全国のドクター9,201人の想いを取材
クリニック・病院 158,634件の情報を掲載(2024年4月24日現在)

  1. TOP
  2. 神奈川県
  3. 横浜市都筑区
  4. 中川駅
  5. ハリーこどもクリニック
  6. 伊藤 正範 院長

伊藤 正範 院長の独自取材記事

ハリーこどもクリニック

(横浜市都筑区/中川駅)

最終更新日:2023/07/11

伊藤正範院長 ハリーこどもクリニック main

ブルーライン中川駅より徒歩3分、住宅街の一角にある、可愛らしいハリネズミの看板が目印の「ハリーこどもクリニック」。日本小児科学会小児科専門医、日本小児神経学会小児神経専門医の資格を持ち、てんかんを専門としている伊藤正範院長が、2023年4月に開業した小児科クリニックだ。院内には先進の脳波計のほか総合病院でも使用していた機器などを備えている。また、予約システムの導入などを進めて待ち時間や受付事務のスマート化を図るなど、医療面、事務面ともにストレスを感じさせない小児医療の提供をめざしている。また週に1度、看護助手、臨床心理士らスタッフ全員とランチに行き、院内の連携・コミュニケーションを促すことを大切にしているという。地域のクリニックとして担いたい医療や今後の展望について聞いた。

(取材日2023年6月15日)

一般診療から発達に関わる相談まで多岐にわたり診療

まずは小児科、小児神経の分野を専門にした理由を教えてください。

伊藤正範院長 ハリーこどもクリニック1

大学院時代、小児神経学の研究室に配属されたのがきっかけです。小児科、小児神経の分野はたいへん広い知見が求められ、一生をかけて勉強するつもりで挑む分野となります。そのため、大学院でも研究をしながら、同時期に大学病院や高度専門医療機関でも研鑽を積んできました。研鑽を積むうちに一人ひとりの人生に長く関われる点にやりがいを感じ、小児神経の分野に進むことを決めました。小児神経学は、地域の医療機関であっても、発達に関する悩みやてんかんの迅速な発見など専門性を発揮できる分野だと考えています。一般小児科だけでなく、個別にクリニックでも勉強ができ、特に幅広く貢献できる小児神経の分野は自分に合うと考えていますね。

開業して2ヵ月となりますがクリニックの状況を教えてください。

現在は、神奈川県横浜市の青葉区、都筑区からお越しの方が多いですね。小児科については、休診日を除いて毎日、外来診療を行っており、小児神経の分野は週1日専門の外来を設けています。開業をして間もないですが、地域への認知も広まり、多くの方に来院いただいています。最近ではやはり感染症系の相談が大多数を占めますね。ほかには皮膚疾患、アレルギー疾患のお悩みでお越しになる方もいれば、予防接種、また体の発育に関する内分泌系のご相談も少なくありません。特に近年、舌下免疫療法が話題になってからは、アレルギーの治療をお求めになる保護者も増えている印象を受けています。当院でも、週に1日アレルギー専門の外来を開いていますので気軽にご相談いただければと思います。

小児神経の分野に関してはいかがでしょうか?

伊藤正範院長 ハリーこどもクリニック2

小児神経の相談や検査に関しても来院が増えていますね。私自身がてんかんを専門に学んでいたため、てんかんのご相談も多いです。また、「周囲とのコミュニケーションが取りにくそうに見える」「言葉の遅れが気になる」「幼稚園の先生から発達について指摘された」など、発達に関するご相談は常にいただいていますね。小児科を受診する目的で来院された方が、当院で小児神経の分野も対応していることを知り、興味を持たれる方もいるようです。総合病院から紹介状をもらって予約するという形式ではなく、ダイレクトに予約が取れることも訪れやすい要因になっているのかもしれません。「小児神経診療を身近に」をコンセプトに開業をし、なるべく待ち時間のないように予約システムも導入しておりますので気軽にご相談に来ていただけるとうれしいですね。

子どもたちが安心して過ごせる場所づくりを第一に

診察を行う際に心がけていることを教えてください。

伊藤正範院長 ハリーこどもクリニック3

小児科でも小児神経の分野であっても、やはり病院やクリニックまで来られる方々は、モヤモヤした気持ちで胸がいっぱいだと思うんです。例えば小児神経の分野では、大多数の方が覚悟を決めて来院されることが多いので、腰を据えてしっかり診てほしいというご要望を多く受けます。医師として、また子を持つ同じ親として、私も保護者のご不安はよくわかります。じっくり見させていただきたいという気持ちでいますので、問診では1時間しっかり保護者のお話を聞き、発達検査、臨床心理士との面談を行います。その後に、臨床心理士と意見交換をし、時間をかけてその子の評価を行います。時間を節約するようなことを一切考えず、たっぷりとコミュニケーションを取ることを心がけ、正しい診断をするようにしています。

