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出井 教雄 院長の独自取材記事

いでい耳鼻咽喉科医院

(横浜市南区/弘明寺駅)

最終更新日:2021/10/12

出井教雄院長 いでい耳鼻咽喉科医院 main

弘明寺かんのん通り商店街の中ほどにある「いでい耳鼻咽喉科医院」。近隣住民のみならず、県内各地や東京都内からも患者が訪れる人気のクリニック。そのため、40人ほどが座れる空間を確保し、入り口から受付までの間にもゆったりとしたスペースが設けられている。院長の出井教雄先生は総合病院で豊富な診療経験を積んできたベテランドクター。自身のクリニックでは早くから花粉症への免疫療法を開始するなど、専門医療を充実させてきた他、できるだけ薬に頼るのではなく、その人がもつ回復力を手助けするための医療を展開。そんな出井先生に日々への診療の想い、独自のモットーについて聞いた。

(取材日2016年10月20日)

アレルギー症状を根本から改善する免疫治療

大きなクリニックですが、いつも人でいっぱいですね。

出井教雄院長 いでい耳鼻咽喉科医院1

ありがとうございます。当初は、横浜市営地下鉄の弘明寺駅の近くに医院を構えましたが、6年たった後、現在のこの場所に移転しました。その際には患者さんがお待ちいただけるスペースを大きくし、熱帯魚のいる水槽を置くなどアメニティを充実させました。多くの方にお越しいただく中でも待ち時間をできるだけ少なくしようと、当院では予約制を導入しています。症状によって診療時間は変わりますので、必ずしも予約の時間通りには進まないのですが、ぜひご活用いただきたいですね。開業する前は、日本鋼管病院という川崎市では最も古くからある総合病院に勤務し、耳鼻咽喉科部長を務めていました。手術などを含めて、その病院でできることは「すべてやりつくした」と言えるくらい経験し、自身のクリニックを開院することにしました。

どのような症状の患者さんが来られますか?

花粉症やアレルギーの患者さんが多いですね。アレルギーの根治をめざすアレルゲン免疫療法を取り入れています。スギ花粉とダニに関しては舌下免疫療法も行っていますが、直接注射でアレルゲンを注入する皮下注射による免疫療法も行っています。万が一副作用が起こった際にもすぐさま対応できるよう、薬剤だけでなくAEDを含む救急セットも常備し、横浜市立みなと赤十字病院や県立こども医療センターとも密に連携してあたっています。免疫治療は3〜5年ほど継続して行いますが、初期を除けば月に1度程度の通院で済むので、横浜観光を兼ねて来ていらっしゃる方も多いんですよ。この他にもレーザー治療も導入しています。鼻粘膜にレーザーをあてる治療で、痛みはほとんどなく、効果の持続は一般的に半年間です。

先生の診療ポリシーを教えてください。

出井教雄院長 いでい耳鼻咽喉科医院2

まず、最小限の通院回数で良いように努力しています。人間の体には病気を治す力がもともとあります。通院して治療が必要な場合というのは本来、「自分の力だけでは治すことができない」状態のこと。治療とはあくまでその人の回復力を助けるものです。病気によっては100%完全に治すまで通院するのは必要なく、当院はだいたい7~8割くらい良くなれば、あとはもう自分で行けるでしょう、というところまでを目標にしています。というのも、自分の力で治す努力もしないと免疫力は弱まってしまいますから。

めざすは、通院と薬に頼らなくてもよい体づくり

薬に頼りきりもよくないのですね。

出井教雄院長 いでい耳鼻咽喉科医院3

そうですね。「自分で治す」ことにもトレーニングが必要ですから、すべてを薬や通院治療で治すというのはよくないと考えています。そして、薬を使うにしてもすべての薬は薬副作用が出る可能性があるわけですから、診断をできるだけピンポイントにして、最低限度の薬を使うようにしています。ですので、通院頻度だけでなく処方する薬も少ないと思います。薬が必要だということは、いつまでたっても医院からはなれられないことを意味します。ですから、こちらは常に薬から離れる努力をしています。

最小限の通院、最小限の薬で治療するにあたり、重視していることは?

