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野本秀材 院長の独自取材記事

医療法人社団すみれ会 サクラパーク野本歯科

(千代田区/飯田橋駅)

最終更新日:2021/10/12

野本秀材院長 医療法人社団すみれ会 サクラパーク野本歯科 main

飯田橋駅から歩いてすぐのところにある「サクラパーク野本歯科」を訪れた。総合商業施設グラン・ブルームサクラテラス3階にある同院の扉を開けると、広々としたバリアフリー空間が広がっている。「一般の歯科医院よりもかなり広めだと思います。高齢の方にも安心して通っていただけるようバリアフリーにも対応しています」と話してくれたのは、野本秀材(のもとひでき)院長。一つ一つ言葉を選んで話す野本院長は、穏やかで知的な印象のドクターだ。「当院を開院した理由の一つが、高齢化する地域の方に対して質の高い歯科医療を提供したかった点があります。現在では在宅診療が進んでいますが、バリアフリー環境が整った施設であれば通えるという方も多いです」という野本院長に、医院のことや地域のことについてなどたっぷりと話を伺った。

(取材日2015年8月19日)

開院のきっかけの一つは「高齢者への質の高い歯科医療を提供したい」との思いから

たいへん広い院内ですね。

野本秀材院長 医療法人社団すみれ会 サクラパーク野本歯科1

そうですね。当院は、複合施設「飯田橋グラン・ブルーム」のオープン後すぐに開院いたしました。見てわかるとおり、院内は奥にたっぷりとスペースを取り患者様にとって快適な空間づくりをしました。こだわった点の一つが見えない部分の設備投資です。院内には特別な配管を配しどこからでも歯科治療に最適な滅菌水が流れるようにしました。歯科ユニットの中には常に水が流れていますがこれが意外と汚れやすいのです。だから、より厳しい衛生を求めるなら水から変えていかないといけないのです。またもう一点が滅菌システムですね。ヨーロッパ基準の滅菌・消毒機器である滅菌器を導入しています。ハンドピースやミラー・鉗子などを一本ずつ隅々まで洗浄滅菌することができます。こういったシステムは開院後途中から導入するのは難しいですからね。最初にしっかりとビルトインしないといけないのです。

バリアフリーにもこだわっていらっしゃるとか。

その通りです。私は、1995年に神田にある神保町で「野本歯科医院」を開院しましたが、こちらは当時の基準に基づいてつくっているのでバリアフリー対応がなされていません。これから高齢化するのは当然のことですから、歯科医院もバリアフリー化する必要があると思います。段差がないのはもちろんのこと、一つ一つの歯科ユニットまで直接車いすで横付けできるよう各診療ブースにたっぷりと広さを取っています。初めていらした患者さんは驚かれますね。「こんなに贅沢にスペースを取っている歯科医院は見たことない」って。しかしそもそも私が当院を開院したきっかけの一つに、高齢者への質の高い歯科医療を提供したいという思いがありましたから、バリアフリー化には徹底的にこだわりたかったのです。

高齢者への歯科医療の現状について教えてください。

野本秀材院長 医療法人社団すみれ会 サクラパーク野本歯科2

実際には施設の環境さえ整えば来院できるという患者さんは多いと思います。車いすなら動けるけど、段差があって歯科医院まで行けずに訪問診療を受けているという患者さんは意外と多いですね。訪問診療というのは、ポータブル機器での治療がメインとなるのでどうしても来院治療と同じレベルの治療をするのは難しいです。だから治療面では来院してもらった方がいいのです。それともう一つ、来院するとなると外出することになりますから患者さんは当然身支度を整えますね。女性の方であればお化粧もされます。そうしたことがいい刺激になるのです。実際に当院ができたことで、これまで訪問診療を受けていたという方が車いすなどで来院されるようになりましたが、皆さん表情が変わりましたね。訪問診療時よりも断然に生き生きした表情になられている。やはりできる限り外出し、外の世界とかかわりを持つというのは大切なことなのです。