院内づくりのこだわりを教えてください。

やはり子どもたちが楽しんでくれることを一番に考えていまして、怖い思いをしたり、不安になるような要素は極力避けるような工夫をしていますね。例えば、小児神経専門の外来では、私や臨床心理士と保護者が話している間、子どもには診療室の外で待ってもらうことになるんです。子どもにとって不安な時間になりますよね。ですから、保護者と離れている間でも、看護助手が遊び相手になれるような体制にしています。ほかにもクリニック全体的に、広くてゆとりある空間づくりを意識しています。もともと心理室、脳波室を備えるための平米数のある施設で開業したい思いはありましたが、それに加えて、待機室に大きな本棚をあつらえたり、着替えスペースも余裕のある間取りにするなど、レイアウトは工夫していますね。

院内には手作りの飾りが多く、クリニック全体がとても温かい雰囲気ですね。

伊藤正範院長 ハリーこどもクリニック4

ありがとうございます。当院のマスコットであるハリネズミは、事務で支えてくれている妻がデザインしてくれました。私自身、お家のようなクリニックにしたいという思いがあり、保育士の資格を持った看護助手や事務スタッフが、製作物が得意であることも幸いして、手作りの飾り物などもたくさん飾ってあります。既存のおもちゃなどを置くよりも、こうした手作りのものから出るやわらかさと温かみは大事にしたいと考えていますね。また、待合室にあるたくさんの絵本は子どもたちからは人気も高く、本を持って診察室に入ってくる方もいます。診療だけでなく、わくわくする絵本や童話を探しにいくという目的が加われば、来院しやすくなると考え、図書館のように貸出も行っていますよ。

地域のクリニックで病院レベルの治療を提供したい

先生のポリシーについても教えてください。

伊藤正範院長 ハリーこどもクリニック5

やはり小児神経専門の外来に通うのは、決して心理的ハードルが低いものではないと思うんです。私が、総合病院ではなくクリニックを開業する道を選んだのも、できるだけ気軽に専門の外来を利用してもらえる環境を作りたかったからです。過去、もっと早く医療機関のサポートや地域のケアがあれば結果は違ってきたかもしれないというケースを多く見てきました。そのため、躊躇したり足が向かない期間を作らない環境づくりにこだわり、受診に対する「気軽さ」への追求を大事にしています。当院では即日結果の出る脳波検査の機器を導入したり、血液検査やPCR検査など迅速検査類はすべて揃えています。小児神経分野への認知や理解は、一昔前に比べて圧倒的に広がっていますから、早期診療早期発見によって、将来的に子どもたちの人生が開けていくようなお手伝いしたいと思っています。

今後の目標について教えてください。

一番の大きな目標は総合病院や専門病院で行っているような、小児神経の専門的な治療・検査をクリニックレベルに落とし込むことですね。少子化や予防接種による感染症の減少など、小児の入院数自体が減っている傾向にあります。つまり、今後は当院のような地域密着型クリニックも、専門分野の診療を担う時代が来ると感じています。現在はまだ、難治性の病気に対する薬なども総合病院で処方されることが少なくありませんが、この先10年、20年たった後には、どんどんクリニックレベルで診療していくケースが増えると予想されてもいます。より早く専門的な治療をクリニックレベルで行えるよう、ノウハウの蓄積を進めています。

読者へのメッセージをお願いします。

伊藤正範院長 ハリーこどもクリニック6

私は子どもたちと話すことが大好きで雑談ベースで子どもが安心できるよう会話をするようにしています。自分では意識していなかったのですが、スタッフいわく、子ども目線での自然なコミュニケーションにご家族からも評価をいただいているようですね。子どもたちが来院するときに、折り紙を持ってきてくれたり、絵本の感想を率先して話してくれるのは、心が通い合えているのだなとうれしくなります。一人でも多くの子どもに、私と一緒に楽しく診療時間を過ごしてもらえるよう努めていきます。風邪でかかるのと同じような気持ちで気軽にご相談に来ていただければ幸いです。

Access