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会沢 芳樹 院長の独自取材記事

会沢産婦人科医院

(大和市/つきみ野駅)

最終更新日:2021/10/12

会沢芳樹院長 会沢産婦人科医院  main

東急田園都市線のつきみ野駅・中央林間駅から徒歩10分ほどの場所にある「会沢産婦人科医院」。会沢芳樹院長の父親の代から40年以上、産科をメインに地域に根差して診療を続けてきた。2015年に改装された待合室には、木目を基調とした温かみのある空間が広がる。「持病がなく危険な徴候もみられないなら、医療の介入を避け、できる限り自然な状態で産むのがベストだと考えています」と会沢院長が語るように、同院では自然分娩で多くの新生児が元気な産声をあげている。もちろん、妊婦や胎児の状況に応じて無痛分娩も実施するなど、一人ひとりの希望や状況に合わせて臨機応変に対応する。時折ユーモアも交えつつ、ざっくばらんに話してくれる会沢院長に、クリニックの特徴や診療の際の心がけなど幅広く聞いた。

(取材日2020年2月20日)

自然分娩を基本に、状況に応じて無痛分娩にも対応する

長年この地に根差して診療されているのですね。

会沢芳樹院長 会沢産婦人科医院 1

1977年に父がこの地で開業し、2005年に私が院長を引き継ぎました。私が子どもの頃は医院の向かい側に芝地や農地が広がっていましたが、田園都市線が中央林間駅まで延びた頃から人が増え、にぎやかになってきましたね。現在、国内の出生数は年々減少する傾向。神奈川県内でも徐々に減ってきていますが、当院の分娩件数はここ10年くらい安定しています。父が開業して以来、院名も変えず地域に根差して診療してきたこともあり、2人目、3人目とリピートしてくださる方が多くいらっしゃるんです。

産婦人科を専門に選んだのはお父さまの影響でしょうか?

最初は産婦人科ではなく、整形外科に興味がありました。「病気を治すというより、健康な人のケガを治すほうが向いているのでは」と思っていたんです。でも結局、研修が終わると産婦人科に入局してしまいました(笑)。すでにこの医院もあり、環境が整っているのに他科に進むのはもったいない気がして。産婦人科には多くの場合、健康な方がいらっしゃいますので、その面では希望どおりになりました。感謝していただけることも多く、やりがいを感じていますね。中には、子どもが元気に生まれて家に帰ってくることを当たり前のように考えているご家族もいらっしゃいます。産婦人科の医師として頑張った私も、痛い思いをしたお母さんも、一生懸命苦労して出てきた赤ちゃんも、周囲から当たり前のように見られるのは少し悔しいかな(笑)。

クリニックでは産科をメインに診療されているようですね。

会沢芳樹院長 会沢産婦人科医院 2

不妊症や婦人科疾患のお悩みを抱えている方のご相談にも対応しており、お話をよくお聞きした上で専門のクリニックをご紹介させていただいています。とはいえ、来院される方の9割ほどは妊婦さん。当院では、計画分娩を希望される方や予定日を過ぎた方に対して陣痛促進剤を使用することはありますが、基本的には自然分娩をお勧めしています。お産は病気ではありませんし、人類は地球上に誕生してからずっとお産を繰り返して滅びることなく子孫を残してきました。だからこそ、持病がなく危険な徴候もみられないなら、医療の介入を避け、できる限り自然な状態で産むのがベストだと考えているのです。

無痛分娩に対する考えもお聞かせいただけますか?

近年、無痛分娩を希望される方も増えてきました。もし早い段階で無痛分娩を希望される方がいれば、症例数の多い近隣のクリニックに紹介させていただきます。また、妊娠高血圧症候群の方などに加え、出産間近になってお気持ちが変わるような方に対しては、当院でも無痛分娩を実施しています。

豊富な経験を生かし、安心・安全な妊娠・出産をめざす

一人ひとりの状況に合わせて対応しているのですね。

会沢芳樹院長 会沢産婦人科医院 3

当院では、里帰り出産を希望される方にも対応しています。ただ妊娠と分娩は継続した過程ですので、私としては妊婦健診と分娩を異なる病院で行うより、妊婦健診で通う病院でお産まで行うほうが良いのではないかと考えています。妊娠や出産そのものは病気ではありませんが、100%正常分娩になり正常な新生児が生まれるわけではないのが現実。もちろん多くの場合、正常妊娠・正常分娩に至りますが、異常妊娠や異常分娩になるケースもあります。安心・安全な妊娠・出産のためには、問題があれば早めに見つけて対処することが重要。その見極めや問題が起きた際の対応などを考えると、妊娠中の経過を診てきた産婦人科の医師がお産までサポートするほうが良いと思うのです。

安心・安全な妊娠・出産のために心がけていることは?

