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画期的なタブレット型訓練器で
子どもの弱視を早期発見・治療

さこう眼科

(川崎市中原区/武蔵小杉駅)

最終更新日:2021/10/12

さこう眼科 画期的なタブレット型訓練器で 子どもの弱視を早期発見・治療 さこう眼科 画期的なタブレット型訓練器で 子どもの弱視を早期発見・治療

「テレビを前のほうで見る」「目を細める」「いつも頭を傾けて物を見る」。もし子どもに思い当たる点があれば弱視の可能性があるが、子どもが自ら異常を訴えることはなく、親でも気づきにくいという。そこで、タブレット型弱視訓練器を先駆的に導入し、先進の治療を実践している「さこう眼科」の酒匂丈裕院長に、弱視に気づくサインとなるしぐさから、弱視の症状・原因、治療法などについて聞いた。

(取材日2015年12月11日)

ゲーム感覚で楽しく治療ができるタブレット型弱視訓練器で、治療期間や負担を軽減

Q弱視とはどのような病気なのでしょうか?
A
さこう眼科 分かりやすく解説をしてくれる酒匂院長

▲分かりやすく解説をしてくれる酒匂院長

生まれたばかりの赤ちゃんの視力は、目の前がぼんやり見える程度です。1歳ではまだ0.2前後ですが、子どもの視力はものを見ることでどんどん育ち、3歳半を過ぎると0.7〜1.0、4歳で71%、5歳で83%が1.0に達するといわれています。しかし、視力の発達する期間(生後〜8歳ぐらい)に、強い屈折異常などがあると、視力が悪い状態のまま発達が止まってしまいます。これを「弱視」といいます。眼鏡をかけると、1.0まで見える場合は弱視とはいいません。弱視の原因には片方の目の視線(位置)がずれているために視力が発達しない斜視弱視、片方の目だけが強い遠視や乱視のためにおこる不同視弱視、両目とも強い遠視や乱視であるためにおこる屈折異常弱視、先天性白内障やまぶたがいつも下がっていて、黒目を覆っている眼瞼下垂など、何かで光が遮られ、視力の発達が止まってしまう視性刺激遮断弱視などがあります。

Q親が子どもの弱視に気づくためのサインや兆候はあるのですか?
A
さこう眼科 現在の目の状態をしっかりと検査をする

▲現在の目の状態をしっかりと検査をする

目を細める、斜視など、見て分かる症状もありますが、症状が何もない場合も多く、注意していてもわからないことが多いのも弱視の特徴です。特に、片方の目だけが弱視の場合、良い方の目で見るため、早期発見をより難しくさせています。乳幼児は見え方に異常があっても、それを訴えることはできません。3歳ぐらいまでに見つかると、治る可能性は高いので、3歳児健診の視力検査は早期発見のチャンスです。「目の前でものを見せても目で追わない」「極端に顔を近づけて見る」「人や物によくぶつかる」「足元にあるものに気が付かず、よくつまずく」「横目で見たり、顔をずらして見たりする」「明るいと極端にまぶしがる」「遠くのものや小さいものに興味を示さない」など、少しでも異常に気づいた時は、早めに眼科を受診されることをお勧めします。

Qそのまま放置するとどうなるのでしょうか?
A
さこう眼科 検査結果を基に弱視なのかを見極める

▲検査結果を基に弱視なのかを見極める

視力が0.9や0.8でも日常生活で困ることはありませんが、8歳を過ぎると治療や訓練をしても、視力を1.0以上に発達させることが難しくなります。つまりこの時期を逃すと、視力の発達は生涯見込めないということです。だからこそ、できるだけ早く見つけて、視力を1.0までは上げることが大事です。弱視が良くなるかどうかは、視力の発達がどの程度、またどれ位の期間おさえられているかによります。弱視の程度が強いほど、また期間が長いほど、弱視の回復は困難になります。逆に、弱視は3歳ぐらいまでに発見できれば、眼鏡や遮閉法だけで治る可能性は高くなります。3〜4歳で治療を始めるのと、8歳からの治療では効果も大きく変わるため、早期発見・早期治療がとても大切です。

Qどんな治療法があるのでしょうか?
A
さこう眼科 弱視治療に詳しい訓練士が検査と訓練をしてくれる

▲弱視治療に詳しい訓練士が検査と訓練をしてくれる

遠視、乱視、不同視などの屈折異常の場合は、まず眼鏡を用いて視力の発達を促します。お子さんによっては眼鏡をかけたがらないことがありますが、眼鏡をかけずに弱視が良くなることはありません。少なくとも視力の発達が望める8歳までには、視力が1.0まで発達するように、眼鏡をかけることが重要です。眼鏡をかけても視力が良くならない場合は、遮閉法という視力増強訓練も一緒に行います。遮閉法は、視力の良い方の目にアイパッチをつけ、視力の悪いほうの目だけを使ってしっかり見るように促す訓練です。この方法は家庭でもずっと行わないと意味がありませんが、アイパッチを嫌がる子も多く、家族の負担も大きいのがデメリットです。また、先天白内障、眼瞼下垂などによる視性刺激遮断弱視は、弱視をおこすもとになっている病気をなるべく早く手術で取り除くことが、治療の基本です。

Q眼鏡や遮蔽法(しゃへいほう)の他に、同院で行っている治療はありますか?
A
さこう眼科 特殊な眼鏡をかけることで画面が見える。楽しみながら訓練が可能に

▲特殊な眼鏡をかけることで画面が見える。楽しみながら訓練が可能に

遮蔽法のアイパッチは「何も見えない」「むれる」「かぶれる」「見た目がイヤ」などの理由で嫌がる子が多く、長続きしないことも多いため、専用の眼鏡をかけて、タブレット端末のゲームを使って楽しみながら行う弱視訓練器を導入しています。これの良い所は眼鏡をかけないとゲームができないため、子どもたちが好んで眼鏡をかけてくれることです。子どもや親の精神的な苦痛も少なく、楽しみながら訓練ができるので、今後は弱視治療の有効な選択肢になると考えています。当院にはこの訓練器の開発に携わった視能訓練士がおり、専門的な訓練が受けられることも、安心していただけるポイントだと思います。

ドクターからのメッセージ

酒匂 丈裕院長

弱視治療で注意してもらいたいのは、治療効果のある期間が限られていることです。視機能の発達は8歳でほぼ終了し、10歳くらいから慌てて治療を始めても効果はなかなか得られません。後で後悔しないためにも3〜4歳になったら、視力検査を受けることをお勧めします。異常が疑われた場合は、できるだけ早い時期に精密検査を受けることが重要です。弱視は早く見つけて、早く適切な治療を受ければ、より短期間で、確実な効果が得られます。当院が導入している新しい訓練器は、もぐら たたきなどのゲームを通して脳の視覚野を刺激し、楽しみながら弱視治療ができます。お子さんの将来のためにも、見えていないかなと思うサインを見逃さないことが大切です。

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