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大蔵 眞一 院長の独自取材記事

大蔵耳鼻咽喉科

(豊島区/新大塚駅)

最終更新日:2023/01/26

大蔵眞一院長 大蔵耳鼻咽喉科 main

東京メトロ丸の内線新大塚駅から徒歩1分、春日通り沿いの好立地にある「大蔵耳鼻咽喉科」は、開業から50年以上の歴史あるクリニックだ。大学病院で重度の中耳炎や腫瘍の手術、難聴や咽頭部のがん治療などに携わり、先代院長である母親から同院を引き継いだ大蔵眞一院長は、専門的な治療を行うことはもちろん、患者の要望を十分にくみ取り、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療を心がけている。患者の生活背景や悩みに寄り添い、親身に接する大蔵院長の優しい人柄、徹底した職人気質で治療に取り組む。「ここで治療を受けて良かったと思ってもらいたいね」と穏やかに語る大蔵院長に、クリニックの歴史や診療について話を聞いた。

(取材日2022年11月14日)

幅広い選択肢を提案し患者一人ひとりに合わせた治療を

歴史あるクリニックと伺っています。

大蔵眞一院長 大蔵耳鼻咽喉科1

1961年に私の母がこの地に開業して、もう60年以上になります。同じく耳鼻咽喉科の医師である父と母の背中を見て育ちましたので、いろいろと教えてもらいましたね。母とは2011年まで一緒に診療をしていました。その後2013年に院内をリニューアルし、待合室や診療室、医療機器などを新しくしています。僕自身は、大学卒業後、帝京大学の耳鼻咽喉科に入局し、本院をはじめ分院である溝口病院に勤務しました。大学病院では、重度の中耳炎や腫瘍など、手術が必要な方が多く、大きな疾患以外あまり診ないため「風邪の場合はこの薬」など一定の処方になりがちでした。しかし、ここでは「風邪を引いた」「鼻水が出る」といった主訴の方がほとんどですし、同じ鼻水でお困りでも、「どんな状態か」「いつからか」など丁寧に問診をして状況に応じてお薬を変えるなど、一人ひとりに合わせた治療や薬の処方を心がけています。

どのような患者さんがいらっしゃいますか?

主訴としては、「喉が痛くなった」「鼻水が出てきた」などの症状を訴えてこられる患者さんが多いですね。花粉症の患者さんも多いため、スギ花粉を含むエキスを舌の下に投与する舌下免疫療法も導入しています。治療期間は長くなりますが、つらい症状の軽減がめざせます。舌下免疫療法は花粉が飛んでいる1月から5月までは治療に入ることができないので、当院では6月1日を治療の解禁日にしています。また、通院が必要で痛みも感じてしまうと思いますが、注射による減感作療法にも対応しています。当院は院内処方ですので、いろいろな状況に対応できるよう、抗アレルギー剤や抗生剤を何種類も用意しています。

アレルギーに対する治療の選択肢が幅広いですね。

大蔵眞一院長 大蔵耳鼻咽喉科2

アレルギー性鼻炎に対する治療は、薬物療法か炭酸ガスレーザー治療か、舌下免疫療法かということになります。治療に関してはかなり選択肢があるのではないでしょうか。薬を減らしたいならレーザー治療にする、根気のある人は舌下免疫療法にするなど、患者さん一人ひとりに合わせた治療を提案していますが、最終的な選択肢は患者さんにあると考えています。レーザー治療は何度か受ける必要がありますが、何度も通えない患者さんに対しては回数を減らす工夫もしています。血液をサラサラにすることを図る薬を飲んでいる人や心臓にペースメーカーが入っている人は施術ができないので、そこはしっかりと確認して進めるようにしています。

ニーズの高い耳垢取りはオリジナルの道具を使って施術

患者さんから要望の多い治療などはありますか?

