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千葉井 基泰 院長の独自取材記事

平和台クリニック

(練馬区/平和台駅)

最終更新日:2021/10/12

千葉井基泰院長 平和台クリニック main

東京メトロ有楽町線や副都心線の乗り入れにより、都心へのアクセスも至便な平和台の町。平和台駅から徒歩1分の距離にある「医療法人社団和泰会 平和台クリニック」は、地元密着型の医療を心がけ、開院以来約15年間に渡り、この町に暮らす人々の健康を見守り続けてきた。千葉井基泰院長が得意とするのは、内視鏡検査。「がんなどの難疾患でも、早期発見なら切らずに治せる」と、内視鏡による検査や治療が日本で広まり始めた黎明期の頃から技術の習得に注力。検査実績は現在、年間約600人。これまで、約1万人もの検査を行ってきた。「『先生が早いうちに病気を見つけてくれたおかげで、切らずに完治することができました』と患者さんから声をかけていただけるのが一番うれしい」とにこやかに語る千葉井院長。穏やかな人柄のなかにも、医療にかける熱い情熱をのぞかせる千葉井院長に、日々の診療にかける想いや今後の展望を伺った。

(取材日2014年4月23日)

医師であった叔父に憧れ、医療の道へ。生まれ故郷の練馬で独立

まずは、先生が医師をめざしたきっかけを教えてください。

千葉井基泰院長 平和台クリニック1

実は、私の叔父二人が医師なんです。小さい頃から、叔父の話を聞いていたこともあり、いつの間にか「医師という職業に興味を抱き、医学に進む強い意志を持つようになっていました。外科を志望したのも、叔父の一人が脳外科医だったから。最初は、叔父と同じく脳外科医をめざそうと思ったのですが、大学を卒業後、研修医として外科を経験したとき、体全体をトータルに見られる外科という科目に魅力を感じたため、外科医を志すことに決めました。

先生の専門は何ですか。

研修医時代、内視鏡の専門医の先生に指導を受けたことがきっかけとなり、現在でも内視鏡の検査や治療を得意としています。私が内視鏡外科の勉強を始めた頃は、まだ腹腔鏡手術が本邦で行われ始めたばかりで、私自身、とても興味を持っていました。「これからは、“開腹せずに治す”という時代が来るのではないか」と考え、内視鏡の技術を徹底して身に付けることにしたんです。その後、お世話になった先生から「内視鏡科に来ないか」とお誘いをいただきました。当時、私は慈恵医大青戸病院で外科の医局長を務めていたのですが、そこを辞め、内視鏡科へ異動。今、振り返ってみるとこれが大きな転機となったように思いますね。その後、内視鏡科で5年間勤務して独立。1999年にこのクリニックを開院しました。

こちらは「内科・消化器科・外科」を標榜していらっしゃるんですね。

千葉井基泰院長 平和台クリニック2

板橋区安田病院の院長先生(当時)に入局時代から現在も、一般臨床医(主治医)となるための勉強をする機会を頂き、臨床内科専門医にもなることもできました。一般的な風邪や腹痛などから高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の治療、さらには胃や大腸がんの内視鏡検査・治療、健康診断など、幅広く行っています。大学病院から専門の先生に来てもらうこともあり、検査日にはドクターは私を含めて計2名、ナースは4人体制で診療しています。この街で開業して今年で15年目。もともと私自身も練馬区内の生まれで、この場所はとてもなじみのあるところなんですよ。開業したばかりの頃は、まだ付近に田んぼや畑が多く、のどかな雰囲気が漂っていたのですが、最近ではマンションなどもどんどん増え、若い世代の方々が多くなりましたね。その一方で、農家の方など長くこの地にお住まいの方も多く見られ、どの世代にとっても暮らしやすく、快適な街だなという印象を持っています。

内視鏡の検査実績、約1万。がんなどの早期発見に尽力

診療の際、モットーとしていることを教えてください。

千葉井基泰院長 平和台クリニック3

とにかく、患者さんにリラックスして診察を受けていただくため、話しやすく明るい雰囲気づくりを大切にしています。特に、内視鏡を使った検査では、初めて受診される方の場合、緊張したり、不安を感じていたりする方も少なくありません。そういう方にも安心して検査に臨んでいただけるよう、様子を見ながらこちらから適宜言葉をおかけしたり、ご質問をしたりして、緊張を解くように心がけています。内視鏡検査の目的は、なによりも早期に異常を発見するということ。2013年から内視鏡検査により慢性胃炎と診断された方は、ピロリ菌感染の検査や除菌治療を保険適用内で受けられることになりましたから、今後、ますます多くの方が内視鏡検査を受診されるのではと考えています。当クリニックでは、年間約600件の検査実績を持っており、これまで約1万人の方を検査してきました。こうした経験と実績をもとに、これからも多くの方の健康管理に貢献していきたいですね。

医師としてやりがいを感じるシーンは?

