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豊田 朗 院長の独自取材記事

南斗クリニック

(さいたま市見沼区/大宮駅)

最終更新日:2023/12/15

豊田朗院長 南斗クリニック main

大宮駅東口からバスで15分ほどの場所にある「南斗クリニック」。クリニックの名前は、星好きな豊田朗院長が、中国の伝説に登場する「生」を司る神にちなんで名づけたもので、来院する患者と自身、そしてクリニックが長く存在できるようにという願いが込められている。豊田院長は、日本腎臓学会腎臓専門医であり日本内科学会総合内科専門医。診療範囲は、慢性的な腎疾患から高血圧や糖尿病、高脂血症、発熱・咳といった症状まで幅広く、さまざまな疾患の関連性を考えた、総合的な視点で診療を行っている。正確な診断のため、検査設備が充実しているのも同院の特徴だ。患者との対話を大切にし、精度の高い検査にこだわり、結果の伝え方にも工夫を凝らす豊田院長に話を聞いた。

(取材日2021年9月7日)

地域の健康を守る身近なクリニックに

どのような患者さんが多いのですか?

豊田朗院長 南斗クリニック1

最近多いのはむくみのある方。また高血圧や糖尿病、脂質異常症、腎疾患などの慢性的な症状を抱えた方や、健康診断で尿蛋白や腎機能障害疑いなどで再検査が必要とされ、いらっしゃる方が多いです。腎臓内科も標榜しているので、インターネット等で調べてきてくれる患者さんもおられますね。定期的に診査に来られている方も多いです。もちろん腎臓だけでなく、一般的な内科診療にも力を入れており、日本内科学会総合内科専門医として一つの症状にとらわれすぎず、全体を見てバランス良く診療していくことを大切にしています。地域の皆さんの健康づくりのお役に立てるように、身近なクリニックとして体の不調や悩みを相談してもらえる存在でありたいと思っています。

先生の専門の治療分野と開業までの経緯を教えてください。

まず埼玉医科大学病院の血液内科で、主に白血病や悪性リンパ腫、骨髄腫を診る中で、抗がん剤や輸血の適用、抗生物質、放射線治療について学びました。その後、自治医科大学附属さいたま医療センターで呼吸器、腎臓、心臓、内分泌、神経内科と各科にわたって若い先生たちと肩を並べて一から学び、診療経験を積み重ねました。特に腎臓と透析分野では多くの臨床経験を積ませてもらい、総合内科専門医の資格を取得しました。私は不思議と重い症状の患者さんの診療を担当することが多かったため、複雑な診断や治療を必要とする場面に向き合ってきました。そのうち、より総合内科専門医として自分の診療を強調していきたいと考えるようになり、開業して新たな一歩を踏み出すことにしたんです。この場所を選んだのは、ここ大宮周辺は医療施設が少ない地域ですし、幼稚園から大学までを過ごした思い入れのある地でもあるからです。実家もすぐ近くなんですよ。

院内の造りで、こだわったところはありますか?

豊田朗院長 南斗クリニック2

待合室をゆったりとしたスペースにし、椅子に座ったときに隣の人との距離を保てるようにしました。椅子はコの字型にするのではなく、すべて同じ方向に向けて並べることで、診察室に入る際に視線が集まらないようにしています。また、院内での感染防止のため個室の待合室も設け、咳や感染症の疑いがある場合は、そちらや処置室に案内しています。新型コロナウイルス感染症の流行後は、入り口のところにスタンド式の非接触型体温計を置き、熱のある患者さんはまず電話してもらった上で、時間帯を分けて診ています。新型コロナに関しては、インターネットに不慣れなご高齢の患者さんがワクチン接種の予約を取りやすいように、ウェブからではなく窓口で予約を受けつけるといったこともしていました。

