。

口腔内の老化はいつ頃から始まるのでしょうか?

永田一夫院長 永田歯科医院4

成長発育過程におけるさまざまなことは、皆さんそんなに差がないんですね。でも老いは人によってすごく差があるんです。80代になってもすごく元気な方もいれば、逆に60代でも衰えの激しい方もいる。口の中も同じなんです。口腔内のピークは22歳くらいになりますが、そこからはどんどん老化していきます。歯周病になる方が増えるのは40歳くらいからといわれていますが、その年齢を遅らせるためには乳幼児期からきちんと管理することが大切です。でも高校を卒業してから30代までの人は定期健診率が低いんですね。学校の定期健診がなくなってしまうからだと思いますが、この時期にメンテナンスを行うかどうかで口腔内の老化の曲線を遅らせることにつながりますよ。

子どもの頃から予防歯科の大切さを知ってほしい

長年学校医をされているそうですが、どんな活動をされているんですか?

永田一夫院長 永田歯科医院5

現在は子ども園、小学校、中学校と行っていますが、学校医は開業前から行っているのでもう40年以上になりますね。まだその頃は豊田市は歯科医院が少なくて、頼まれて始めた校医ですが、気がついたらこんなに長くなっていました。健診だけではなく、歯に関する授業も行っています。3年生の親子を対象に、私と衛生士が6、7人行き、一斉に歯の染め出しを行って歯の状態を確かめた後、歯や口の中の話をします。2年生はその予備授業として衛生士が行き、クラス授業で歯の磨き方などの話をし、翌年の3年生の授業につなげていくようにしています。これを今は、それぞれ年1回ずつ行っています。

虫歯も定期健診によって管理することができるんでしょうか?

虫歯も同じなんですよ。初期の小さな虫歯だったら、しっかり管理することで、すぐに削らなくても大丈夫なものが結構あるんです。しかし、お子さんの場合に多いんですが、虫歯があると削って治療してほしいと言うんですね。患者さんには、虫歯と聞くと削るというイメージがあるのかもしれませんが、削って詰め物をして終わりと思っていると、結局またその歯がトラブルを起こし、また削って詰めて、悪くなると神経を抜いてと悪循環につながるんです。それよりも、きちんと定期的に来院してもらって、虫歯の管理もしっかりしていくほうが患者さんにとって良いと思うので、そういうこともしっかり説明させてもらっています。

読者へメッセージをお願いします。

永田一夫院長 永田歯科医院6

お母さんたちは、頑張らなければいけないことがたくさんあります。頑張るためには、まずは自分が健康でなければいけません。健康であるための源は、口からしっかりものを食べるということだと思います。皆さんは、そういう健康であるための基本的なことに対して、知識をつけてほしいと思います。今の時代、情報が氾濫していて、テレビやインターネットで健康のための情報がたくさん手に入ります。その情報に振り回されることなく、しっかり自分で判断できるスキルを持って、信頼できるかかりつけの歯科医院を見つけてほしいですね。良い治療をするには、相互の信頼関係を築くことが大切だと思いますよ。

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