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金子透子 院長の独自取材記事

青空レディースクリニック

(八王子市/八王子駅)

最終更新日:2021/10/12

金子透子院長 青空レディースクリニック main

JR中央線八王子駅北口から徒歩で約3分のところにある「青空レディースクリニック」。クリニックの入り口を入ると、見る人の心をほっと和ませてくれるような壁画がのびのびと描かれた待合室の空間が広がる。ヨガインストラクターの資格も持つ金子透子院長は、「自分で自分の心と体の健康をつくる」をモットーに、西洋医学的治療、東洋医学的治療など多角的な視点から患者の心身の健康をサポート。同フロアにヨガスタジオ「スタジオ青空」を併設し、産婦人科の診療に加えてヨガのレッスンも受けることができる。オフタイムには劇団員として全国で公演を行うという意外な一面をもつ金子院長に、開業までの経緯や診療ポリシー、女性の心身の健康について聞いた。

(取材日2015年11月16日)

病気を治すのは、自分自身の力。自分の意志で病気を治す意思を

待合室に壁画が描かれたり植物が置かれたりなど、温かな雰囲気ですね。

金子透子院長 青空レディースクリニック1

ありがとうございます。患者さんにとって、病院は待っているだけでも緊張する所だと思いますし、産婦人科は敷居が高いイメージがあると思うので、なるべくリラックスしてお待ちいただけるような雰囲気の空間をつくりたいと思っていました。当クリニックの心理カウンセリングの先生が、劇団の脚本・演出家で美術の知識もある方なので、その方に中心になっていただいてコンセプトを考え、白が基調の病院のイメージから離れ、自然をモチーフに壁画を描いたり、植物を配置したりました。私は絵を描くことはあまり得意ではないのですが(笑)、壁画の何か所かは描いたりと、少しお手伝いさせていただきました。患者さんからも、「いい雰囲気ですね」「落ち着きます」などの声をいただいています。

開業までの経緯を教えてください。

千葉大学医学部を卒業後、松戸市立病院で産婦人科の医師として勤務していました。その病院では、婦人科一般診療や妊婦健診やお産に加えて不妊治療、周産期医療、子宮筋腫やがん患者さんの診療など幅広く診療していたのですが、経験を重ねるうちに、単に薬の処方や手術だけで病気を治すのではなく、普段の食事や運動、心の持ち方など毎日の生活を見直し、改善していくことでも患者さんに元気になってもらえるような医療を施していきたいと思ったのです。この思いを私一人の力で実現させることは難しかったのですが、学生時代からの仲間である心理カウンセラーの先生や鍼灸の先生をはじめいろいろな方から協力をいただき、2011年5月に開業することができました。八王子駅前のこの場所に決めたのは、開業に向けて物件を探していた時に、ビルの5階のフロア全部が空いていたんです。駅から近くですし、これだけの広さがあれば、診療以外のヨガのスタジオなども併設できると思い、決めました。

診療の特色を教えてください。

金子透子院長 青空レディースクリニック2

当クリニックでは、婦人科治療に加え、漢方などの東洋医学的治療、運動的な治療や食事指導、心理カウンセリングなども取り入れ、具合の悪い「その部分」だけでなく、体と心の両面から回復へのアプローチを考えていきます。ドクターは女医2人体制で、2013年から心理カウンセリングも始めました。生理不順や慢性疾患など治りにくい病気や症状の方は、ストレスなどから症状が出る方が多いので、心を強くしていく方法や心の持ち方をトレーニングしていくようなカウンセリングを行っています。診療においては、患者さんの話をよく聞くことをモットーとしています。看護師などドクター以外のスタッフも患者さん一人ひとりと丁寧に向き合い、診療の時には話せなかった悩みや思いを受け止め、場合に応じて食事療法や運動の指導などを薦めたりなど、その方に合う改善方法を探し、実践しています。

ヨガインストラクターの資格も取得し心身の健康をサポート

どのような患者さんがいらっしゃいますか?

金子透子院長 青空レディースクリニック3

下は小・中学生から上は80代くらいの高齢の方まで、幅広い年齢層の女性がいらっしゃいます。八王子はキャンパスが多いので、大学生も多いですね。大月や上野原など山梨のほうから中央線を利用して来られる方もいます。また、夜19時まで診療していますので、仕事を終えられてから来院される方も数多くいらっしゃいます。症状も、月経痛や月経不順から更年期障害までさまざまです。八王子周辺には産婦人科の女医が少ないせいか、皆さんネットなどで探して当クリニックを訪れてくださいますね。今の若い女性はダイエット願望が強く、「太りたくないから」という理由で食べることを我慢し、その結果生理が止まってしまったりホルモンバランスが乱れてしまったりというケースも多く見受けられます。このような悪循環に陥ってしまうと、将来的に妊娠しにくくなり、子どもが欲しいと思った時になかなかできないということもあります。食生活や生活リズムが何よりも大切なので、毎日の生活を見直して欲しいですね。

