耳鼻咽喉科で対応できる疾患
生活で重要な耳・鼻・喉の管理も
さねよし耳鼻咽喉科
(横浜市都筑区/センター南駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
鼻が詰まる、喉が痛い、耳鳴りがする、めまいがするといった不快な症状があっても、つい、「数日で治るから、少し我慢すれば大丈夫」と医療機関を受診せずにやり過ごしている人も多いのではないだろうか。嗅覚、聴覚そして平衡感覚は私たちの生活の質に直結する大切な感覚。これら感覚器の専門的な治療を広く行うのが耳鼻咽喉科だ。耳鼻咽喉科と聞くと、小さな子どもや高齢者が多く受診するイメージがあるが、対象となる年齢は幅広い。そこで、地域に密着し、患者との信頼関係を大切に診療を行っている「さねよし耳鼻咽喉科」の実吉健策院長に、耳鼻咽喉科領域の主な疾患についてや、地域の耳鼻咽喉科医院として相談できることなどを聞いた。
(取材日2019年10月17日)
目次
生活の質に直結する耳、鼻、喉を診る耳鼻咽喉科。乳幼児から高齢者まで幅広い年齢に対応
- Q耳鼻咽喉科ではどのような疾患を診ていますか?
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A
風邪ぐらいでは医療機関にかからないという方も多いと思いますが、風邪が原因で副鼻腔炎、扁桃炎、中耳炎などを引き起こすことがあります。子どもの風邪では、鼻汁が喉に回って痰のからんだ咳が多くなったり、鼻から中耳に鼻汁が入り中耳炎になったり、鼻・喉の炎症が気管・気管支へと波及していくこともあるほか、大人でも無理に我慢すると怖い合併症があります。咽頭炎、喉頭炎、扁桃炎をこじらせると、扁桃周囲膿瘍、喉頭浮腫など、入院が必要となってしまうケースもあるため、我慢しすぎるのは良くありません。 また生活の質を向上する上で、話す、聞く、におい・味を感じることは大切であり、耳・鼻・喉の管理は重要と考えます。
- Q花粉症かなと思ったら、どのタイミングで来院すればいいですか?
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A
2016年度都内でのスギ花粉症推定有病率は、48.8%という報告があります。2月から4月にかけて、くしゃみ、水のような鼻汁、鼻閉、目のかゆみなどの症状が長引く場合にはスギ花粉症の可能性が高いです。症状が軽い場合には、外出時にマスクや花粉症用のメガネを装着するなど花粉を避ける生活を心がけるだけでよいですが、日常生活に支障が出るときには、それが受診するべきタイミングだと思います。 耳鼻咽喉科では鼻内の視診、鼻汁中にアレルギーに関与する好酸球が増加しているかを調べる検査、アレルギーの原因物質を特定するために皮膚テスト・鼻粘膜誘発テスト・特異的lgE抗体検査などの検査を行うことがあります。
- Q副鼻腔炎とはどのような病気ですか?
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A
急性副鼻腔炎は風邪などに伴い鼻粘膜に炎症が起こり、それが副鼻腔に広がったものをいいます。症状としては膿性鼻汁、鼻閉、頭痛、頬部痛、嗅覚障害、後鼻漏などがあり、軽度のものは自然治癒することもありますが、重症化すると頬が腫れたり、眼窩内や頭蓋内に炎症が進展することもあります。早いタイミングであれば、多くは薬物療法で対応します。慢性副鼻腔炎は急性の炎症を繰り返したり、長引かせることで慢性化したものをいいます。膿性鼻汁が続いたり、鼻腔・副鼻腔にポリープができ、鼻閉、嗅覚障害などの症状も強くなることがあり、薬物療法で対応できる場合もありますが、改善するためには手術が必要になることも少なくありません。
- Q子どもに多い急性中耳炎について教えてください。
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A
鼻の奥と鼓膜の内側にある中耳は耳管という管でつながっており、そこを通って細菌やウイルスが侵入し、中耳の粘膜に急な炎症が生じた状態が急性中耳炎です。3歳以下の子どもに多く、その理由は風邪をひく回数が多い、鼻をしっかりかめていない他、構造的に子どもの耳管は、大人に比べて短くて太くその角度が水平に近いために、細菌やウイルスが鼻から中耳に入りやすいことなどが考えられます。耳痛、耳だれ、耳の詰まり感、聞こえにくさ、発熱などの症状が出ますが、症状を訴えることができない乳幼児は、機嫌が悪かったり、耳を触ったりするだけのこともあります。鼻汁が多いときにこのような仕草がある際には、中耳炎を疑ってみてください。
- Q地域の耳鼻咽喉科として、気軽な受診を推奨していますね。
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A
耳鼻咽喉科の専門とする領域は、耳・鼻・口腔・咽頭・喉頭・頭頸部と広範囲にわたり、聴覚・嗅覚・味覚・ 平衡感覚といった、人間が生活していく上で大切な感覚器の診断・治療を専門的に診療しています。炎症性疾患・ アレルギー性疾患をはじめ、頭頸部の腫瘍性疾患、聴覚・嗅覚・味覚障害、めまいなど多くの疾患に対する診断・治療を行っており、対象となる患者さんは新生児から高齢者まで全年齢層となるのも特徴です。開院当初に赤ちゃんだった患者さんが、大学生となった今もときどき来院してくれる患者さんもいますよ。耳鼻咽喉科の医師がお役に立てる機会は多いと思います。