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福田 真一 院長の独自取材記事

福田デンタルクリニック

(大阪市中央区/北浜駅)

最終更新日:2021/10/12

福田真一院長 福田デンタルクリニック main

「歯科医院にどんなイメージを持っているか?」と聞かれたとき、ほとんどの人は「歯が痛くなったら行くところ」「歯の修理屋さん」などと回答するだろう。しかし、北浜のオフィス中心街にある「福田デンタルクリニック」の福田真一院長の考えは少し違う。口腔のトラブルと体の健康状態を関連づけた治療を展開し、歯科医院を全身の健康や食生活を見直す場所と捉えてほしいと考えているのだ。あまり耳にしたことがない理念かもしれないが、詳しく話を聞いてみると、そこには「すべては患者さんの笑顔のために」という温かな思いやりの心があった。今回の取材では、2020年1月のリニューアルでレベルアップを図ったという施設面の魅力や、今後の展望について、福田院長に語ってもらった。

(取材日2018年10月4日/再取材日2020年2月3日)

診るのは歯ではなく患者という一人の人間

開業までの経緯を教えてください。

福田真一院長 福田デンタルクリニック1

日本歯科大学を出た後、新潟大学歯学部口腔解剖学教室に入局しました。そして卒業後はアメリカのフロリダ州にある「パンキーインスティテュート」で勉強を続けました。ここは、哲学をもとにした独自の歯科医療を提言したL・D・パンキー先生の理念を説くための施設なのですが、当時学んだことは現在の私の診療方針に大きな影響を与えるものとなりました。その他、フロリダ大学、南カリフォルニア大学、スウェーデンのイエテボリ大学をはじめ、国内外でさまざまな勉強を続け、1993年に当院を開業したのです。

診療方針に影響を与えたのは、具体的にどのようなことですか?

パンキー先生の「歯1本にも、その人の心が宿っている」という考え方です。私はそれまで、自分の学んできた歯科医療に対して自信を持てずにいました。即物的というか、患者さんを単に治療の対象としてしか見ていないような気がして悩んでいたのです。そのため、パンキー先生が提唱する「歯科医療は全人的なものである」という理念に非常に感銘を受けました。そして、その考え方こそ「歯を診るのではなく、患者さん自身を診る」という、当院の診療方針の土台になったのです。

先生は神職の資格もお持ちだと伺いました。

福田真一院長 福田デンタルクリニック2

はい。パンキー先生の考え方に傾倒し、さらに開業してしばらくたってからですが、形成外科の医師である葉室頼昭先生の勧めで2011年に神職を取得しました。先生は「医療者であれば命について考えたことがあると思うけど、日本神道を学べば日本人の考え方や命の本質というものがよくわかるよ」とおっしゃっていて、日本人の物の考え方を理解することで相手の気持ちをより推し量れるようになるのではと思い学びました。実際に神職を取る前よりも、一回一回の診療で患者さんへの思いを込められるようになったと感じています。

命ということに関連して、先生は「口は命の入り口」との考えを掲げられていますよね。

これは私が15年ほどご教示いただいた甲田光雄先生の教えでもあるのですが、人の体を作るのは食べ物で、食べ物を咀嚼するのは口です。また、肥満や高血圧、脂質異常症など生活習慣病の症状は、体だけでなく歯や歯茎のトラブルとなって現れることもあるといわれます。そのため当院では、口は命を紡ぎ出す最初の入り口と捉え、口腔の状態から全身の健康や食生活を見直すというスタンスをとっているんです。具体的には、「トータルヘルスケアコーチング」というプランを進めていて、玄米を中心にした食事や運動に関するアドバイスなどを行っています。痛みを取ったり炎症を鎮めたりといった対症療法はもちろん必要ですが、大切なのは根本原因を解決することです。ちなみにスタッフは全員、食養生に関する資格を取り、患者さんごとにどんな食事が適しているのかアドバイスできるよう体制を整えています。

「恕」の精神に基づき相手を心から思いやる診療を貫く

診療方針の実現のために心がけていることは何でしょうか?