検査の結果説明は、わかりやすく、印象に残りやすく

さまざまな検査機器がそろっているのですね。

豊田朗院長 南斗クリニック3

ええ。病気は1つの科だけで完結するものではなく、各科にまたがり症状が複雑に結びついていることが多いので、正しい診断をするためには精度高く検査していくことが必要です。そのために必要な検査設備には惜しまず投資しています。現在のところ、血液ガス検査やホルター心電図検査、頸動脈エコー検査、血圧脈波測定、尿検査等のほか、インフルエンザの検査にも対応しています。また月に2回、超音波専門の検査技師による超音波検査を実施。月に1回は、日本循環器学会循環器専門医の先生による診療を行い、より精度の高い診療を提供できるよう取り組んでいます。

検査結果の伝え方も工夫されていると聞きました。

結果が良かった、悪かっただけで終わってしまわないように、患者さんの印象に残り、行動の変化につながる伝え方を模索しています。例えば、血液検査の結果は紙で渡して説明するだけでなく、診察室で一緒に評価アプリに数値を入力しながら、一緒に評価を見ていくようにしています。体感することで印象に残りやすく、客観的な評価も加わることで、「ちゃんと食事コントロールを頑張っていこう」というふうに、患者さんの治療へのモチベーションにつながっていけるのではないかと考えています。一緒に評価することで、患者さんとのコミュニケーションが取れるのもこの方法の良いところ。診療時間には限りがありますが、その中で患者さんと少しでも時間をかけてお話しできればと思っています。

診療にあたり、大事にしていることを教えてください。

豊田朗院長 南斗クリニック4

患者さんは不安を抱えて慣れない場所に来ているのだから、不安を助長したり、傷つけたりするようなことは絶対しないと肝に銘じています。その上で心がけているのは、先ほどの話の繰り返しにはなりますが、実際に行動の変化に結びつくようにお話しをしていくことですね。検査の説明では、ついあれこれと伝えたくなるのですが、たくさん話しすぎてもなかなか印象には残りません。一つの検査で伝えることは、一番大事なことに絞る。毎月来ている方なら、今月説明したことも来月もう一度お話しする。ただ検査結果を伝えるだけでなく、「この結果は生活の中で〇〇に気をつけようということですよ」といった具体的なメッセージとして伝える、など。わかりやすく、印象に残りやすい伝え方を大事にしています。

不安なこと、わからないことは、いつでも相談を

休日はどのように過ごしていますか?

豊田朗院長 南斗クリニック5

今はなかなかゆっくりと休めませんが、10年ほど前までは、時間があれば車にテントと大きな双眼鏡を積んで、山奥へ星を見に行っていました。楽器の演奏も好きで、高校時代はバンドを組んでベースを弾いていましたよ。40歳くらいの時に大宮駅の西口で自分より年上のかっこいい男性がサックスを吹いているのを見て、週末だけストリートミュージシャンになれたらと憧れ、7~8年ほどサックスを習ったこともあるんですよ。始めるのが遅かったのでなかなか難しかったですが、一度だけサックス教室の先生の知り合いのプロの方とセッションしたことがあります。それが私のサックス奏者としてのピークでしたが、とても良い思い出になりました。

今後、さらに力を入れたいことはありますか?

きちんと伝わり、行動変容につながる説明は引き続き追求したいと思います。加えて、病気の早期発見・治療に役立つ検査ができるよう、検査設備はさらに充実させていきたいですね。特に、骨密度の測定は早めにできるようにしたいです。あとこれはなかなか難しいのですが、患者さん一人ひとりとの対話を大切にして丁寧に診療することと、待ち時間の長さのバランスをうまくとっていくことも課題のひとつ。今のところ、これだ! という解決法はないのですが、患者さんは近隣の方が多いので、最初に受付でおおよその待ち時間をお伝えし、順番までは外出してもらえるようにしています。また診察では、大事なところに絞ったスリムでわかりやすい説明を心がけることが、スムーズな診療にもつながるかな、と考えているところです。

最後に読者や地域の方へメッセージをお願いします。

豊田朗院長 南斗クリニック6

感染症の流行を経て以前より体調の変化に不安を覚える人が多くなったように思います。新型コロナウイルス感染症も未だ重症化リスクがあり、油断できない状況です。不安から不調を招くこともあるため、不安なことやわからないこと、気になることがあれば、一人で悩まずにまずは相談してみてください。

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