正しい診断を心がけています。妊娠すると、体の他の部分にも影響が出ます。つわりで吐く、胃腸が弱くなるなど、生理的な変化で生じる症状も多いとはいえ、何でも妊娠のせいというわけではありません。別の病気が隠れている可能性もあるため、状況を正しくお伝えして必要に応じて内科などの受診を促すようにしています。お産は十人十色で、教科書どおりにはいかないもの。陣痛が起こらないのも陣痛が起こっても生まれてこないのも、何らかの理由があるから。自然分娩にこだわるあまり、赤ちゃんもお母さんも危険にさらすようなことになれば本末転倒です。「自然分娩でいくか」「陣痛促進剤を使うか」「帝王切開にするか」「無痛分娩を選択するか」など、これまでの経験から的確に判断するよう努めています。

不安を感じる妊婦さんへの声かけも大切にされているようですね。

会沢芳樹院長 会沢産婦人科医院 4

「陣痛はどんなものか」「いきむ時にはどうすればいいか」「ラマーズ法などの呼吸法は助けになるのか」など、不安は尽きないもの。妊婦さんが呼吸法の勉強をされて試してみたいなら、自由にしてくれて構いません。私が患者さんにいつも話すのは、「詳しい知識がなくても、自然に起こることだから大丈夫だよ」ということ。もちろん、「力を入れないでね」「子宮口が開くまでいきまないでね」というようなアドバイスはしますが、知識がなくても恐れることはありません。「まな板の上のコイだと思って心配しなくていいですよ」とお伝えしています。また、陣痛促進剤の使用について不安に思われる方もいらっしゃいますので、事前に詳しくご説明し、ご本人の同意を得た上で進めるようにしています。

国の宝でもある子どもたちを大切に育ててほしい

入院設備の特徴をお聞かせください。

会沢芳樹院長 会沢産婦人科医院 5

大部屋が主体ですが、個室も2部屋あります。大部屋で複数のお母さんが一緒にいると話に花が咲き、“ママ友”のような間柄になれるようです。初めて出産をするお母さんが経産婦さんに出産や育児についていろいろ聞けるというメリットもあります。3人目、4人目の経産婦さんも多く、同じ病室の方が上の子どもの同級生のお母さんといったこともあるので、病室内はいつもにぎやか。お母さん同士仲良くできる環境も悪くないのではないでしょうか。壁紙を張り替えたり、念入りに掃除をしたりして、病室内を常に清潔に保つよう心がけていますね。また、入院中も楽しく過ごしていただけるよう、こどもの日やハロウィーンなどの行事食や出産のお祝い膳なども提供しています。

スタッフさんとの協力体制についても教えていただけますか?

父の代から長く勤めてくれている助産師や看護師が多いのが当院の特徴。経産婦さんが多いこともあり、互いに顔見知りというか、お母さんもスタッフも互いのことをよく知っているんです。産婦人科は、基本的には病気を治すというより元気な方々を診療する科。血圧の管理などの医療的な面はもちろん、人としてのお付き合いこそ大切だと思うのです。スタッフたちには、妊婦さんたちに優しく接してもらいたいですね。私のほうからあれこれ指示しなくても、スタッフたちは私の考えを理解して妊婦さんに接してくれています。良いスタッフに恵まれていると思いますね。

最後に読者に向けたメッセージをお願いします。

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私は常々親御さんに対して、「お子さんを大切に育ててくださいね」と声をかけるようにしています。お子さんは国の宝でもあるから。国民がいなくなれば国が存続することはできませんよね。また、患者さんに対して常に正直であるよう努めています。時折、医学生が実習に来ることがあるのですが、「患者さんに対して正直であるように」「決して威張ったりしないように」とよく伝えています。医師が言うことを患者さんが黙って聞くという時代もあったかもしれませんが、今はそんな時代ではありません。私は以前から患者さんと医師は対等な関係にあると考えてきました。微力ながら皆さんのお力になりたいと願っていますので、ぜひ何でも遠慮なくご相談ください。

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