大蔵眞一院長 大蔵耳鼻咽喉科3

お子さんの耳垢取りの要望は多いですね。耳垢を取ることに関しては賛否両論ありますが、耳垢が詰まったまま水泳をすると外耳炎になるリスクもありますし、取るとスッキリしたように感じられると思います。当院では、業者に頼んで作ってもらったオリジナルの道具を使って、痛みに配慮し、きれいに取るよう心がけています。「大人でもいいですか?」と聞かれることもありますが、もちろん子どもでも大人でも喜んで診させていただきます。また、滲出性中耳炎に対する鼓膜への換気チューブの挿入手術も行っています。これは子どもに対しては積極的に行わないようにしていますが、鼓膜が陥凹する真珠腫性中耳炎や癒着性中耳炎に進む気配がある場合は必要と思われます。大きくなってからダイビングを始めたいと思った時にチューブの既往が障害になってしまうこともあり、今の状況だけでなく、将来のことも考えて総合的にお話しさせていただくように心がけております。

患者さんのことを考えた治療の選択をしていらっしゃるのですね。

めざしているのは「患者さんに満足してもらう」ということです。治療もそうですが、紹介できる病院の多さということも大事なところなので、いろいろな専門性を持つ先生方に診てもらえるよう努力しています。東京医療センターの聴覚障害研究室で室長を務めている神崎晶先生に週に2回来てもらっている他、東京都立大塚病院の耳鼻咽喉科・睡眠呼吸障害センター医長の井出里香先生にも毎週金曜日に来ていただいています。当院は東京都立大塚病院へ紹介させていただくことも多く、井出先生に当院で診療していただけるようになりました。また、僕は神尾記念病院で導入している病診連携「アテンディング・ドクター」制度に登録しており、帝京大学病院、慈恵医科大学病院へ患者さんを紹介することも多いですね。

先生の診療方針について教えてください。

大蔵眞一院長 大蔵耳鼻咽喉科4

お一人お一人に合わせたオーダーメイド治療を施すことを大切にしています。例えば、鼻や喉に炎症が生じた場合でも、「早く治るために強めの薬がほしい」という方もいれば、「なるべく強めの薬は飲みたくない」という方もいます。それで、「どうしましょうか?」と尋ねて、ご要望をくみ取り、患者さん自身に選んでもらうようにしています。もちろん、患者さんが望んでいることが明らかに間違っているなら、正しい方向に導くよう努めます。できる限りベストな方向に導くことこそ、医師の役割ですからね。中には、診断結果にご納得いただけない方もいらっしゃいます。そうした場合、納得して治療を受けてもらうため、しかるべき医療機関をご紹介するなど誠心誠意対応するよう努めています。

治療を受けて良かったと頼りにされる医師でありたい

診療の際、心がけていることは何でしょう?

大蔵眞一院長 大蔵耳鼻咽喉科5

鼻や耳の処置の際に痛みを感じる方がいるなら、次は嫌な思いをさせないよう、その点をカルテに記すようにしています。加えて、耳鼻咽喉科は鼻や耳の中など見えない部分を扱う診療科ですから、「自分では見えない」という不安をできる限り取り除けるよう、顕微鏡やファイバースコープを使って患部を患者さん自身に見てもらっています。例えば、鼓膜は10mm×8mmぐらいの大きさなのですが、それを24倍にしてお見せします。患者さんはモニターを通して自分の鼓膜の状態を見られるので安心できるのではないでしょうか。また、患者さん自身が、前回の状態との比較ができるようになりますし、拡大して処置をすることで治療の精度向上につなげるためにも活用しています。

先生が医師としてやりがいを感じるのはどのような時ですか?

耳鼻咽喉科の医師は、私にとって天職だと感じています。それぐらい、この仕事が好きです。さまざまな疾患の中でも、難聴と中耳炎の治療を得意としていますけれども、中耳炎を治療するために生まれてきたんじゃないかと思うぐらい中耳炎の治療が好きですね(笑)。耳鼻咽喉科は「機能外科」。処置することで、「聞く」「匂いを感じる」「声を出す」といった機能・感覚を治して、患者さんの生活の質を高めるのが、耳鼻咽喉科の医師の役目です。患者さんが喜んでくださるときには、大きなやりがいを感じますね。

地域にとって、どのようなクリニックでありたいかお聞かせください。

大蔵眞一院長 大蔵耳鼻咽喉科6

誰しも初めて受診する時は不安ですよね。ですから、診療ではその方の立場になって考えるよう努めています。診療室に入ってきて座るまでの間も、外見や歩き方、雰囲気などをよく観察させていただきながら、「この患者さんはどんな治療を望んでおられるのだろうか?」と考えます。また、患者さんには病名とともに今後の経過について説明し、安心していただくよう努めています。大切なのは、「患者さんの持っている財産を損ねないこと」。つまり、患者さんの状態を少なくとも今より悪くしないことです。「ここで治療を受けて良かった」と思って帰ってもらえたらうれしいですね。患者さんを放っておかない、見捨てないということを心がけ、頼りにされる医師でありたいと思います。

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