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加藤 一生 院長の独自取材記事

かとう歯科医院

(吹田市/豊津駅)

最終更新日:2023/07/13

加藤一生院長 かとう歯科医院 main

阪急千里線・豊津駅から徒歩5分の、住みやすさでファミリー層に人気の豊津・江坂エリア。1階が保育園となったマンションの2階に「かとう歯科医院」がある。親しみやすい立地に、穏やかに語る加藤一生(かずお)院長。地域のファミリーデンティストでありたい、という院長自身の方針が、そこには体現されているかのようだ。一般歯科、小児歯科とともに、周辺では珍しい障がい者歯科診療に取り組む加藤院長に、そこに至る経緯や、確かなモットーに基づいた診療についてなど、さまざまな話を聞いた。

(取材日2017年9月7日)

丁寧な問診と説明で、痛みやストレスの少ない治療を

開院までの経緯と、この地域の印象を教えてください。

加藤一生院長 かとう歯科医院1

私は大阪大学歯学部出身で、卒業後すぐに吹田市内のキャンパスに移転した歯学部付属病院に12年間勤務していたため、このエリアになじみがあったんです。また、開業を決意した当時は自宅のある茨木市から通える範囲で考えていたところ、こちらの物件を紹介していただいたのがご縁です。この周辺は、昔からの住宅もありつつ、最近次々と新しいマンションが建つなど、幅広い年齢層の方々が住んでいます。当院では小児歯科に力を入れているのですが、実際はさまざまな年齢の患者さんがいらっしゃいます。その中でも特に熱心に継続して来院されるのは、ご高齢の方々で、意識の高さが伺われます。

ご専門は小児歯科、障がい者の歯科診療とのことですが、それを選ばれた経緯は?

大阪大学歯学部を卒業後、大学に残って勉強を続けることを考えたときに、小児歯科を選びました。大学で出会った先生方や、実習させていただいた病院の先生方に、小児歯科で魅力のある方が多くいらっしゃった影響が大きいですね。また、小児歯科を選んだ当時から、障がい者診療に携わりたいという思いも持っていました。小児歯科の診療をしていると、障がいがある方の診療をする機会もあるんです。私が影響を受けた先生も、病院歯科で障がい者診療を専門とされていて、そこに魅力を感じたんです。小児歯科診療に8年近く携わった後、大阪大学歯学部附属病院にも障がい者歯科を専門とした治療部が設けられましたので、そこに異動し、3年ほど勤務させていただきました。

診療方針について教えてください。

診療の際は、患者さんとじっくり相談して、信頼関係を築くことが第一です。小児歯科についても、親御さんにしっかり現状を説明し、治療方法を納得していただくところから治療が始まります。そうした丁寧な説明を、患者さんも評価してくださっているようです。一方、お子さん本人に対しては「Tell-Show-Do法」を実践します。つまり、治療方法をきちんと説明し、器具を見せたり触らせて、口の中に入れてみるといった、シミュレーションをするんです。お子さんは歯科医院を「痛いところ、怖いところ」と思っていますし、初めて見る器具が怖いのは当然です。このような方法であらかじめトレーニングをすることで、お子さんの不安を和らげています。

痛みに配慮した治療をめざしているそうですね。

加藤一生院長 かとう歯科医院2

局所麻酔をすることにより、痛みのない状態で治療を進めていくことですが、麻酔の注射の際など痛みがまったくないというわけではありません。痛みやストレスが極力少ない治療法をめざしているということです。患者さんご本人、あるいは親御さんと相談をし、麻酔の使用や口に入れる薬や器具について納得していただくことが、こうした治療の形だと考えています。また、特にお子さんや痛みに対して敏感な患者さんたちについては、局所麻酔をする前にゲル状の表面麻酔剤を塗るなどして、痛みやストレスを軽減するようにしています。

定期的な検査で大きな治療を防ぎ、健康な歯の維持を

障がい者の歯科診療について教えてください。

加藤一生院長 かとう歯科医院3

吹田市の歯科医師会の活動として知的障がい児通園施設の歯科健診と口腔衛生指導を行っていて、私は20数年園医をさせていただいています。その施設のお子さんたちが小学生になり、中学生になり……と継続して、当院で診療を受けられているんです。また、吹田市の制度として、成人歯科健康診査の一環として、満15歳以上の障がい者は、1年に1度無料でこの成人歯科健康診査を受診することができますので、当院でもその制度を利用して受診していただいています。診療に際しては、安全を第一に心がけ、ご家族とご相談をしながら診察を進めていっています。いきなり歯を削るなどということは行いません。

