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北見 圭司 院長の独自取材記事

北見整形外科

(川崎市宮前区/鷺沼駅)

最終更新日:2023/07/11

北見圭司院長 北見整形外科 main

「鷺沼駅」から「梶が谷駅」行きのバスに乗り「野川台西口」下車、徒歩1分の場所にある医療モール、「野川メディカルセンター」ビルの1階にあるのが「北見整形外科」だ。清潔感があり広々とした院内は、北見圭司院長が「患者さんが少しでも明るく元気になれるように」と選んだテーマカラーのオレンジ色で統一されている。待合室のソファーは一人ずつアクリル板で仕切られており、感染対策に力を入れていることがうかがえる。開業前は、北里大学病院などの大規模病院で長年研鑽を積み、横浜総合病院では整形外科部長を務めたベテランドクターである北見院長。日本専門医機構認定整形外科専門医として高い技術を持ちながら、表情にも話し方にも、芯のある優しさと誠実さがにじみ出ている北見院長にじっくりと話を聞いた。

(取材日2007年4月11日/更新日2023年6月16日)

整形外科医として完璧な治療を追求

先生の子どもの頃のお話をお聞かせください。

北見圭司院長 北見整形外科1

私は新潟県佐渡の出身です。海が近かったので子どもの頃はよく父に釣りに連れて行ってもらいました。日曜日の朝の3時頃に起こされて船に乗るんですよ。それで昼の1時頃に帰ってくるという感じでしたね。ブリの小さいのや、タイなんかが釣れました。小学生の時には30センチ超のタイを釣ったことがあるんですよ。そのタイをテーマに作文を書いて、賞をもらったりしましたね。釣った魚は持って帰ってさばいて食べる。余った分は近所に配ったりしてね。父は歯科医師だったのですが、半分漁師のような人でしたから少々海が荒れていても船を出すんです。そんなことが思い出されますね。

お父さまはどういった歯医者さんだったのですか?

一言で言えば、職人ですね。歯科医師というのは、医師とはちょっと違うところがあるんですよ。例えば、入れ歯を作ったり直したりする仕事がありますよね。だから完璧さを求める、職人みたいな部分が出てくる職業なんです。近くに歯科医院が何軒かあったのですが、父は「患者さんの口の中を見れば、大体どの歯科医院に行っていたかがわかる」と言っていました。「そうやって目に見えて誰が治療したかわかる仕事だから完璧に」という意識を持っていたみたいですね。「俺が治療したところには、イニシャルを彫りたいくらいだ」なんて冗談を言うぐらいでしたから(笑)。

先生はいつ医師になろうと決意されたんですか?

北見圭司院長 北見整形外科2

高校1年生くらいですかね。途中までは歯科医師になって家を継がなきゃいけないのかな、とも考えていたんですよ。でもどうせやるなら、口の中だけではなくて体全体を扱う医師になりたいなと思い始めたんです。整形外科の医師としてバラバラになった骨をピタッときれいに合わせて、「どうだ!」と満足感を得る気質というのは、完璧な仕事を追求する父の姿勢から受け継いだものなんでしょうね。

大学病院で積み重ねた経験が現在の診療の土台に

整形外科を選んだきっかけを教えてください。

北見圭司院長 北見整形外科3

医大生は専門を決める前に、いくつか科を回るんです。その際に「整形外科って医師の中でも比較的性格が明るい人たちが多いな」という印象がありました。そう感じたのには実は理由があって、当時の教授がとても立派な方だったんです。留年している人も少なくないんですが、そういう人を嫌う科もあるんです。優秀な人材が欲しいからと言ってね。でも整形外科の教授は少しくらい留年した先輩たちも受け入れる姿勢だったんです。とても立派で厚みのある人たちばかりでした。教授はそういうところもきちんとわかっていたんですね。その教授のもとに人間味のある先輩たちが集まっている科だったからこそ、惹きつけられたんだと思います。

