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高橋 重人 院長の独自取材記事

高橋内科医院

(川崎市高津区/二子新地駅)

最終更新日:2021/10/12

高橋重人院長 高橋内科医院 main

多摩川からの風を感じる静かな駅前商店街に面し、二子新地駅からのんびり歩いて3分ほどの場所にある「高橋内科医院」。2003年の開業以来、気軽に相談できる街のかかりつけ医として、住民の支持を集めている。シックで落ち着いた内装の院内には、待合室や廊下の壁に雰囲気あるモノクロの写真が飾られ、聞くと高橋重人院長の撮影によるものだという。写真に刻まれた温かな空気感は、そのまま医院の診療にも反映されている。「患者さんにはそれぞれいろいろな背景があります。それを大切に向き合っていきたい」と語る高橋院長のまなざしは、どこまでも優しくぬくもりにあふれている。開業以来一貫して患者本位の医療を提供し続けている高橋院長に、そのめざす医療や心がけ、今後の展望などについて聞いてみた。

(取材日2017年7月4日)

地域に溶け込み、患者の人生の変化に寄り添った診療を

院長のご経歴と医院のなりたちについて教えていただけますか?

高橋重人院長 高橋内科医院1

父も兄も消化器科専門の医師という環境で育ち、一番身近な職業として自然と医師をめざすようになりました。医学部に進学した時から、いずれは父と同じような街のかかりつけ医としてのドクターをめざしてきましたが、医学部卒業後は大学病院でリウマチを専門に治療してきました。その後、いくつかの総合病院で一般内科診療について幅広く経験を積み、2003年に「高橋内科医院」を開業。リウマチの治療も手がけますが、主に地域の皆さんのホームドクターとして、風邪から生活習慣病、心のケアまで幅広くご相談いただいています。

開業以来15年続けていらしたということですが、変わったことなどはありますか?

医院も自分自身もあまり変わったというところはないのですが、通っていただく患者さんの変化に、時の流れを感じることもよくあります。開業当時小学生だった子が成人していたり、結婚して赤ちゃんを連れてこられたり。当院には2世代3世代、なかには4世代にわたって家族で受診していただいている患者さんも多いのですが、時の流れとともにそのバックグラウンドも少しずつ変化しています。そうした変化につれて、ご提案する治療やアドバイスも少しずつ変わってきたり……。患者さんの人生の変化に寄り添って診ることができるのは、私のような地域開業医の醍醐味なのではないかと感じています。

長く通い続けていただいているからこそできる診療もあると?

高橋重人院長 高橋内科医院2

会うことを重ねてようやくお話しいただけることもあるでしょうし、日頃からコミュニケーションをとって患者さんのバックグラウンドに触れているからこそできるアドバイスもあります。患者さんはお一人お一人が異なる家族環境や価値観、ライフスタイルなどの背景をお持ちです。症状や病気についてはもちろんのこと、そうした患者さんの抱える背景も鑑みて治療をご提案するのが私のスタイル。そのために、患者さんのお話をじっくりと聞くことは欠かせません。長く通い続けていただいている患者さんでは、以心伝心でお求めの対応をすることもできますが、初めての方や大きな変化を越えてこられた方などについては、特に時間をとってお話を聞くようにしています。

「医療の入口」として、体と心の相談に幅広く対応

診療にあたって心がけていらっしゃることは?

高橋重人院長 高橋内科医院3

自分のスタイルに相手を当てはめるのではなく、常に患者さんがどうしてほしいのかをくみ取って、柔軟に対応するようにしています。長く通っていただいている方では、床屋さんで黙って座るだけでいつもの髪型に仕上がるように、「いつもの薬を」といったシンプルな診療をお求めの方もいらっしゃいますし、反対に、不安が大きく丁寧な説明をお求めの方もいらっしゃいます。また、同じ患者さんでもタイミングによって求められている対応は異なるのです。必要な時を見極めて、緩急をつけてご対応するようにしています。時には他の患者さんの診療が長引いてお待たせしてしまうこともありますが、それもお互いさまというスタンスです。

どのような患者さんが多くいらしていますか?

