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横道 慶子 院長の独自取材記事

榎本歯科医院

(千代田区/半蔵門駅)

最終更新日:2024/02/13

横道慶子院長 榎本歯科医院 main

東京メトロ半蔵門線半蔵門駅から徒歩1分、東京メトロ有楽町線の麹町駅からも徒歩圏内にある「榎本歯科医院」。開院は1939年と古く、実に85年近くの歴史を持つ。皇居にもほど近く、古くからの屋敷町として知られる麹町は今、官公庁やオフィス、マンション等が数多く立ち並ぶ。そんな麹町の発展ととともに歩んできたクリニックの院長を務めるのは、横道慶子先生。ニコニコと明るい笑顔が印象的で、患者からの信頼も厚い優しい女性だ。専門は歯周病。社会の高齢化が進む中、歯周病対策は喫緊の課題として重要性を増すはずだ。高齢者の多い千代田区において、横道先生の存在は心強い。老舗クリニックを支える横道先生に、街のかかりつけ医としての苦労ややりがいについて語ってもらった。

(取材日2014年3月20日/情報更新日2024年1月5日)

地元で生まれ育った4代目として

歴史のあるクリニックと伺いました。

横道慶子院長 榎本歯科医院1

曽祖父が開院したと聞いていますから、私で4代目になります。子ども時代には皇居外苑や靖国神社でよく遊んだものです。また当院の近くに平河天満宮があり、春に行われるお祭りの露店で型抜きなどをするのが楽しみでした。当時は大きなお屋敷が多く立ち並んでいましたが、現在はほとんどマンションに建て替えられ街並みも変わっています。その一方で、皇居をはじめ千鳥ヶ淵、靖国神社など自然も多く都心でありながら季節の移り変わりを感じられる街という印象を持っています。

歯科医師をめざしたのは、ご家族の影響でしょうか?

横道慶子院長 榎本歯科医院2

父方は曽祖父から、母方は祖父から代々歯科医師の家系で、両親ともに歯科医師でしたので、幼少の頃から当然のように「両親のような歯医者さんになる」と考えていました。姉も歯科医師として大学病院に勤務しています。現在はそれぞれの立場で、お互いに情報交換やアドバイスを求めることもあり、とても励みになります。また、祖父や両親・姉と同様に、私も大学卒業前に専攻する分野を模索し始めました。現在団塊の世代が定年を迎え、超高齢社会に突入しています。この時代に、患者の皆さまのお役に立てること、また、問題になってくることは何かを私なりに考えたとき、歯周病学を専攻しようという結論に達しました。そして大学を卒業しインターンを終え、歯周病専攻の大学院へと進学しました。

地域の予防意識を高める、街のかかりつけ医

患者の来院動機は?

横道慶子院長 榎本歯科医院3

一番多いのはお知り合いを通じてというケースでしょうか。地元の方が代々ご家族で来院されていて、お知り合いをご紹介してくださることもしばしばあり、感謝しています。また場所柄、ビジネスマンや公務員、法律関係の方が多く、近隣施設の方もいらしてくださいます。遠方からわざわざ足を運んでくださる方も多くいらっしゃいます。

地域的な特徴はありますか?

予防への関心が高いことだと思います。皆さん定期検診を受けに来てくださいます。必要に応じてデジタルエックス線検査や口内写真の撮影を行い、治療プランをご提案しています。お子さまは虫歯ゼロをめざし、0歳からのお口の使い方から歯並びまでをサポートしています。ご高齢の方は、唾液の分泌量が少なくなることで、口の渇きや細菌の繁殖につながるケースもありますので、唾液の分泌を促す方法や、補助的なアイテムなどもご紹介しています。また、お仕事や育児などで忙しく、お口の中の細かいケアまで手が回らない方には「検診を定期的に受けてください」とお願いしています。悪いところを早期に発見・治療することはもちろん、お口の中をきれいな状態で維持することができたら、虫歯や歯周病にかかるリスクも減っていくでしょう。ついつい足が遠のいている方も、ぜひ一度おいでいただければと思います。

一言で言うと、どのようなクリニックなのでしょう?