教授から大きな影響を受けたんですね。

そうですね。本当にカリスマ的な方でした。ちなみに「整形外科」というのはそんなに古くからある科ではないんです。教授はその発祥の地の一つと言われる九州大学出身で、やはり開拓精神も強い方でした。例えば、教科書に書いてあるようなことをそのまま言うと手術をさせてくれないんですよ。「もうちょっと何か考えろ。教科書に載っていることをそのままやるんじゃなくて、もう少し何か工夫すればもっと良くなるんじゃないか」って言うんです。当たり前の方法なんかを言うと、怒ってしまって進まなくなっちゃうんですよ。教授のポリシーは「小さくても、創意を」なんです。だからその教授のもとで勉強したことで、考えて治療することができるようになりましたね。教授の教え子が編み出した手術方法がいくつもあるんですよ。教育者としても人間としても、魅力のある方でした。

卒業後にいくつかの病院に勤務されていますが、思い出深い病院はありますか?

北見圭司院長 北見整形外科4

大学病院に半年勤務した後、一番最初に行った東京都老人医療センターの印象が強いですね。というのも、そこは東京大学出身の先生ばかりだったので、北里大学とはまったくやり方が違うんです。例えば手術をするときに体に掛ける布があるでしょう? その掛け方からして違うんですよ。だから最初のうちは、全然勝手がわからなくてね。でもだんだん慣れてきてどういう理由でそうしているのかが見えてくるんですよ。その後に勤めたのは北里大学の関連病院が多かったのでそれほど戸惑いませんでしたが、そういった手術の「作法」から考え方まで異なる場所で働けたのは良い経験でした。

一人ひとりに最適なオーダーメイドの治療をめざす

なぜ大きな病院の勤務医から開業医になろうと思われたのですか?

北見圭司院長 北見整形外科5

大学病院では、最初のうちは手術や外来診療で患者さんとふれあう機会も多くあります。だけど長く勤めているうちに、臨床とは離れたことをする機会も増えてくるんですね。仕方のないことなんですが、医師として患者さんと向き合って仕事をして「ありがとうございました」と言ってもらえる機会がなくなってきます。一方で、開業医は患者さんの声が直に聞けるじゃないですか。いい加減なことをすれば自分が困るし、きちんとした治療をすれば感謝してもらえる。本当に反応が「生」なんです。今のやりがいは、やはりそういった患者さんの声ですね。それと20年以上、整形外科という専門的な学問を学び、手術をたくさんして直接患部を見てきた後に開業したのは正解でした。その経験があるからこそ、きちんとした診断と治療ができるんだと思います。

先生の診療方針をお聞かせください。

正しく診断して、それに対して一番良い治療をして結果を出す、ということが重要だと思います。整形外科の場合、ベストな治療法は一つとは限りません。スポーツで体を痛めた場合でも、練習を休める人もいるでしょうが、休みたくない人もいるはずです。皆さんに同じように安静を指示したり、同じ固定方法にしたりするのでは最適な治療とはいえないと思います。それぞれの患者さんのニーズに合った、オーダーメイドの治療プランが必要だと思うんです。教授が言っていた「小さくても、創意を」を常に念頭に、患者さんから「ありがとうございました」と言ってもらうために努力を惜しまない、それが私の信条です。ただ、じっくり診察をして治療方法を相談していると、どうしても患者さんに「待ち時間が長い」と言われるジレンマもあるんです。そこが難しいところでしょうか。

最後に患者さんへメッセージをお願いします。

北見圭司院長 北見整形外科6

当院がめざすのはきちんと診察・診断して治療する、学問的にレベルの高い整形外科です。常により良い診療を追求し、院内の機器の充実にも努めています。例えば最近はより精密な診断と患者さんの負担の軽減につながるフルデジタルのエックス線DRや超音波エコーを導入しました。また、即時的な鎮痛作用と治療促進に有用であるといわれている拡散型圧力波治療器も導入しました。今後も「あそこに行ったらちゃんと診てくれて、ちゃんと診断結果を説明してくれて、ちゃんと治してくれるよ」と言われるようなクリニックでありたいですね。若い方でもご高齢の方でも、その方が納得のいく治療をして差し上げたいと思っていますので、ぜひお気軽にお越しください。

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