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保坂 辰樹 院長の独自取材記事

ファミリークリニックしいなまち

(豊島区/椎名町駅)

最終更新日:2022/10/11

保坂辰樹院長 ファミリークリニックしいなまち main

西武池袋線椎名町駅から近いビル2階にある「ファミリークリニックしいなまち」は、院名のとおり家族でかかれる街のかかりつけ医。この地域の出身で、近くの病院で生まれたという保坂辰樹院長は、優しい笑顔と柔らかな話し方で、誰もが安心して受診できそうだ。同院は内科のほか、小児科、糖尿病内科を専門とするが、「診療科にこだわらず、なんでもご相談いただけて、必要なときは適切な医療機関をご紹介する、健康づくりの窓口をめざしています」と話す保坂院長。そうした診療の特色から医師になった意外なきっかけまで詳しく聞いた。

(取材日2022年7月4日)

なんでも相談でき、「また行きたい」と思える場所に

こちらの特色や地域での役割を教えてください。

保坂辰樹院長 ファミリークリニックしいなまち1

開院当初から「相談したいことが、なんでも早めに相談できる」クリニックが目標でした。診療科は内科全般と、私の経験を生かした小児科、糖尿病内科ですが、どんなこともご相談いただいて構いません。当院で適切に診断・治療し、必要なときはより高度な検査や治療ができる病院にご紹介するなど、地域の健康づくりの窓口になりたいと思っています。開院して10年近くたつ中で、所属する豊島区医師会では地域の健診事業などに携わったほか、クリニック同士の連携も強まりました。そのかおかげで、専門的なクリニックをご紹介するとき、患者さんに「あの先生は優しい感じですよ」「こんな分野に強いんですよ」など詳細な情報までお伝えできるようになったんです。また、近くの保育園、幼稚園、小学校の園医・校医も長く担当し、少しずつ地域に根差したクリニックになれている気がします。

相談しやすいクリニックとしてどんな工夫をされていますか?

保坂辰樹院長 ファミリークリニックしいなまち2

身近なクリニックとはいえ、患者さんには「できれば行きたくない場所」でしょう。ですから入りやすさを重視し、入口や窓にはステンドグラスを多く使用しています。緑をアクセントカラーに、葉っぱや動物のイラストをあしらうことで、森のような雰囲気になればと考えました。私が持つ医師のイメージが、幼い頃に絵本で読んだ「森のお医者さん」なので、その温かな雰囲気が出せればと思っています。お子さんは一度「行きたくない」と感じると、その印象を払拭するのが難しくなりますし、大人でもクリニックへの苦手意識から症状をあまり話されないのでは意味がありません。そうならないためにも雰囲気づくりは大切と考えています。

患者や家族の気持ちを大切に、納得してもらえる診療を

どんな方が受診されているのでしょうか?

保坂辰樹院長 ファミリークリニックしいなまち3

お子さんから高齢の方まで幅広いのですが、私の専門分野であるお子さんや糖尿病の患者さんのほか、自治体やお勤め先の健康診断で、基準値を超えた方の相談も多いですね。後者の場合、血糖値やコレステロール、中性脂肪が高いことが、体にどんな影響を与えているかをご理解いただくことから始めます。当院にある血管年齢や動脈硬化の進み具合がわかる検査機器で血管への影響を調べ、進行するとさらにこんな病状が出そうだとの予測を共有。それを防ぐには何をしたらいいかをご相談するんです。食事の見直しや適度な運動のほか、薬で血糖値、コレステロールなどを下げる治療が必要な場合もあります。とはいえ生活習慣病は生活の改善なしに治療は難しいため、まず無理のない範囲で目標を立て、それを毎月達成して、成果を積み重ねていただけるようサポートするのが私の役目だと思っています。