横道慶子院長 榎本歯科医院4

「街のかかりつけ医」でありたいと思っています。人によって、治したい部分や調子が悪いと感じるところはさまざまで、中には歯をきちんと磨いても虫歯や歯周病になってしまう方もいらっしゃいます。また、お仕事や体の都合でできるだけまとめて治したい方、逆に治療時間を短く回数を重ねて来院を希望される方など、それぞれの生活パターンによってご希望もさまざまです。足の悪い方には専用エレベーターをご用意しています。病気だけを見て画一的に治療を取り扱うのではなく、身体的な特徴、生活パターンなども含めて総合的に判断し、ご相談しながら、忠実に丁寧に、治療を進めていければと考えています。できないことを無理に施術するわけにはいきませんが、まずは、どんなことでもご相談ください。

小児歯科と歯周病、知ってほしいポイントとは?

小児への治療で取り組んでいることはありますか?

横道慶子院長 榎本歯科医院5

私には現在小学生の男の子が3人います。いち母親として向き合った時にさまざまなことに気づかされ、今までよりも一層小児歯科に力を入れて向き合わなくてはならないと感じました。昔とは違い、今は虫歯になる子どもはとても少なくなり、予防の意識もとても高くなっています。ですが、乳歯の虫歯がゼロだと一生虫歯ゼロを続ける可能性が高くなることや、乳児の頃からの口の使い方が、歯並びや健康に大きな影響を及ぼすことは、あまり知られていません。虫歯ゼロやお口の健康を守るためには、いくつか知っておいてほしいお約束があります。それだけでお子さまの歯を一生守ることができる可能性が高くなるのです。当院ではお子さまが喜んで通えるようにさまざまな工夫をしながら、0歳からのお口のサポートをしています。虫歯ゼロを、そして小さな頃からの、お口からの健康を、お子さまにプレゼントしたいと願うご家族は、ぜひご相談してほしいと思います。

先生は歯周病を専攻されたそうですが、何かアドバイスをいただけますか?

「虫歯と歯周病は、違うもの」ということです。同じ歯の病気なので、似たようなイメージを持たれる方も少なくないと思います。しかし虫歯が歯という部位に生じた器質的な疾患であるのに対し、歯周病は体全体に関係する生体的な疾患です。歯周病はプラーク(歯垢)中の歯周病関連細菌の毒素が歯周組織を刺激し、歯肉の炎症を起こし、歯を支えている骨を溶かしていく病気です。加齢とともに、その歯周病の原因菌の種類は増え、免疫反応にも影響してくるといわれていますので今まで歯科に縁がなかったような方でも、突然発症することがあります。原因となるのは加齢のほかにも、仕事の疲れやストレスなど実にさまざま。若いうちから進行する方も少なくありません。成人式をきっかけに、定期検診を受けるような習慣を身につけていただけるとうれしい限りです。虫歯も含めると子どものうちから続けてほしいですね。

ほかに力を入れている点はありますか?

先ほども少しお話ししましたが、トータル的に物事をみて判断し診断・診療をしていくことを心がけています。いくら良いかぶせ物を入れても土台がグラグラしたままだと長持ちしません。そのような意味で歯周病や根の治療は基本としてとても大切です。私は、人間の生活の基本は「おいしく咬めること」だと考えています。かつては寝たきりの患者さんに対しチューブなどで栄養分を補給していましたが、今ではQOL(生活の質)の観点から「自分の力で食べること」を重視するようになってきています。おいしくものを食べられることをまず基本目的とし、そこからさらにそれぞれのニーズに合わせた治療を丁寧に行っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

横道慶子院長 榎本歯科医院6

「歯の治療」は怖くて煩わしいものだといわれています。当院では「お口の管理」も全身に関わる大切なことだと認識し、皆さまのお口の中を拝見しています。小さなことでも聞いていただき、怖がらず、気負わずにいらしていただければと思います。マイクロスコープ(顕微鏡)やCTを活用した治療では、肉眼では見えない歯根の中や歯石、汚れなどを丁寧に確認しながら、より精密に行えるようにしております。また、専用エレベーターを設置し、体のご不自由な方やご高齢の方でも無理なくお越しいただけるようにしております。80年以上続けられたのも皆さまのおかげ、引き続き100年をめざして、今までどおり、地域に密着した、人の顔が見える診療を継続していきたいと思っています。

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