どのように診療を行っているのでしょうか。

基本的には小児歯科と同じように、怖さやストレスを取り除くよう努めます。知的障がい児向けのコミュニケーションテクニック等を用いながら、「Tell-Show-Do法」を行っていきますね。ですが中には、それでも診療台に上がってくれない、口を開けてくれないお子さんもいらっしゃいます。こうしたときは、かわいそうにも見えるのですが、タオルケットで体をくるんで治療を行います。押さえつけていると見られることもあるんですが、体や顔が動くと治療の際に非常に危険です。親御さんにご説明の上、納得していただいた上で行っています。コミュニケーションだけで治療ができればそれが良いのですが、そうでない場合は安全のためにこのような方法を用います。

日常で気をつけることはありますか?

加藤一生院長 かとう歯科医院4

日常臨床での主な疾患は虫歯と歯周病ですが、その原因となる細菌を歯磨きなどでしっかり取り除くことが大事です。悪化してから来院されるケースがどうしても多いのですが、大きな治療になると、それだけ痛みやストレスを伴い、お子さんには嫌な記憶として残ります。そうすると次回の診療の際に、治療を受け入れてもらいにくくなってしまうんです。大きな治療にならないよう、予防を意識し、そのために定期的に検査を受ける習慣をつけていただきたいです。早期発見・早期治療であれば簡単な処置で済みますから、お子さんも次の診療を受け入れてくれやすいですね。

当たり前の診療を、より高いクオリティーで行いたい

障がい者診療への思いをお聞かせください。

加藤一生院長 かとう歯科医院5

当院は、地域の歯科医院の中では障がい者の来院が比較的多いですが、私だけが特別なことをしているわけではないんです。吹田市歯科医師会では会員の先生方が障がいがある方と関わるという方針を持ち、数多くの先生が市内の障がい者施設での歯科健診を行っています。吹田市の成人歯科健診制度が、満30歳以上の方に加えて、満15歳以上の障がい者も利用できるのは、こうした活動実績があるからなんです。私個人としては、このまま継続して、障がい者診療に携わることができればという思いを持っています。過去に、来院間隔が開いてしまい、そのことで症状が進んで治療が難しくなってしまった悔しいケースも経験しました。お子さんが成長するにつれて抵抗する力が強くなり、定期的な通院が困難になってしまうこともあるのが、障がい者診療の難しいところです。

この仕事のやりがいは?

やはり、患者さんに「ここの歯医者で診てもらってよかったね」と喜んでいただけることで、やりがいを感じます。それから、小児歯科をやっていて良かったと思うのは、患者さんの成長を見守れることです。3~4歳で初めて来たお子さんが、健診で来ていただく中で成長をし、やがて成人になる。大人になってからまた来院してくれることもあって、そういうときはとてもうれしいです。子どもの成長に関われることはひとつの喜びです。

先生ご自身の今後のテーマはなんでしょう?

私も昨年還暦を迎えました。今後も基本的な診療方針が変わることはありませんが、できれば歯科衛生士による予防やメンテナンスにもっと注力をした歯科医院にしていきたいと考えています。そういう点から言うと、歯科衛生士がもう少し多くいてくれて、治療の終わった患者さんがより多くメンテナンスに定期的に来院していただくといった流れが理想です。現在、当院の歯科衛生士の人数は足りていないのが現状ですが、メンテナンスを重視した診療は私のモットーですからね。もちろんこう考える歯科医師は私だけではないとは思いますが……。当院は先端的な治療といった特別なことはやっていません。ただ、当たり前の診療を、より高いクオリティーで行うことを当院のテーマとして、今後とも取り組んでいきたいと思っています。

最後に、読者へメッセージをいただけますか。

加藤一生院長 かとう歯科医院6

私の専門は小児歯科ですが、お子さんだけでなく、ご家族皆さんでご利用いただける「信頼できるファミリーデンティスト」でありたいと思い続けています。

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