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小川 麻子 院長の独自取材記事

ごきそレディスクリニック

(名古屋市昭和区/御器所駅)

最終更新日:2023/09/01

小川麻子院長 ごきそレディスクリニック main

御器所駅から徒歩約3分、落ち着いた住宅街の一角に、開業から約25年の歴史を持つ「ごきそレディスクリニック」はある。明るく朗らかな性格で子どもが大好きという小川麻子院長のもと、スタッフは全員女性。家族待合室以外は男子禁制という、まさに女性のためのクリニックだ。待合室では扉や壁に描かれたオリジナルキャラクターの“ばぶちゃん・ばぶまま”が迎えてくれる。現在分娩は休止しているが、小さな子ども連れでも安心して受診できるクリニックだ。両親が医師という環境に育ち、女性医師としての豊富な経験を重ね、自らも3児の母でもある院長に、開業の経緯から診療内容など、話を聞いてみた。

(取材日2016年4月27日/情報更新日2023年6月23日)

子どもに「お帰りなさい」が言いたくて開業医に

ご両親も医師だったとお聞きしましたが?

小川麻子院長 ごきそレディスクリニック1

父が外科、母は産科の医師で、近くで開業していたんです。でも私を含めて子どもが4人いたので、母は仕事の他に母親もやらなくてはいけないし、父は長男でしたからそのお嫁さんでもあり、とにかくすごく忙しい人でした。それを見て「せっかく大変な思いをして医師になったのにもったいない」と思い、自分は医師にはなりたくなかったんです。でも高校2年生の時、母の友人の医師に診てもらう機会があって。と言っても視力検査だったんですが、その女医さんがすごく格好良くて「女医さんもいいなぁ」と思うようになりました。その後、大学を卒業する少し前に、母が手がけたお産に立ち会わせてもらったんです。その時の母がすごくすてきで、医師としても尊敬できる人だなと感じました。自分もそんなふうになりたいと思って、現在もそのために頑張っています。

クリニックを開業された経緯を教えてください。

結婚をして自分が母親になったら、当時の大学病院には居場所がなかったんです。現在はだいぶ違うと思いますが、2人目を妊娠した際に「もう当直は無理だね」と言われたこともありました。あと、自分の子どもが学校から帰ってきた時に「お帰りなさい」と言いたかったんです。もっとも、子どもには「お帰りなさいって言われたことないよ」って言われていますが(笑)。朝「行ってらっしゃい」を言うのがぎりぎりでしたね。それもお産で呼ばれてしまい、言えないこともありました。現在はお産は休止しているので、やっと行ってらっしゃいとお帰りなさいが言えるようになりました。でも子どもが大きくなった今では、うるさがられています(笑)。

クリニックの建物は開業時に建てられたのですか?

小川麻子院長 ごきそレディスクリニック2

そうです。自分でこうしたいという希望があって、あちこち相談したんですが、みんな断られて。唯一話を聞いてくれた会社の人にいろいろと無理を言って、建ててもらいました。お母さんたちに教えたいことがたくさんあったので、4階を教室用のホールにして、自分の子どもがまだ小さかったので、住居も一緒にして。でもお産がすごく多かった時期に患者さんを収容しきれなくなったので、教室用の“ばぶホール”を別に建てました。最初の頃は、包丁を持ったことのないお母さんのためのクッキング教室なども開いていました。他にもおむつを縫うクラスとか、いろいろやりました。自分もたくさんの人に子育てを手伝ってもらっているので、これからママになる若い人たちの助けになればと思って。

女性スタッフによる女性のためのクリニックを実現

診療内容の特徴について教えてください。

小川麻子院長 ごきそレディスクリニック3

お産を休止してからスタッフとみんなで考えたコンセプトが“女性スタッフによる女性のためのクリニック”です。特に“女性スタッフによる”が重要なキーワードですね。クリニック内は男子禁制なので、うっかりついてきちゃった男性の方は、家族待合室でお待ちいただいています。女性のためのクリニックとして、月経困難症や子宮頸がんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染を防ぐためのワクチンにも対応しています。ほかにも、干渉低周波による尿失禁・頻尿の治療装置を導入しました。

患者さんへの対応について、スタッフさんと共有している方針などありますか?