ご専門の糖尿病の診療についてお聞かせください。

糖尿病は、体内の糖を分解・処理するインスリンの働きが悪くなり、高血糖の状態が続く病気です。エネルギー源である血糖をうまく利用できずに体調不良を起こすほか、高濃度の糖が全身の血管を傷め、さまざまな病気になるリスクを高める点が糖尿病の怖いところです。私は日本糖尿病学会糖尿病専門医で、患者さん一人ひとりに必要な治療について十分な知識をもとに検討し、実施できる点に強みがあります。また、病気やその治療で何か困られたときも適切なアドバイスができます。糖尿病には、原因は不明ながらインスリンが体で作られなくなる1型糖尿病と、遺伝や生活習慣が主な原因となる2型糖尿病があります。お子さんに多い1型糖尿病の治療は、注射などでインスリンを定期的に補充することが治療の中心です。一方、2型糖尿病は前述のように生活習慣の見直しと薬の利用で改善を図っていきます。

もう一つの専門である小児科についてはいかがですか?

保坂辰樹院長 ファミリークリニックしいなまち4

お子さんを診るとき大切にしているのは、親御さんに「この治療をすれば、日にちがたてばこうなっていくと思います」といった予測をご提示して、安心していただくことです。加えて、今の時期にこの地域で流行している病気などもお伝えしています。特にお子さんの場合、発熱など病状の初期段階で来院されることが多く、受診後も数日は新たな病状が出ることがあります。そうした予測も親御さんに話しておけば、落ち着いて対応いただけると考えています。一方、お子さんは大人に比べて体力がなく、病状が急に悪化するケースもあるので、一見して体調が悪そうならすぐに紹介状を書き、病院での検査、治療を強くお勧めしています。

話しやすい「保健室の先生のような医師」が目標

先生が医師をめざされたきっかけを教えてください。

保坂辰樹院長 ファミリークリニックしいなまち5

人に感謝されるような仕事に就きたくて、最初は保健室の先生をめざしていました。ところが医学部に入って、医師免許ではなく養護教諭の免許が必要だと知ってショックでしたね(笑)。それなら治療だけでなく、普段から悩みごとも相談できる「保健室の先生のような医師」になろうと決めたんです。糖尿病を専門に選んだのは、以前に大学病院で出会った患者さんで、「もっと早く病気を見つけて、病院を紹介してほしかった」と悔やまれる方がいたからです。その言葉が印象に残り、早い段階でしっかりと診断し、適切な医療機関にご紹介できる医師になりたいと思いました。そのためまず内科を学び、現代社会に多い生活習慣病をよく知るため、糖尿病などを診る内分泌代謝内科で経験を積みました。

小児科を専門にされたのはなぜでしょうか?

私が医師になって小児科の勉強を始めたのは、1型糖尿病のお子さんが集まるサマーキャンプで、体調が悪化した子をうまく診られず、小児の病態などの知識不足を痛感したからです。今後もお子さんを自信を持って診療できないままでいいのかと自答した末、小児科を専門的に勉強しようと決意し、東京都立大塚病院、大阪市立大学病院、多摩小児総合医療センター、神奈川県立こども医療センターなどで小児診療の経験を積みました。現在は日本小児科学会小児科専門医を取得し、小児の糖尿病はもちろん、一般のお子さんの病気、体調不良にも対応できるようになりました。また、私自身も妻と一緒に2人の子どもを育て、子どもの成長とさまざまな病気を目の当たりにし、お子さんを持つ親御さんの気持ちへの理解も深まったと思います。

最後に地域の方のメッセージをお願いします。

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当院は街のかかりつけ医の「ファミリークリニック」として、ご家族全員を幅広く診られる体制、雰囲気づくりを心がけています。早く病気を見つけて適切な治療をするのはもちろん、健康を維持していくための情報の提供、手軽に受けられる検査なども充実させたいと考えています。情報提供の機会として、今後は糖尿病のことを知っていただく糖尿病教室の再開も予定し、お子さん向けには、消化器や循環器など体の健康と病気について楽しく学べる教室を始めたいと考えています。私は自分が生まれ育ったこの地域に愛着がありますし、皆さんと一緒に健康になっていきたいと思いますので、どうぞ気軽になんでもご相談ください。

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