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丸茂 恒二 院長の独自取材記事

丸茂医院

(小金井市/武蔵小金井駅)

最終更新日:2021/10/12

丸茂恒二院長 丸茂医院 main

武蔵小金井駅から徒歩7分。緑が多い住宅街に位置する「丸茂医院」は、1987年の開業以来、地域密着で診療を行ってきた。丸茂恒二(まるも・こうじ)院長は、長年生活習慣病の診療に力を入れ、高血圧症や糖尿病、脂質異常症、またがんや骨粗しょう症などの患者も多く診療。一方で小金井市医師会の活動にも熱心で、急速に進む高齢化において必要とされる在宅診療や医療機関同士の連携なども積極的に行っている。そうした経験の中で、実感を持って「病気は早期発見・早期治療が大事。できれば、病気にならないようにしたいですね。そのためには、検診をきちんと受けることが必要不可欠です」と話す丸茂院長。同院の診療や生活習慣病の治療、プライベートなどについてたっぷりと聞いた。

(取材日2014年8月1日/更新日2019年8月16日)

長年暮らした場所で地域に密着した医療を行う

医師をめざしたきっかけについて教えてください。

丸茂恒二院長 丸茂医院1

父が小児科の医師でしたから、それも関係しているかもしれませんが、実際に、私が医師になろうと思ったきっかけは、ある映画を見たことにあります。江戸時代の療養所を舞台に、名医の活躍を描いた作品ですが、高校2年生の頃に映画館で見てとても感動し、ベタな話で恥ずかしいですが医師を志しました。

開業までの経緯を教えてください。

名古屋大学医学部を卒業後、名古屋での病院勤務を経て、東京女子医科大学の糖尿病センターに勤めました。当時は昭和50年代でしたが、すでに高齢化社会が始まっており、生活習慣病の患者が今後増えていくだろうと予想され、私自身も、内科を専門に選んだ時から生活習慣病に興味を持って取り組んでいました。東京女子医科大学糖尿病センターは、国内でも多くの糖尿病患者の治療を行っている医療機関で、当時から先進の薬や医療機器などを取り入れた治療を行っていました。進化する糖尿病治療を目の当たりにしながら多くの診療経験を積み、かねてから考えていた開業に踏み切りました。

この場所で開業したのはどうしてですか?

丸茂恒二院長 丸茂医院2

私が生まれたのは山梨県ですが、幼稚園の時に小金井市のこの場所に引っ越してきました。以来、長年ここで暮らしてきましたから、開業するならこの土地でという気持ちがありました。ここは住宅地ですし、開業にあまり適した場所ではないことはわかっていましたが、ほかを選ぶことは考えられませんでした。自宅の一部を取り壊して医院にし、開業したのが1987年、私が38歳の時のことです。この辺りは、古くから住んでいる方が多く、ご高齢の患者さんも多いため、開業当初から、医院での診療とともに、訪問診療も行ってきました。最近はマンションなども建ち、若い方も増えてきましたが、住民の中心は中高年以降。当院に継続して通っている患者さんの多くが50〜70代です。100歳以上の患者さんも何人か診ています。全体的に元気で長生きしている方が多いですね。

糖尿病をはじめ、生活習慣病の治療に力を入れる

こちらの医院では生活習慣病の治療に力を入れているのですね。

丸茂恒二院長 丸茂医院3

若い患者さんも来ますから、風邪や腹痛などの急性疾患ももちろん診ますが、力を入れているのは、やはり、生活習慣病の治療です。生活習慣病の代表的なものとしては、高血圧症、糖尿病、脂質異常症がありますが、それ以外にも、脂肪肝や痛風、また、生活習慣病ではありませんが、がんや骨粗しょう症の診療も数多く行っています。生活習慣病では、何らかの症状が出て当院に来る方もいれば、会社の健康診断などに引っかかって訪れる方もいます。当院には、内臓脂肪などを調べることができる体成分分析器がありますから、血液検査の数値と合わせて、体の状態についてお知らせし、薬での治療のほか、食事や運動など、生活全般の指導を行っています。

診療で心がけていることは何ですか?

