小川丈夫院長の独自取材記事

JR平野駅前歯科

(大阪市平野区／平野駅)

最終更新日：2023/01/30

平野区で長年診療を続けてきた「西歯科医院」を継承し、2021年に小川丈夫院長が新たに開業した「JR平野駅前歯科」。大きな窓から明るい光が差し込む診療室や、動物のイラストが飾られた子どもたちのためのキッズルームなど、清潔感のある院内は居心地が良く、診察前の緊張を和らげてくれる。標榜科目は歯科・歯科口腔外科・小児歯科・矯正歯科で、訪問診療にも対応。患者の悩みや要望に寄り添いながら、一人ひとりに合った治療を、保険診療を中心に提案している。歯科治療の敷居を下げて、誰もが通いやすい地域のかかりつけ歯科医院をめざす小川院長に、診療に対する思いを語ってもらった。

（取材日2021年12月21日）

子どもから高齢者まで、誰もが通いやすい歯科医院に
納得した治療を受けられるように、複数の選択肢を提示
院内勉強会に注力し、優秀な歯科衛生士の育成をめざす

子どもから高齢者まで、誰もが通いやすい歯科医院に

まず、歯科医師をめざしたきっかけと、開業までの経緯について教えていただけますか？

私の親は歯科とは関係ない仕事をしていましたが、親戚には医療系の仕事をしている人が多かったんです。中でも母のいとこが歯科医師で、子どもの頃に治療をしてもらった際、「歯は生きているから大事にするように」と言われたことがありました。それまで「歯が生きている」なんて考えたこともなかったので衝撃的で。それが歯科医師をめざそうと思った一つのきっかけになっていると思います。私は愛知県の出身なのですが、3人兄弟で兄が親の近くにいたこともあって、大阪大学大学院歯学研究科を卒業後は、そのまま大阪市内にある「医療法人乾洋会トミデンタルクリニック」に就職し、11年ほど務めました。その後、「西歯科医院」の西一幸院長が引退されるということで、2021年に同院を継承し、「JR平野駅前歯科」として新たにスタートしたという感じです。

この地域の印象や患者層についてはいかがですか？

この夏3年ぶりに開催された平野区のだんじり祭りを見に行ったのですが、地域の皆さんの一体感や結びつきの強さを感じました。実際に患者さんと接していても、皆さん情が厚くて人柄も温かく、良い町だなと感じることが多いんですよ。患者層としては未就園の幼児から高齢者まで幅広い世代の方が通ってくださっています。特に、小さなお子さんと来院する場合には「待ち時間を静かに過ごせるか」「診療台で泣いてしまわないか」など不安に感じる親御さんも多いと思います。そうするとお子さんも不安を感じてしまいますので、当院では来院直後からお子さんが笑顔で過ごすことができるように、キッズスペースを設けたり、ベビーカーのままで診療室に入れる設計にしたりと工夫しています。歯科医院が怖くて通えなくなってしまうことは、お子さんにとっても歯の健康の妨げとなりますから、安心して通える雰囲気づくりを心がけています。

「通いやすさ」という点で、ほかにどのような工夫をされていますか？

当院は駅から徒歩2分の好立地にあり、さらに木曜の休診日以外の平日は19時まで診療をしていますので、学校や仕事帰りの方でも通っていただきやすいと思います。また、働いている方はどうしても平日に通えない方もいますので、土曜にも診療を行っています。駅から徒歩圏内ではありますが、近隣のコインパーキングとも提携していますので、お車でお越しの際にも安心です。診療は急患にも対応していますが、原則は予約制となっています。お電話での予約はもちろん、お忙しい方はホームページからネット予約も可能です。

納得した治療を受けられるように、複数の選択肢を提示

診療の際に先生が大切にしていることは何ですか？

こちらから治療を押しつけるのではなく、患者さんにとってより良い治療方針をできるだけ複数提案し、患者さん主体で選んでいただくということを大切にしています。そのためには、治療前の診査・診断をしっかりと行い、お口の中の状態を患者さん自身がきちんと理解することが重要です。例えば、症状は同じであっても、患者さんによってライフスタイルや要望、悩みの原因というのはそれぞれ異なります。患者さん一人ひとりの思いに寄り添いながら、できるだけ幅広い選択肢を提示して、その中から妥協することなく納得して治療を進めていける方法を選んでいただきたいですね。また、患者さん自身が歯の健康に対する意識や行動の変容ができるような声かけも心がけています。

先生は予防歯科にも力を入れているそうですね。

以前務めていた歯科医院で訪問診療をしていて、急性期病院の患者さんに接する機会が多くありました。その時に、歯科にきちんと通っていた方とそうでない方の口腔内の状態に大変な差があったことに大きなショックを受けたのがきっかけで、予防歯科に力を入れたいと思いました。何もなければ歯科医院に行かないという人も多いのですが、いざがんや心臓病などの麻酔が必要な病気になったときに、口腔環境の悪さが問題で治療が滞ってしまうこともあるんです。また、病気の回復には食事も大切で、食事をきちんと取るためにも口腔内の環境を整えておく必要があります。そういう意味でも、歯が悪くなってから通うのではなく、悪くなる前に定期的に歯科医院に通って予防をすることが大事なんです。

スタッフさんについてもお話を伺えますか？

2021年4月に開業してからおかげさまで患者さんがとても増えていて、今はスタッフをもっと増やしていきたいと考えています。スタッフには女性が多いのですが、結婚や出産などライフステージが変化しても働き続けることができるように、それぞれの生活を尊重して支え合っていくことができたらと思います。

院内勉強会に注力し、優秀な歯科衛生士の育成をめざす

お忙しい毎日だと思いますが、どのようにしてリフレッシュしていますか？

リフレッシュはサウナですね（笑）。もともとサウナは好きではなかったんですが、体力的にもきつくなってきて体のメンテナンスが必要だと思い、平野に来てからスーパー銭湯にあるような遠赤外線のサウナに入るようになりました。あとは、2人の息子と一緒に遊んだり、バスケの試合を見に行ったりして休日を楽しむことが多いですね。

開業してまもなく2年ですが、現在歯科医院の課題はありますか？

歯科医院は良い歯科衛生士の獲得が課題です。当院に限らず、若手の歯科衛生士も多いので、教育がとても大切だと考えています。今は外部から先生を招いて勉強会をしていただいていますし、当院のマネジャーがとてもしっかり指導をしてくれているので、こうした歯科衛生士の教育システムを整えて継続できたらと思います。実際に現在は、外部の若い歯科衛生士も当院に来て学んでおり、レポートを書いてもらって、一人ひとりの課題を見つけ、その解決のために取り組んでもらうようにしています。モチベーションを維持しながらスキルアップができれば、結果的には歯科衛生士だけでなく患者さんのためにもなると思うのです。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

今、インプラント治療や矯正専門の先生に来ていただいていて、専門性の高い治療を提供できるように取り組んでいます。当院の患者さんはファミリー層が多いので、小児歯科の分野でも難しい症例に対応できるようにしていきたいですね。今通っているお子さんたちの口腔内の健康を維持しながら、その成長を見守っていくことができたらうれしいです。また、これまでの経験を生かして訪問診療にも力を入れていきたいと思っています。これからも患者さんの歯をきれいにして、患者さんが自信を持って笑顔を見せたくなるような口腔環境を整え、患者さん一人ひとりに寄り添っていきたいです。患者さんには、いろいろな歯の悩みや生活の悩みがあると思いますが、予防にも取り組んでいただきたいと思います。口腔環境や歯の悩みがある方は、どんな些細なことでも構いませんのでぜひ気軽に相談にいらしてください。