産婦人科の医師を志したきっかけを教えてください。

将来は、何らかの形で人と接する仕事がしたいと思っていました。母は看護師の資格を持っていて、私が物心ついた時には養護教諭をしていたのですが、「病気になったら薬に頼るのではなく、治すのはあなたの体なのよ」というのが口癖だったんです。サラリーマンの父も、健康に興味を持っていて玄米菜食にしたり、ヨガを自分で本を読んで勉強したりなどいろいろ試していて、このような家庭環境から自然と医師をめざすようになりました。産婦人科の医師を志したのは、研修でお産の現場に立ち会い、生命の誕生の素晴らしさにふれたことが大きいですね。また、産婦人科の医師は、妊娠から出産、そして2人目の出産……と、患者さんと長い期間向き合うことができます。女性にとって、妊娠、出産はその方の人生の大きな転機です。その時期に、ドクターとして真摯にかかわりたいという気持ちもあり、産婦人科に決めました。病院勤務時代は緊急手術などもありハードな毎日でしたが、やりがいもありました。これからも、女性が元気に輝くためのお手伝いをしていきたいと思います。

ヨガのインストラクターの資格も持っていらっしゃるのですね。

金子透子院長 青空レディースクリニック4

ヨガは、大学時代、友人に誘われて始めました。以前から、薬だけではなく本当の意味で健康になっていくような医療を施す方法を模索していた中で、体と心と呼吸を一致させて行うヨガにはさまざまなメソッドがあり、その考え方や方法が、私がこれからしていきたい方向と一致していると実感しました。大学時代にインストラクターの資格をとり、開業前に約2年間、ヨガインストラクターとして活動したこともあります。今はドクターの仕事が忙しく、私のヨガの先生でもあるインストラクターが隣のスタジオでレッスンを行っています。出産、加齢、肥満などによりゆるみがちになる骨盤底筋を鍛えるレッスンは、尿漏れや子宮が下がるといった症状を抱える方に対して有効だと考え、今お勧めしています。今後はマタニティヨガもやりたいと思っています。

健康的な生活を送るための講座や教室を積極的に開催したい

休日はどのようにお過ごしですか?

金子透子院長 青空レディースクリニック5

学生時代からの仲間と劇団の活動も行っていて、家族向けの演劇を創り、公演もしています。年に数回、地域の小学校へ出向き、小学校公演も行っています。オフの日は、けいこや公演など劇団活動にいそしんでいます。

今後の展望について教えてください。

患者さん自身の治す力を発揮していくような医療をめざして日々診療していますが、短い診察時間の中ではお話しきれない部分もありますので、隣のスタジオを会場として、健康に生活するための講座や勉強会を企画し、より多くの人に伝えていきたいと思っています。最近では「プチ断食講座」を開催しています。プチ断食は、患者さんご自身の心と体、普段の生活を見つめ直すよい機会になると思います。私自身も経験しましたが、実際にやってみると免疫力が上がりますし、自分が本当に食べたい物がわかってくるなどとたくさんの気づきがありました。体の内側から健康になりたいと思う方は、ぜひ参加していただければと思います。山梨県の牧丘に研修施設を所有しており、今年の9月には断食合宿を行いました。本格的な断食も、今後は行っていきたいですね。

読者へのメッセージをお願いします。

金子透子院長 青空レディースクリニック6

心身が不調の時は、まず患者さんご自身が「健康になりたい」「病気を治したい」と思うことが大切です。女性は我慢強い方が多いように思います。しんどいと思っても我慢されて、家族や仕事を優先しご自身のことは後回しにしがちですが、月経量が多い、不正出血がある、お腹にしこりがあるなど、少しでも気になることがありましたら、ひどくなる前にまずは婦人科を受診してもらいたいですね。先ほどもお話しましたが、病気を治す力はご自身の中に備わっています。日々の生活を見直し、バランスのよい食事をとること、適度な運動をすること、適度な睡眠をとること、心の持ち方を意識することなど基本的な心がけが心身の健康につながっていくと思うので、そこをしっかり見つめ直し、サポートしていきたいと思います。また、当クリニックには更年期の患者さんも多くいらっしゃいますが、更年期は体の変化だけではなく、子離れや介護の時期が重なり、仕事でも重大な責務が課せられるなどさまざまな問題を抱えて心身のバランスをくずしやすい時期でもあります。つらい症状を抱えている方も我慢せず、ぜひいらしていただければと思います。

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