スタッフには、「自分が患者さんだったらどう思うか考えて」という話をしています。みんなちゃんとわかってくれています。私は患者さんが何を望んでいるかを考えながら診察をして、それをスタッフみんながフォローしてくれている。そういった現在の環境には、とても感謝しています。私自身も年齢を重ねたことで、患者さんに共感できることもたくさん増えました。スタッフの力も借りながら、患者さんのお手伝いができたらいいな、と思っています。

ホームページを拝見すると、情報の発信も積極的にされているようですね。

小川麻子院長 ごきそレディスクリニック4

ホームページを立ち上げたのはかなり昔なんです。母乳育児や分娩への立ち会いなど、本に書いたら論議を呼びそうな内容でも、ホームページならあまり問題にならないということもあって。そういった発信を通して「あなたが思っていることは普通ですよ」ということを伝えたかったんです。以前精神科の先生とお話ししたんですが、流産したときの悲しさは、経験した人みんなが感じることで、でも赤ちゃんはきっといつか必ず戻ってくる。そう伝えることで、患者さんの悲しみが軽くなるのではと思うんです。その他のことでも、現在は相談できる相手が周りに少ないということもあります。医療は常に進歩しているので、間違ったことや古い情報を伝えたりしないように日々勉強しながら、自分の中で消化できたことをできるだけ発信していこうと思っています。特に婦人科のことは、自ら経験したことを自分の言葉で伝えられるのが強みですね。

女性の悩みを同性として共感し解決への力添えがしたい

院内のこだわりを教えてください。

小川麻子院長 ごきそレディスクリニック5

診察室では恥ずかしくないようにひざ掛け用のフェイスタオルを用意しています。何げないことですが、かけられたらちょっとうれしくなりますよね。タオルは毎回洗濯ができるので、衛生的にも安心です。また、雨の日は外からいらっしゃった患者さんのために、体を拭くタオルも入り口に用意しています。これは雨が降るとスタッフが自然に出してくれるんです。そんなスタッフの心遣いにもとても感謝しています。こういった院内の配慮は勉強会などで学んできて、スタッフと共有して、良いと思ったものは積極的に取り入れています。患者さんが安心したり、ちょっとうれしくなるような心遣いをこれからも続けていきたいです。

オリジナルのキャラクターは、ご自分で考えたんですか?

最初のキャラクターは、開業した時「ママと赤ちゃんに優しいクリニックを作る」というコンセプトに合わせて、私が描いた絵からデザイナーさんに作ってもらったんです。その時は哺乳瓶のキャラクターだったんですが、いろいろあって現在のばぶちゃんとばぶままにキャラクターを変えました。ばぶママはその当時の事務員さんが描いてくれた絵を、デザイナーさんに描き直してもらって。向き合っている母子のデザインはよく見かけると思うんですが、母親に見守られながら前を向いて生きていく子どもの姿を表わしたかったので、ばぶちゃんは前向きに描いてもらいました。

それでは最後に、患者さんに向けてのメッセージをお願いします。

小川麻子院長 ごきそレディスクリニック6

女性の悩みを同性として共感し、解決に向けてのお力添えができれば幸いです。自分もそうでしたが、女性って思春期、成人期、更年期、高齢期と、人生の中で何度もホルモンの影響を受けるじゃないですか。そういったホルモンと上手に付き合う方法を、患者さんとともに勉強していけたらいいなと思っています。避妊、母乳育児、子育て、更年期など、実はちょっとしたことで意外と簡単に軌道修正できることが多いんです。そういったことを皆さんに伝えられたらうれしいです。どんなことでも、一人で悩んでいないで、ぜひ相談してほしいです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

妊婦健診/名古屋市に在住の方に関しては公費負担(助成)で受診可能。(検査内容によって別途費用がかかる可能性あり)
子宮がん検診/名古屋市内に居住地を有する20歳以上の女性に関しては500円で受診可。(その他に該当する方は5000円~)
※詳しくはクリニックにお問い合わせください。

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