やはり、内視鏡検査で早期にがんなどの異常を発見し、うまく治療が進んだ場合などにやりがいを感じますね。特に、患者さんから「先生が早くに病気を見つけてくれたおかげで、開腹手術をしなくても完治することができました」と言葉をかけていただけると、本当に良かったなあと思います。このあたりは、高齢者の方も多く住んでいらっしゃいますし、高齢で体力が衰えてきている方や、進行がんの方など、外科的治療が不適応の方もいらっしゃいます。そういう場合、いちばんに考えるのは「ご本人の意志を大切にする」ということ。患者さんの年齢や体力、生活状況などと、病気の状態を照らし合わせ、その方にとって最善の治療法を考案する。このように、お一人お一人に適した治療を考え、提案するのが医師である私の任務であり、これにより、患者さんにとってもっとも望ましい、真の医療をご提供できるのではないかと考えています。

最近、特に増えてきたと思われる症状や病気はありますか。

千葉井基泰院長 平和台クリニック4

ここ数年、逆流性食道炎で来院される方が多くなってきましたね。これは、強い酸性の胃液が食道へ逆流し、食道が炎症を起こし、胸焼けや胸の痛みなど不快な症状を引き起こすという病気です。原因にはさまざまな要素が考えられますが、もっとも多いのが、食生活の乱れ。高脂肪・高タンパクの食事が続いたり、過度な飲酒や喫煙を日常的に続けていると、胃酸の分泌が増加するとともに、食道下部括約部の締まりが緩くなり、胃酸の逆流をまねくんですね。最近ではメディアでこの病気が取り上げられることが多くなったためか、患者さんの数もますます増加しています。服薬による治療も行いますが、同時に患者さんへ指導しているのは、食生活や生活習慣を正すということ。食事療法についてまとめたリーフレットを作成して患者さんへお渡しするなど、正しく健康的な食生活を指導するようにしています。

医療ネットワークのハブ的存在として、他院との連携も強化

今後、力を入れていきたいことを教えてください。

千葉井基泰院長 平和台クリニック5

地域の医療レベル向上をめざし、現在、消化器の勉強会を年に2回ほど実施しています。これは30人ほどの医師が集まり、互いの知識を共有し合うもので、大学病院や総合病院の先生も多く在籍。医療レベルの向上だけでなく、医療従事者のネットワークを強めるにも役立っており、現在ではこの勉強会を通してコミュニティが作られ、互いに患者さんを紹介し合えるネットワークが築かれています。また、私自身、非常勤で大学病院でレジデントに指導することもあり、これからは、私の知識と経験を後輩達へ還元していくことにも力を入れたいと思っています。若手の医師や研修医を指導する際、心がけていることは、できるだけ本人に考え、手を動かしてもらうということ。私が研修医時代、恩師の先生からもこのようなスタイルで指導を受けており、これが独立した今、本当に役立っていると実感しています。自分の頭で考え、経験を積んでいく、こうした過程を通して、後輩達にも一通りの医療技術を身に付けてもらいたいと思っています。

先生のプライベートについてお聞きします。健康管理のため、気をつけていることはありますか。

高校から大学のときまで、運動部で硬式テニスをしていました。今は多忙のため、なかなかまとまった時間を見つけるのが難しいのですが、大学生の子ども達とときどきテニスをすることもありますよ。そのほか、休日にゴルフへ出かけるなどして、できるだけ積極的に体を動かすようにしています。また、音楽を聴くことも好きで、ピアノやバイオリンなど、ヒーリング系の音楽を聴いてリラックスするようにしています。院内で流している音楽も、クラシックほど堅苦しくなく、かといってあまりラフすぎない、穏やかで心地良い音楽を流して、患者さんにも安らいでいただければうれしいですね。

最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

千葉井基泰院長 平和台クリニック6

内視鏡検査というと、どうしても「苦しそう」「痛そう」というイメージがつきまといがちですが、当院では鎮静剤を使用し、患者さんの苦痛を少しでも和らげるよう、配慮しています。使用する機器も大学病院と同レベルの最新のものを用意していますから、ぜひ、安心して検査を受けていただければと思います。個人差は有りますが胃の検査なら1年に1回、大腸の検査なら2、3年に1回の頻度で受診していただくのがお勧めです。特に、近年では女性の死亡原因として大腸がんが増えていることもありますから、「下痢や便秘を繰り返す」「便に血液がまじる」などの症状が見られる方は、ぜひとも受けていただきたいですね。これを放っておくと大腸がんを見過ごす危険がありますから、早期発見がなにより肝心。内視鏡検査までいかなくとも、簡単な便の潜血反応を調べる検査を受けていただき、その結果によって内視鏡検査を受ける必要の有無を判断することもできますから、まずはお気軽にご相談ください。

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