設備投資は惜しまない。公明正大に誠実な医療を実践

CT撮影機器にマイクロスコープ等、先進の設備を整えていますね。

野本秀材院長 医療法人社団すみれ会 サクラパーク野本歯科3

そうですね。大学病院での治療レベルがこちらで行えると自負しています。これらの機器があることで治療の精度がぐっと上がるので患者さんにとってはもちろんのこと、スタッフにもメリットがあるんです。歯科治療は歯科医師が行いますが、予防やケアは歯科衛生士が行いますし、受付は受付スタッフが行います。歯科医療はチームワークなんですね。そこで、私はスタッフの教育には非常に力を入れております。ありがたいことに、歯科医師や歯科衛生士を含め、当院は新卒の方が来てくれています。新卒というのは誰にも指導されていないため、吸収が早く、指導次第でどんどん育ってくれます。だからこそ、最新の設備がある環境で学んでほしいのです。勉強会は毎週行い、歯周病や小児歯科を専門とする大学教授を定期的招きスタッフ教育や診療を行っています。学びの環境としても非常に整備されていると思います。

新設備導入と衛生環境の整備、そして教育システムなど充実されていますね。

そうですね。できる限りのことをいたしました。これまでの私の歯科医師としての集大成がこの医院であると自負しております。たまに「ここまで開院費用と教育費用にコストをかけてしまって大丈夫?」と聞かれることがありますが、大丈夫ではないです(笑)。でも今の時代、患者さんのリテラシーもどんどん上がっているし、情報も透明化してきています。公明正大かつ誠実に正しい歯科医療をコツコツ積み重ねていくことが、患者さんはもちろんスタッフや私にとっても最良な事だと思うんです。たしかにこれから数年、私は贅沢できないかもしれませんね(笑)。でもそれでいいのです。

先生は歯科技工士のライセンスもお持ちだとか。

野本秀材院長 医療法人社団すみれ会 サクラパーク野本歯科4

ええ、そうです。私は、歯科技工士の資格を保有しており、実際にかぶせ物などを製作していた時期もあります。2006年、これは日本では最も早い時期なのですが、そのころからデジタルテクノロジーを駆使したメタルフリーのオールセラミックスやジルコニアセラミックス・フルジルコニアのかぶせ物を取り入れてきました。これらは機能性のみならず審美性にも優れています。また、自分が歯科技工士でもあるので、かぶせ物の製作を技工士にお願いする際にはより細かく的確な指示を出せるのが強みだと思いますね。

口の中がきれいになると患者の顔に笑顔が。信頼関係を感じた瞬間

これまで印象に残った患者さんのエピソードがあれば教えてください。

野本秀材院長 医療法人社団すみれ会 サクラパーク野本歯科5

たくさんいらっしゃいますが、一番思い出深いのはある壮年の男性患者さんのことです。歯科知識不足であったのか、これまで歯科治療はおろか満足な口腔ケアさえしていらっしゃいませんでした。当然口腔内は、「いまどきこんな人がいるのか」というくらいボロボロでした。何本か自然に欠損していたのですが、どんどん抜けるのでさすがに「これはいけない」と思ったらしく当院に来院されました。口腔内の環境の悪さもさることながら、雰囲気もとげとげしい感じの方でした。「早く治せ」というような感じだったのですが、まずは患者さんがセルフケアできるようになるのが先と考え、ブラッシング指導から入ったんです。

その患者さんはその後、どうされたのでしょうか?

「治療をしてほしいのに、何で歯磨きだけなんだ」とおっしゃられていましたが、必要性を説明しなんとか理解していただきました。歯磨きができるようになると口腔内は驚くほどよくなり治療が開始できるレベルとなりました。そして実際に歯科治療を重ね、口の中がよくなっていくと驚くことが現れました。口腔内環境がよくなるに従い、患者さんの表情が明るくなっていったのです。これは驚くと同時に、うれしいことでしたね。スタッフも「あの方最近優しくなりましたよね」って。口の中がきれいになっていったのがうれしかったのと、我々に対して信頼が芽生えたのだと思います。今ではセルフケアをしっかり行う歯科意識の高い患者さんとなられました。「口内環境が変わると、性格や表情まで変わるんだ」と実感した瞬間でしたね。

最後に患者さんへメッセージをお願いします。

野本秀材院長 医療法人社団すみれ会 サクラパーク野本歯科6

昔とは異なり、今では歯科に対する関心も高くて驚くほど歯科領域に関する知識が豊富な方がいらっしゃいます。しかしその一方で、これまで歯科医師から正しい情報を伝えてもらっていないなどの理由から、歯科リテラシーが高くない方もいらっしゃいます。当院ではそういった方に対し、正しい知識を伝え自分のお口の中に対して関心を持ってもらいたいと考えています。お口の健康管理次第で健康寿命が変わります。まずは足を運んでいただければと思います。どんなことでもお気軽にご相談いただければうれしいですね。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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