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鬼武 宏行 院長の独自取材記事

おにたけ整形外科

(名古屋市天白区/原駅)

最終更新日:2023/09/08

鬼武宏行院長 おにたけ整形外科 main

天白区御前場町の住宅地に立つ「おにたけ整形外科」は、この地に開業して今年で40年以上になる。高齢者から子どもまで幅広い層の患者の治療、リハビリテーション、手術に対応する地域に密着した有床診療所だ。初代の院長が診療所を建てた時に造園した自慢の日本庭園が窓越しから眺められ、リハビリテーションに励む患者たちの癒やしになっている。鬼武宏行先生は、大学病院や整形外科病院で、脊椎脊髄疾患を中心とした治療や手術の経験を積み、2017年に院長に就任した。「父の代から通ってくださる地域のご年配の方々にも、できるだけ薬から離脱して自分の足で歩けるような体になっていただくことが目標です」と話す鬼武院長。クリニックの診療理念や注力しているリハビリテーションについて話を聞いた。

(取材日2020年7月28日/更新日2023年5月15日)

2人の医師がそれぞれの得意分野を生かして診療

先代の院長が開業してから40年以上だそうですね。

鬼武宏行院長 おにたけ整形外科1

当院は、父が1981年に開業しました。当時はこんなに住宅も立っていない田舎でしたが、少しずつ地域の方々に利用していただくようになり、今では幅広い年齢層の方にご利用いただいています。開業医として地域医療と向き合う父の背中を見て育ったことは、私が医師をめざすきっかけになりました。30年以上、父がずっと一人でやってきた診療所でしたが、2014年に改装をして診察室を増やし、そこに堀内統副院長と私が加わって新しい体制になりました。そして3年前には、父が引退して理事長となり、私が院長に就任しました。父は医療からは退きましたが、開業当時からある自慢の日本庭園の手入れは今も父の仕事です。新型コロナウイルスの影響で中止にしていたお茶会ですが、現在は感染状況が落ち着いているときのみ、開催しております。

勤務医時代にはどんな経験を積まれたのですか?

大学卒業後は藤田保健衛生大学病院(現・藤田医科大学病院)で研鑽を積んだのですが、研修医時代は「なんでも来い」の精神で、外傷の治療をたくさん経験しました。その後は千種区にあるはちや整形外科病院に3年間勤務し、慢性疾患を中心にたくさんの手術を経験させてもらいました。この頃に脊椎脊髄疾患の手術を多く経験したことが、脊椎脊髄疾患を専門とするきっかけになったと思います。その後、大学病院に戻ってからの6年間は、脊髄グループの一員としてヘルニアや腰痛などの治療を行ってきました。

院長は脊椎脊髄疾患が専門とのことですが、副院長の堀内先生の得意分野は何ですか?

鬼武宏行院長 おにたけ整形外科2

当院はどの医師も基本は一般整形外科が中心ですが、堀内先生は肩疾患とスポーツ障害を専門に診ています。お互い、得意分野を生かして情報共有しつつ患者さんの治療を進めています。例えば、ヘルニアや腰痛は私の得意分野。肩凝りでも、頸椎椎間板ヘルニアの場合がありますので、自己判断しないで診察に来ていただきたいですね。一方の堀内先生は、超音波とMRIを取り入れながら診断され、肩や膝などの関節鏡手術などを得意としています。関節鏡手術は、関節の周囲に小さな穴を開け、関節に内視鏡を挿入して手術を行うので、感染症のリスクも少ないですし、低侵襲な手術です。当院で手術をして入院、リハビリテーションまで可能です。

院長が対応している脊椎脊髄疾患の手術もこちらのクリニックで行っているのですか?

ヘルニアや腰、首の手術に関しては、全身麻酔が必要ですから私が今も働いている病院で受けていただくかたちになります。設備の整った病院で私が執刀しますので、患者さんにも安心して手術を受けていただけると思います。手術後の観察は、その病院でも当院に転院入院でもどちらでも可能です。長期入院になる場合は、主治医が私ですから、当院での入院とリハビリテーションを希望される方が多いですね。手術入院だけでなく、高齢の方の療養病床としても利用していただいています。例えば、骨折されて自宅療養ができない場合の入院などですね。

