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海老根 真由美 院長の独自取材記事

白金高輪海老根ウィメンズクリニック

(港区/白金高輪駅)

最終更新日:2024/01/05

海老根真由美院長 白金高輪海老根ウィメンズクリニック main

白金高輪駅から徒歩1分の場所にある「白金高輪海老根ウィメンズクリニック」。産婦人科をはじめ、乳腺外科・内科・泌尿器科など複数の診療科を標榜し、女性のライフステージに合わせた診療を提供するのが同院の特徴だ。海老根真由美院長をはじめ、医師・スタッフがすべて女性で子育て経験者も多く、幅広い年代の女性の悩みに向き合っている。最近では更年期の相談が増えており、院長自身も経験者として「心のケアも含めて、元気に生き生きと暮らすサポートをするのが私の使命」と力強く語る。不調を感じたときの「総合窓口」としてクリニックを利用してほしいという院長に、診療内容や患者への思いについて語ってもらった。

(取材日2023年8月16日)

それぞれのライフステージで生じる女性の悩みに対応

クリニックの特徴をお聞かせください。

海老根真由美院長 白金高輪海老根ウィメンズクリニック1

当院では、産婦人科・乳腺外科・内科・泌尿器科・小児科の診療も行っており、女性のライフイベントに合わせた医療を提供しています。それが一番の強みですね。女性が受診しやすいよう、すべての科を女性医師が担当している点も特徴です。例えば産婦人科や乳腺外科は男性医師が多いので、受診をためらってしまう方がいますし、尿漏れや膀胱炎に悩む女性も男性患者メインの泌尿器科には行きづらいですよね。そういう方にとっては、気軽に受診しやすいのではないでしょうか。医師以外のスタッフも女性で、ほとんどが子育て経験者。私は更年期も経験してきましたし、女性の気持ちに寄り添いながら診療ができていると思います。

幅広い年代の女性の悩みに向き合ってくださるのですね。

産婦人科が「お産のための科」と思われていた時代もありましたが、今は人生100年時代。年齢にかかわらず、女性の悩みと産婦人科は切り離せません。妊娠・出産を考える20~30歳代は子宮頸がんの発症しやすい年齢でもありますし、40代になると生理が乱れ始め乳がんのリスクも上がります。更年期の症状は日常生活にも支障を来すこともあり、骨密度にも影響し、それを乗り越えてもまだまだ人生は続きます。いかにして不調を取り除きながら、元気に輝ける人生を送れるか。それぞれのライフステージで生じるこれらの悩みに向き合い、QOLの向上をサポートするのが私たちの役目です。

心のケアを含め周産期医療にも取り組まれていると聞きました。

海老根真由美院長 白金高輪海老根ウィメンズクリニック2

医師としてのキャリアをスタートした頃に、周産期メンタルヘルス研究に関わったことがきっかけです。その後、2004年からは埼玉医科大学の総合周産期母子医療センターの病棟医長になり、さらに同大学の講師になってからは、地域の助産師や保健師への教育をメインに活動していました。その経験を生かし、妊婦さんや産後間もない方のサポートにも力を入れています。産後も不安を抱える新米ママはたくさんいますから、産後ケアや母乳相談などを通じ、子育てを存分に楽しめるようお手伝いしていきたいですね。

更年期に伴うデリケートゾーンのトラブルにも注力

最近増えている患者層や気になる主訴はありますか?

海老根真由美院長 白金高輪海老根ウィメンズクリニック3

増えているのは更年期の方ですね。中でも多いのはデリケートゾーンのトラブル。「更年期」というと、ホットフラッシュになったり、イライラしたりといったイメージがあるかもしれませんが、実は外陰部や膣のトラブルも発生しやすくなるんですよ。多いのは、尿漏れや外陰部の痛みやかゆみ、膣の乾燥や萎縮、におい、かぶれ、できものなどです。これらの症状には、女性ホルモンの分泌や免疫力の低下が関係していて、痛みのせいで下着を履かずに来られる方もいますし、「性交渉ができない」というご相談を受けることもあります。中には「死にたい」と口にされる方もいるほど、当事者にとっては深刻な問題なんです。毎日患者さんを診ている私でさえも、自分が更年期を経験した時はショックでしたから。でも経験があるからこそ、女性が更年期を乗り越えて生き生きと暮らせるようサポートすることが、産婦人科の医師としての使命だと思うようになりました。

どのような治療をするのですか?

