辻千晶院長、辻哲副院長の独自取材記事

辻歯科医院

(桑名市／益生駅)

最終更新日：2023/12/28

益生駅から徒歩3分。「辻歯科医院」は昔ながらの住宅地の中で3代にわたって診療を続けている歯科医院だ。辻千晶院長が2021年に継承し、父である辻哲（つじ・さとし）副院長とともに地域に密着した歯科医療を提供している。温かみのある板張りの壁の待合室と、明るい窓際に美しい花々が飾られた診察室は、訪れた患者をほっとした気分にさせてくれるだろう。歯科口腔外科と一般歯科を専門とする千晶院長は、愛知学院大学歯学部附属病院、総合大雄会病院などの病院歯科で勤務経験をもつ歯科医師。哲副院長はスポーツ分野も得意とする歯科医師でオーダーメイドのスポーツ用マウスガードを作製している。終始笑顔で仲の良さがうかがえる千晶院長と哲副院長に。注力していきたい治療やこれまでの歩みなど幅広く聞いた。

（取材日2021年7月26日／更新日2023年12月1日）

祖父の代から続く“通いやすい歯科医院”を守っていく
丁寧な治療と説明で、診療に安心感をプラスする
女性歯科医師が希望でき、英語対応も可能な歯科医院

祖父の代から続く“通いやすい歯科医院”を守っていく

歯科医師をめざされたきっかけを教えてください。

【千晶院長】父も母も祖父も歯科医師だったというのが、やはり大きいです。小さい頃から間近で歯科医師の仕事を見てきたので、意識するようになっていきました。実際に大学に入ってから、技術的なことや画像診断を学ぶ中で、歯科医師は自分の性に合っているなとも感じました。大学卒業後は、口腔外科で全身状態を診つつ、虫歯や顎関節症、口腔がんなど、幅広い症例を診断、治療していくことにとてもやりがいを感じていました。
【哲副院長】歯科医院の長男ということで、父親から「お前は長男だから後を継ぐんだ」と言われて育ってきました。そういうものだと思って、特に何の疑問も抱かずこの道を歩んできましたね。歯科医師になってからも、思い描いていたものとのギャップもなく、患者さんと向き合ってきました。

3代続く歯科医院と伺いましたが、建物や院内の設備で変わったことはございますでしょうか。

【哲副院長】もともと祖父がここから歩いて3分くらいのところで歯科医院を営んでいて、私が継承した時にこの歯科医院を建てて移転継承しました。それからは特にリフォームはしていません。この建物を建てた時は、傘がなくても院内に入れるように駐車場の屋根を長くすることを意識しました。
【千晶院長】設備ではマイクロスコープや口腔内スキャナー、歯科用CTを新しく導入しました。マイクロスコープを使用することで、根管治療をより精密にできるようになりました。また、CTによって治療前に口腔内の状態を精密に検査することもできますし、定期健診で歯科指導させていただく際にも使用しています。導入後、わかりやすいと好評を頂いていますね。

千晶先生は2021年の5月に院長を継承されたそうですね、院長としての想いをお聞かせください。

【千晶院長】祖父から3代続く歯科医院で、私の地元でもありますので、これまで通ってくれている方が今までどおり来てくれる“通いやすい歯科医院”としてやっていければいいなと思っています。これまでどおり、全身を診ながら、保険内での治療でも適切な治療を行いつつ、新しい治療法で良いと思うものは少しずつ取り入れ、患者さんが選べる治療の幅を広げていきたいと考えています。例えば、最近は銀歯ではなく白い歯にしてほしいというニーズがあるので、これは取り入れていこうかと話している最中です。それぞれの症例に対して、一番良いと思える治療法を提案していきたいと考えています。

