生涯を通じた全身の健康のために
小児の歯列矯正ができること
アイ歯科医院
(豊中市/桃山台駅)
最終更新日:2023/03/14
- 自由診療
子どもの歯並びに対する保護者の関心の高まりを受け、近年、歯列矯正を受ける子どもが増えているそうだ。大阪・豊中にある「アイ歯科医院」も、小児の矯正に力を入れているクリニックの一つ。西本周平院長は「そもそも歯並びが悪くなるのは顎が小さいという骨格的な問題に原因する場合が多いのです。顎が小さいと鼻腔も狭くなるため口呼吸となりやすく、子どもの健全な成長を妨げます。歯並びだけでなく、正しい口腔機能の発育もサポートする小児矯正は、お子さんの将来的な健康にも多くの良い影響をもたらすと考えています」と話し、全身の健康維持の観点からも小児矯正の重要性を訴える。小児の時期に行う矯正のメリットや、矯正の流れについて、西本院長に詳しく解説してもらった。
(取材日2023年1月19日)
目次
顎の成長をサポートし、歯のスペースを確保するための小児矯正。鼻呼吸を促し全身の健康にもつなげる
- Q子どもの歯並びが悪くなる理由は何でしょうか?
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A
一つは食生活です。やわらかい食べ物が主流の現代は、噛む回数が大幅に減り、その結果、子どもたちの顎の成長発育が不十分に。顎が小さいと永久歯が生えるスペースが狭くなるため自然と歯並びが悪くなってしまいます。そしてもう一つは、口呼吸による影響です。呼吸は本来、鼻でするものですが、花粉や黄砂、排気ガスなどの影響で、アレルギー性鼻炎にかかる人が増えています。そして鼻詰まりにより知らず知らずのうちに口呼吸になってしまうと、舌の位置が下がり、上顎に舌圧が加わりにくく上顎の骨格的発育が鈍くなってしまうのです。そして嚥下時に舌が前歯の裏を押すようになり、出っ歯など歯並びが悪い状態になってしまうのです。
- Q子どもの間に矯正を行うことはどのようなメリットがありますか?
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A
大人は骨格の成長が終わって骨が固まっているため骨を広げることは困難で、抜歯を行って矯正するケースが多くなります。それに対し、子どもの骨は固まっていないため拡張が可能です。小児の時期に歯が並ぶ土台を広げることで、整った歯列に導き、その後たとえ矯正が必要になっても、歯を抜かずに済ませられる可能性が高くなります。また、見た目の問題に加え、顎の成長を促すことで同時に鼻腔も拡大し鼻呼吸に移行しやすくなることもメリットです。鼻にはにおいを感知する機能、吸い込んだ空気を浄化し加湿して体に送る機能、脳を冷やすクーリング機能があり、鼻で呼吸することは生体を正常に機能させ、健康維持につながります。
- Qこちらで行っている小児矯正について教えてください。
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A
当院では、取り外しができない固定式の拡大装置を使って上顎の幅を骨格ごと広げていきます。この矯正法のポイントは、歯が傾斜しにくく、並行に移動させることをめざせる点。装置の取り外しができないことも、計画どおりに矯正を進めるためにはプラスとなります。やるべきことは1日1回装置のねじを回すだけで、大きな手間ではありません。一方、取り外し式の装置は、着け外しを嫌がる子どももいますし、装着時間が短くなると計画どおりに歯が動かない恐れがあります。固定式の装置による違和感を心配される親御さんも多いと思いますが、多くのお子さんは順応性が高いので、はじめは違和感があっても、すぐに慣れるでしょう。
- Q小児矯正の適正時期と診療の流れを教えてください。
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A
小学校低学年が一つの目安ですが、歯や顎の発育具合や歯列の状態によって適正時期は変わります。お子さんの歯並びが気になる場合、前歯の永久歯が生えてくる6、7歳頃に一度歯科医師に相談してみてください。当院での小児矯正の流れは、診察で歯並びの状態や生え替わりの具合、噛み合わせを確認した後、横顔全体を撮影するセファログラム(頭部エックス線撮影装置)を使って、歯の角度、顎の発育具合、気道の狭さを分析。矯正方針をご説明し、矯正スタートとなります。最初は週に1回、その後は2週間に1回程度通院していただきます。矯正期間は平均して2年ほどです。また、中学生ぐらいまで顎が広がる可能性がありますのでご相談ください。
- Q矯正をする際に注意するべき点はありますか?
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A
必ず慣れてきますが矯正装置をつけた最初の1週間は痛みを感じやすいので、やわらかめの食事にしてください。また矯正装置をつけると歯磨きがしにくくなり、虫歯ができやすくなります。装置周辺、特に歯茎の際を注意して磨いてください。また顎の拡大に加えて、気道が狭い場合は前方けん引装置を用いたり、舌や口唇の筋機能の乱れが認められる場合は機能矯正装置を使用して機能改善を促すなど、一人ひとりに合わせて対処していきます。小児矯正は永久歯を並べやすい状態に導く準備段階と捉えていただくと良いでしょう。中学生以降、永久歯の生えそろいで問題が出てきても、大がかりな矯正が必要となるリスクを軽減できるのが大きなメリットです。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/33万円~