あらゆる選択肢を用意し、個々の症状に合った治療を提供することをめざしています。例えば、ホルモンバランスを整えるにはホルモン補充療法やプラセンタ療法のほか、漢方薬の処方もしています。また診療では、免疫力の高い体づくりのため、食事や運動のアドバイスも行います。腸内菌のバランスが崩れると膣の性状にも影響するといわれているので、そういう観点からも役立つのではないでしょうか。そして何より、更年期は心のバランスを崩しがちなので、メンタル面のサポートも大切にしています。女性としての自信をなくしてしまう方も少なくありませんから、そういうつらさをしっかりと受け止め、ケアしていかなければと思います。

その他に、更年期で起こりやすい症状について教えてください。

海老根真由美院長 白金高輪海老根ウィメンズクリニック4

頭痛にお悩みの方も多いです。他科で「異常なし」といわれ、困って当院にたどり着いた患者さんもいらっしゃいます。ホルモンの影響だとわかれば治療法はありますので、原因不明の頭痛でお悩みの女性の方は一度ご相談ください。また骨密度の低下にも要注意です。更年期でエストロゲンの分泌が低下すると、骨形成よりも骨吸収が上がって骨粗しょう症の原因となります。エストロゲンが少ないとカルシウムやビタミンDを摂取しても骨になりにくく、進行すると大腿骨骨折を引き起こして寝たきりにつながりかねません。更年期以降、骨密度は急激に低下しますから、早めに症状を食い止めたいですね。40代になって生理の乱れを感じ始めたら、月に1度、骨密度の測定にいらしてください。子宮体がんは40代後半から徐々に増加しますが、ホルモンや骨密度の検査で定期的にいらしていれば早期発見にもつながります。

体がなだらかに変わっていく中でQOLの向上をめざす

乳がん・子宮がんの予防や早期発見にも力を入れているのですね。

海老根真由美院長 白金高輪海老根ウィメンズクリニック5

日本の死因の1位は「がん(悪性新生物)」です。さらに罹患者数で見ると、 国立がん研究センターの発表では2019年に乳がんと診断された人の数は約9万7000人、子宮がんも約2万9000人となっています。これらは女性のメンタリティーと相関の強い疾患ですが、致死的な状況に陥る前の早期発見が重要です。当院では、乳腺外科専門の女性医師が検診を担当し、受診しやすいようマンモグラフィは月・水曜の19時まで対応するほか、土日も診療。また産婦人科でピルを処方する際は、事前に検診を受けていただくようにするなど、早期発見に向けたフォローも行っています。乳がんや子宮がんは若い方にも多く見られ、20代の女性のがんの過半数は子宮頸がんです。ワクチンでの予防は大切ですし、初期段階ならばレーザー治療が可能です。若い方の卵巣腫瘍や子宮内膜症も増えていますから、健康管理のためにも気軽に産婦人科を利用してほしいですね。

診療の際に心がけていることはありますか?

患者さんの心情に寄り添い、話のしやすい雰囲気づくりを心がけています。特に更年期の患者さんの場合、「何となく調子が悪い」と漠然とした不調に悩む方が多いです。心身にどのような変化が起きているのか、何を解消したいのか、ご自身でも把握しにくいんですね。話をしながら「今、何を求めているのか」をご本人に探していただき、そこから解決の手口を探して提案するようにしています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

海老根真由美院長 白金高輪海老根ウィメンズクリニック6

妊娠、出産、子育て、更年期と、女性にはライフステージに応じてさまざまな変化が訪れますが、特に更年期は「病気」とはっきりと言いきれるものではありません。体がなだらかに変わっていく中でQOLの向上をめざし、同じように更年期に悩んだ私だからこそできる等身大のアドバイスをいたします。何科に行けばいいか迷ったら「総合窓口」として気軽にご相談ください。些細な悩みを話せる女性のかかりつけ医をつくることで、安心して生活を送ることができるのではないでしょうか。もちろん「男性NG」というわけではないので、パートナーの健康管理と併せてご活用いただければうれしいですね。

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