開業当初から、性別も年齢も問わず幅広い層に来ていただいています。リウマチの治療では、少し遠くから来院される方もありますが、その他では近くにお住いの方がほとんどです。ご相談についてはさまざまで、風邪の咳で来院されて、ついでに精神的な気がかりをご相談される方もいらっしゃれば、高齢のご家族をお連れになって、「こういう時はどこを受診すればいいですか」といった相談を受けるケースもよくあります。大学入試時の小論文に「診療科に関係なく幅広い診療ができる街のかかりつけ医として、患者さんの体だけでなく心のケアまでしていきたい」と書きましたが、まさにそれを実践できていると感じています。

内科での対応が難しいケースも出てくるのでは?

受付でお話を伺って、当院でお待ちいただくよりすぐに別の医療機関へかかるべきと判断してそのようにお話することもありますが、基本的にはなんでも一度はご相談を受けるという姿勢でいます。アレルギー性疾患や心の病など、多くご相談を受ける症状に対しては、内科で可能なレベルの対応も行いますが、必要に応じてやはり他科の先生や大きな病院へとご紹介することもあります。患者さんをご紹介する際には、自分自身が顔を知っている信頼できる先生を指定したうえでお願いすることもよくあります。

「医療の入口」としての機能も果たされているのですね?

高橋重人院長 高橋内科医院4

受診すべき医療機関や診療科がわからないといったご相談はよくありますし、仕事上のストレスによる症状にお悩みの方などでは、会社の産業医への相談を勧めたりといったことも。また、介護について、ソーシャルワーカーやケアマネジャーへの相談を勧めるケースもあります。医療についてわからないことは、まずはなんでもご相談いただいている感じですね。

「変わらないこと」を「続ける」ために力を尽くす

リウマチの治療について教えていただけますか?

高橋重人院長 高橋内科医院5

実はリウマチを治療する医療機関は多くなく、当院を受診されるリウマチの患者さんは増加傾向にあります。リウマチは自己免疫がなんらかの原因によって内臓や関節に障害を引き起こす病気です。膠原病や関節リウマチはいまだに原因がはっきりはしていませんが、現在は優れた治療薬が開発されています。従来では対症療法しかなかったところから一転し、薬によって進行を遅らせ、症状をコントロールできるようになっているのです。自己免疫疾患は専門的に勉強をしている医師でないと、診断が遅れることもありますし、治療は長期にわたることも多いので、ぜひ専門医による治療を受けていただきたいです。

ご自身はお父さまの背中を見て医師を志されたそうですが、息子さんは?

私にとっては医師になることが一番自然だっただけで、特に息子に「医師になれ」ということはありません。私が言わなくても周りの人たちからある程度似たようなことを言われているだろうというのは、自分の経験からも想像できますので。院内に飾った写真では無邪気なやんちゃ坊主だった2人の息子も現在は中学生。選択肢のひとつとしては医師もあるかもしれませんね。特に医師を勧めることはありませんが、もし同じ職業を選んでくれたら、経験者としてのアドバイスをできるという点は良いかもしれません。

今後の展望について教えてください。

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新しいことは考えていません、むしろ、「変わらないこと」を「続けること」。15年やってみて、これが意外に難しいと感じています。現状、自分のめざした医療を実践できていると自負していますが、患者さんが増え、スタッフも入れ替わるなかで、同じことをずっと続けていくということには、実は大変な努力が必要なのです。特に冬場などは多くの方に来院いただくなかで、理想とする診療時間が取りづらくなってしまったり、新しく入ったスタッフで、患者さんに対して私が求めるものと違う対応をしてしまったりということも起こります。環境や条件が時とともに変わるのは当然のことですから、その上で自分のめざす医療をいかに実践し続けていくかが、今後も課題になりますね。

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