こちらの考えを患者さんに一方的に押しつけないということです。薬を処方する際にも、ただ「これを飲みなさい」と言うのではなく、患者さんの状態を知り、要望を聞き、治療方法については、お互いに納得した上で治療を進めるようにしています。一方通行ではない、こまやかな治療とでも言いましょうか。そのためには、患者さんの病気だけを診るのではなく、その方自身や生活、仕事などのバックグラウンドも理解しなければなりません。全部の患者さんのすべてを知ることは難しいですし、中にはコミュニケーションを取りにくい方もいますから、理想ではあっても完全にはできないこともあります。しかし、いい治療をするためには、努めていく必要があると思っています。

他院と連携して診療を行うこともあるそうですね。

丸茂恒二院長 丸茂医院4

開業医が単独でできることには限界がありますので、いろいろなところと連携することが大事になります。大学病院などの大きな病院と当院のような町の診療所が連携することを病診連携といいます。必要に応じて、診療所から大病院へ患者さんを紹介して、CTやMRIなどの特殊な検査や入院、手術などを行ったりします。逆に、大きな病院から退院した患者さんを紹介され、地域の診療所が診ていくこともあります。また、専門の科が違う開業医同士が連携することもあります。これを診診連携といいます。内科や眼科、皮膚科などいろいろな科の医院が連携し合って、患者さんの健康状態を診ていく。こうした病診連携や診診連携は、これからどんどん広がっていくと思います。

この地域の診療所同士の連携は進んでいるのでしょうか。

小金井市には、現在約70軒の開業医院があり、小金井市医師会が取りまとめて、それぞれの医院が連携し合って治療を行うようになっています。今後さらに高齢化が進み、2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となります。国の医療費の問題もありますから、これからはますます在宅診療のニーズが高まっていくでしょう。それらを担うのが開業医です。今も、それぞれの医院で訪問診療を行っていますが、みんな自分の医院の診療もありますから大変です。しかし、誰かがやらなくてはならないことですから、医師会のみんなで取り組んでいます。

病気の予防や早期発見、早期治療には検診が大切

長年、地域医療に携わってきた感想をお聞かせください。

丸茂恒二院長 丸茂医院5

地域には歴史や文化、環境など、それぞれ異なる背景があり、ここ小金井市で暮らす住民の皆さんにも、この土地ならではの地域性があるように思います。目には見えない内面的なものだとは思いますが、地域医療に携わる際は、そうした地域の特性を理解していないと、患者さんとコミュニケーションを取ったり、接していくのが難しいことがあります。開業医は、大学病院の医師とは違い、患者さんが暮らす地域をも知る者として、患者さんの病気を診るだけではない役割を担っていることを心に留めておく必要があると感じています。

プライベートではどのように過ごしていますか?

一番力を入れているのは、ゴルフです。行きつけのコースがあるので、友人と回ったりしています。その次は、ボウリングでしょうか。週に1回、夜に近所のボウリングセンターに行き、仲間と試合形式で楽しんでいます。そうした友人や仲間は、医師や薬剤師など、医療関係の人が多いので、遊びながら仕事に関する情報交換を行うこともあります。そのほかマージャンやカラオケなどもするので、趣味は多いほうだと思います。ゴルフやボウリングで体を動かすことは、私の健康にも役立っているので、これからも続けていきたいですね。私には2人の息子がいて、両方とも精神科の医師をしているのですが、文京区で開業している長男が、最近ゴルフを始めたというので、そのうち一緒にできればいいなと思っています。

読者へのメッセージをお願いします。

丸茂恒二院長 丸茂医院6

病気は、早く見つけて、早く治療する。できれば病気にならないようにすることが大事です。糖尿病であれば、境界型糖尿病、いわゆる糖尿病予備軍がありますが、そういう段階で気づいて生活習慣を改めることができれば、病気にならずに済むこともあります。ですから、自分の体のことを知り、病気を未然に防ぐためにも検診はきちんと受けるようにしましょう。市町村などで行われる検診は、無料で受けることができます。小金井市に限っていえば、市民の検診の受診率がいいようです。それは、住民の皆さんの健康に対する意識が高く、市や医療機関の啓発活動などもよくできているからだと思います。とはいえ、まだ足りない部分はあると思うので、検診に関する取り組みは今後もさらに推し進め、病気をなるべく起こさない、そういう社会になっていけばと思っています。

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