福田真一院長 福田デンタルクリニック3

当院のことを理解していただくには、まず患者さんのことを知らなければいけません。そのため初診時のカウンセリングは、じっくり1時間ほどかけて行います。そして主訴だけでなく、住んでいる場所、職業、家族構成、趣味、病歴などさまざまなことをお伺いします。そうしたバックグラウンドを知ることは、どんな生活をしてきたのか、健康についてどう考えているのかといったことを知る上で非常に大切ですし、「口を入り口に全身の健康を考える」という方針を理解してもらうためにも必要ですから。それに時間をかけて密にコミュニケーションを取ることは、信頼関係を築くという面でも重要といえます。メンテナンスを行う歯科衛生士に関して担当制にしているのもそのためです。

患者さんとの関係性を大切にされているのですね。

「恕(じょ)」という言葉をご存じですか? 儒教用語で「思いやり」という意味なのですが、私はこの言葉を常に忘れないよう心がけています。どれほど高い治療技術を持っていても相手を思いやる気持ちがなければ、患者さんにとっては機械的な治療に感じてしまうと思うんです。例えば失った歯をインプラントなどで補った場合、新たな歯がその人の体の一部としてしっかりなじみ、30~40年にもわたって使い続けられる状態になることが理想ですが、患者さんへの思いやりなくしてはかなわないことでしょう。熱意や思いやりを持って接すれば同じように患者さんも応えてくれ、治療も良い方向に進む。そう信じています。

設備面でさらにレベルアップを図った部分を教えてください。

福田真一院長 福田デンタルクリニック4

まずはユニット10台のうち、5台を人間工学に基づいた座り心地と、先進的な機器を搭載しているユニットへ入れ替えました。そして、以前から力を入れている衛生管理にさらに力を注ぎ、新たにオートマチックの器具洗浄機が2台導入し、最近の設備にアップデートしました。これまでと同じように滅菌用の機器も4台あり、専任のクリーンスタッフも3人配置しています。このほかに、滅菌に関する専門的な知識を持つスタッフも在籍し、徹底的に感染予防に取り組んでいるのが当院のこだわりです。また歯を削るタービンは血液や唾液の逆流を防ぐ装置がついたものを150本導入し、使い回しは絶対しません。1回の治療ごとに高圧ガスで滅菌処理をするよう徹底しています。

何十年後も患者を診療し続けるため、後進の育成に尽力

スタッフさんの教育にも力を入れ、皆さんがオリジナルのメニューを発信しているそうですね。

福田真一院長 福田デンタルクリニック5

そうですね。私を含めて26人のスタッフがおりますが、診療面では普段から「患者さんを自分の家族だと思いなさい」と伝えています。患者さんの誕生日にはお祝いしたり、ご家族が体調を崩されているならできる限り心のケアに努めるなど、高い志を持ってその心がけを実践してくれています。オリジナルのメニューに関しては、口臭ケアや虫歯予防のためのフッ素塗布をはじめ、健康セミナー、ヨガ教室など多様な取り組みを行っていますが、多くはスタッフの発信でスタートしたもの。月1回のミーティングではチームごとに課題を決めて経過を報告し合うのですが、自分たちで考えてリーフレットを作成し、外部研修で学んだことを他のメンバーにフィードバックするなど、全員が自分の仕事に向き合っています。資格の取得にも積極的で、子どもや親御さんのサポートができるようにと、保育士資格を取った受付スタッフもいるのですよ。

今後の展望について聞かせていただけますか?

私自身、パンキー先生や葉室先生、甲田先生をはじめ多くの先輩方から教えをいただき、自分なりの歯科医療を築いてきました。今度は私が次の世代にバトンを渡す番。当院で勤める歯科医師たちには私が通ったパンキーインスティテュートの日本施設に通い、診療に向き合う姿勢から勉強してもらっています。なぜなら、私たちは歯を診るのではなく「人を診させていただいている」からです。何十年後も患者さんの人生に寄り添って責任を持って診療していくためにも、同じ考え方を持った後進の育成に力を注いでいきます。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

福田真一院長 福田デンタルクリニック6

当院には私たちの考えに賛同してくださる患者さんが近隣、遠方から多く来てくださっています。今回のリニューアルでユニットや滅菌システムなどもさらにレベルアップを図り、患者さんにより高い良い歯科医療を提供できるよう環境を整えました。保育士も在籍しているため、小さいお子さん連れの保護者さんも心配いりませんよ。安心してお越しいただけるとうれしいです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

※インプラント治療/43万円~
審美歯科(セラミックの修復物の場合)/2万1000円~
矯正治療/60万円~

※あくまで目安となりますので、一度クリニックへお尋ねください。

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