リハビリテーション治療を軸にスタッフと設備を拡充

リハビリテーション室の窓からは庭の緑が見えて、癒やされますね。

鬼武宏行院長 おにたけ整形外科3

庭側は3面のガラス窓になっているので、ベッドに横になっても緑を眺めることができます。当院はリハビリテーションを重視し、患者さんの日常生活動作をいかに向上させるかに重点を置いています。特に高齢者の場合、転倒や骨折がきっかけで寝たきりになってしまうことがありますから、転倒予防のためには筋力訓練が必要です。リハビリテーションでは、理学療法士がそれぞれの患者さんの状態に合った負荷でトレーニングをサポートすることで、高齢者でも無理なく筋力を鍛え、転倒予防につなげていきたいと考えています。新型コロナウイルスの緊急事態宣言中には通院を自粛される患者さんもいらっしゃって、「自粛中に筋力が落ちてうまく歩けなくなった」との声も多かったので、運動療法を続けることの大切さを実感しましたね。

医師と理学療法士が情報を共有しながら患者さんの日常生活の質を上げているのですね。

最近では、高齢者の方もスポーツジムなどで筋力トレーニングをされていますが、自己流になってしまうことも多いと思います。一方、クリニックのリハビリテーションにおける筋力トレーニングは、神経筋の協調や筋活動パターンなどの総合動作能力が低下して動きが悪くなった場合の回復を目的とした筋力訓練です。医師がオーダーしたトレーニングメニューをこなすため、理学療法士は患者さんの痛みや状態を見て、その人に合った負荷を調節しながらトレーニングを行います。筋力トレーニングと言ってもそこがスポーツジムとの違いかなと思います。当院では、一人の患者さんを2人の理学療法士が担当しているので、どちらかが休みでもきちんと対応できる体制になっています。20~30代の元気な8人の理学療法士は大きな戦力。定期的な勉強会を開催してスキルアップしながら頑張っています。

リハビリテーション室の設備についても教えてください。

鬼武宏行院長 おにたけ整形外科4

私が院長になってから、腰の減圧治療をするマシンや加速度トレーニングマシンなどの新しい機器を設置しました。昔からあるけん引治療といった腰を引っ張る治療も悪い治療法ではないのですが、やりすぎると腰の筋肉を傷めてしまうことがあります。減圧治療用のマシンは、上半身の重さを取り除いて腰の負担を減らし、痛みの少ない状態で運動ができます。加速度トレーニングマシンでは、重りを持たなくても振動によって十分なトレーニング負荷をかけることで全身の体幹を鍛えていきます。また、マシンを使っての筋力テストをはじめ、歩行能力や握力なども合わせた体力測定もしており、筋力を数値化することで、患者さんのやる気につなげています。

薬から離脱して自身の修復能力で治してほしい

オープン型のMRIも新しく設置されたそうですね。

鬼武宏行院長 おにたけ整形外科5

MRIの検査は、以前は近隣の連携病院でお願いしていましたが、それでは患者さんにとって負担になりますから、2017年にオープンタイプのMRIを導入しました。通常のMRIは、筒状のドームの中で30分ほど横になったままなので、閉所が苦手な方にとっては苦痛ですが、オープンタイプなら解放感があります。他のクリニックからMRIの検査のために紹介で来られる患者さんも、オープンタイプ指定で来られることが多いですね。

院長に就任されて設備も強化されました。クリニックがめざす医療について教えてください。

先ほども当院ではリハビリテーションを重視しているとお伝えしましたが、私がめざす医療は、できるだけ薬を使わずに患者さんの運動能力を上げて、ご自身の修復能力で治してもらうことです。痛みを取って差し上げることも大事ですが、痛みの予防としての筋力訓練はもっと大事だと思っています。痛みを抑えるための薬を徐々に減らしながら薬から離脱してもらいたいというのが私の気持ちなので、「痛みだけ治ればいい」という方にも、何のために運動療法をするのかを診察室で説明しています。筋力は何歳になってからでも鍛えることができますので、高齢であっても頑張ってリハビリテーションを続けて自分の足で歩けるようになってほしいですね。

最後に今後の展望をお願いします。

鬼武宏行院長 おにたけ整形外科6

今後は、リハビリテーション室を拡張し、さらにキッズルームも作る計画です。お子さん連れの方もゆっくりとリハビリテーションに専念していただきたいですからね。リハビリテーション後の楽しみだったお茶会も、状況に応じて開催しております。お抹茶とお菓子をいただきながらのおしゃべりは、地域住民の交流の場にもなりますので、今後も続けていきたいですね。

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