丁寧な治療と説明で、診療に安心感をプラスする

患者さんと接する際に大切にしているのはどんなことでしょうか。

【千晶院長】治療の流れや患者さんにわかりにくいこと、画像などの説明を丁寧にすることです。治療中に患者さんにお声がけすることも大切にしています。何をしているのかわからないと患者さんの不信感につながる可能性もありますので、説明とこまめな声かけはずっと続けていきたいですね。患者さんが不安にならないために、話しやすい環境づくりも意識しています。「何か言ったら怒られるかと思って、怖くて言えなかった」という声も聞いたことがありますので、わからないことがあれば何でも聞いていただければと思います。
【哲副院長】長く通っている方も多いので、フレンドリーに接するようにしています。やはり、どうしても歯科医院は怖いイメージがあるかと思いますので、変に固くならず気を使わずに来てもらえる環境を意識してきます。

注力していきたい治療はありますか？

【千晶院長】皆さんが歯科医院と聞いて思い浮かべる一般歯科、虫歯の治療に関しては、平均より上のレベルをめざしたいです。虫歯の治療で言うと、最近は拡大鏡を取り入れて、治療の精度向上に努め、材料も新しいものも取り入れるようにしています。最近はオンラインの勉強会や講習会が増えたので、幅広く学んでいます。
【哲副院長】私は、スポーツをする時に外傷や脳振とうを予防するために使うマウスガードですかね。三重県内でも数少ないスポーツ関連に明るい歯科医師として、その方に合わせたオーダーメイドのスポーツ用マウスガードを作っています。当院に来てくれるのは、ラグビー部の子が多いですが、最近では野球やバスケットボールでも使っている選手が多いですね。

訪問診療もされているのですか？

【哲副院長】訪問診療は私が院長の時から、これまで通ってくれていた方で通院が難しくなった場合などは個人宅に訪問していましたが、歯科医師が1人だったので、なかなか本格的にできなかったんです。千晶院長が戻ってきて2人体制になってから、訪問診療を少しずつですが開始したところです。
【千晶院長】2人体制だと動きやすくなるかなと思いますし、できる範囲は限られていますが訪問診療を行っていきたいと思っています。定期健診や入れ歯の調整などがほとんどですが、患者さんの希望があればできるだけのことは対応していきたいですね。以前勤めていた所でも訪問診療をしていたので、その経験を生かせると思っています。

女性歯科医師が希望でき、英語対応も可能な歯科医院

親子で一緒に働いてみていかがですか？

【哲副院長】親子で歯科医院をするのは難しいとよく聞きますが、今のところそういったことは感じていません。私が父親とやっていた時も、やりにくいと感じたことがなかったので、理由を考えてみたのですが、直接何も言われなかったからだと思ったんです。身内だと、何か言われた時にカチンとくることがあるから、私も治療に関して口出ししないと決めています。
【千晶院長】私はこれまで大学病院や一般歯科などでの勤務医としてしか働いた経験がないので、父からいろんなことを教えてもらい、盗めるところは全部盗みたいですね。

患者さんとの印象的なエピソードがあればお聞かせください。

【千晶院長】以前勤めていた病院の患者さんの話になってしまうのですが、口腔内の複数ヵ所を治療しなければいけない方と出会いました。その患者さんは、今までいろんな所で相談したけれど、基礎疾患などの問題でなかなか治療が進まなかったとおっしゃっていました。比較的長期間の付き合いになり、いろいろと相談を受けていましたが、治療が一通り終わったときに「本当に良かった」と言っていただけて、お手紙をもらったことがとてもうれしかったです。歯科医師をやっていて良かったなと思った瞬間でした。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【千晶院長】院長は私に交代しましたが、今までどおり患者さんに来ていただけたらうれしいです。ホームページの作成など、より通院しやすいように工夫できるところはしていこうと思っています。より幅広く、対応できるようにしていきたいと考えておりますので、お口のことで痛みや、少しでも気になるところがあれば、ご相談いただければと思います。ウェブ予約も導入予定なので、こちらもご活用ください。
【哲副院長】私はどんな治療もとにかく丁寧に行うのが信条です。矯正以外は幅広く対応していますので、何なりとご相談ください。今までは歯科医師は私1人でしたが、今は女性の歯科医師がおりますので、ご希望があればおっしゃってください。英語での対応も可能です。