まず何よりも診断を確定させる必要があります。「あの病気かもしれない」「この病気の可能性もある」と診断が確定できない場合どうなるかというと、薬が増える傾向にあります。ですので、しっかり診断できるように検査機器も充実させています。そして、患者さんへの説明やアドバイスも時間が許す範囲でできるだけ行っています。生活改善や、日々過ごす上で気を付けてほしいことをしっかり説明し、薬なしでも症状が改善するよう心がけていただきたいなと思っています。

患者さんに対して心がけていることは何ですか?

出井教雄院長 いでい耳鼻咽喉科医院4

納得のできる説明です。どんな病気なのかはもちろん、なぜそうなったのかについても丁寧に説明しています。病気にかかるということは、その病気になるための何かいけないことをしていることも少なくありません。原因を探って、同じ病気に二度とかからないように心がけていただくことがとても大事なのです。特にアレルギー性疾患は、ほこり・花粉・動物など原因を特定できることがほとんど。その原因を撤去できれば、薬の服用も通院も不要なケースが少なくありません。同じく他の病気に関しても、繰り返しかかる場合には、何らかの原因があると考えています。

「逃げる治療」だけでなく、時には「戦う治療」を実践

原因を特定し、その上で解決策を考えるのですね。

出井教雄院長 いでい耳鼻咽喉科医院5

病気の治療には「逃げる治療」と「戦う治療」の2つがあると考えています。例えば、気温が低くなると免疫力の弱い、小児や高齢者から体調が崩れてきます。逃げるというのは原因を避けることで、この場合だと体が冷えないよう暖かい部屋に入ったり、温かいものを飲むなどして楽になることを意味します。しかし、寒いからと厚着ばかりしていれば、いつまでも寒さに弱い体のままです。一方、戦う治療では寒さに順応できる強い体をつくることを目標とします。暖かい部屋の中にばかりいないで外に出たり、運動して体力をつけたり。そうやって免疫力を高め自分の力で治せる体をつくるのです。アレルギーでいうと、スギのエキスを定期的に体に入れ免疫力をつけるアレルゲン免疫療法がそれにあたります。逃げるより戦うことで症状を克服し、それが結果的に根本的治療につながると考え、当院ではそういった治療に力を入れています。

逃げてばかりでなく、病気に打ち勝つ体づくりという観点も大切ですね。

そうなんです。アレルギー性疾患は、対処しないで放っておくと、どんどん症状が重くなります。例えばほこりのアレルギーですと、次第にほんの少しのほこりでも症状が強く出るようになってしまうのです。また、一つのアレルギーが強くなると、別のアレルギーを併発するリスクも高くなります。最初はスギ花粉症だけだったのが、他の花粉にも反応するようになり、アトピー性皮膚炎や喘息を発症し、動物アレルギー、食物アレルギーも出てくる……といったように、アレルギーだらけになってしまうのです。そうなると、食べるものだけでなく、生活スタイルそのものが大きく制限されてしまいます。そうならないためにも、運動や食生活など、基本的な体作りも大切なのです。

よくわかりました。最後に読者へのメッセージをお願いします。

出井教雄院長 いでい耳鼻咽喉科医院6

これからもできる限り患者さんの通院回数を減らす努力をしていきたいと考えています。私自身、病院やクリニックに通うくらいなら別のことに時間を割きたいと思っているので、上手にクリニックを活用していただきたいですね。そのために私とスタッフは、いらっしゃった患者さんに対して常に全力で対応し、誰にでもわかりやすく丁寧に病状や原因について説明していきます。そうすることで、病気についてだけでなく、気持ちの上でもすっきりして帰ってほしいと思っています。

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