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川崎 孝広 院長の独自取材記事

かわさき内科クリニック

(荒川区/小台駅)

最終更新日:2021/10/12

川崎孝広院長 かわさき内科クリニック main

小台駅から徒歩5分、最寄りのバス停からは徒歩1分と通院に便利な「かわさき内科クリニック」。大通り沿いにありながらも静かで落ち着いた院内には、観葉植物や花が飾られ、間接照明が優しくともる。川崎孝広院長は約10年間、救急医療の現場で内科の医師として経験を積み開業医となった。それだけに内科、外科を問わず幅広く知識を持ち、それを今、地域医療に還元している。得意とする内視鏡の検査・治療、そして脳卒中や心筋梗塞など生活習慣病の予防として同院が取り組む「メタボ健診」などを通じて、病気の予防・早期発見に力を注ぐその背景にある思いとは? 開業理由、なるべく苦痛を感じさせない検査へのこだわりなど、たくさんの話を聞いた。

(取材日2018年5月21日)

患者の全身を、生活を診るかかりつけ医へ

院内はシックなインテリアでまとまっていますね。同時に、ホッと落ち着ける雰囲気があります。

川崎孝広院長 かわさき内科クリニック1

温かみのあるクリニックにしたくて、ちょっとした部分にこだわりました。例えば壁紙は、清潔感を出しつつも殺風景にはならないよう、真っ白ではなく、少しベージュがかったホワイトにしてあるんですよ。また、道路側の壁にはガラスを多用して、自然光を取り込めるようにしています。圧迫感を与えない布製の縦型ブラインドを設置したことで、程良い光を取り込むことができて、患者さんのプライバシーを守る目隠しにもなっていますね。

先生は長く救急医療に携わっていたと伺いました。

大学卒業後、東京女子医科大学救命救急センターに入局し、約10年勤めました。日本では脳外科、外科、麻酔科、循環器内科など各科の医師が主体となった救命救急センターが多いのが特徴です。当時、日本は救命救急センターの創世記を迎え、さまざまな地域でいろいろな形態の救命救急センターが新設されていきました。東京女子医科大学救命救急センターは腹部外科に強く、緊急の処置や手術が必要な急性腹症や、腹部外傷の患者さんが多かったですね。その中で私は吐血、下血患者さんなどの内視鏡での検査をする傍ら、手術も行っていました。内視鏡の診療については、勤務医時代にとても多くの経験を積みましたね。

内科のクリニックを開業されたきっかけは何だったのですか?

医師を志した当初から、いつかは開業しようと考えていました。それには父の存在が大きく影響しています。父も開業医をしていて、物心がついた頃からその背中を見てきました。だから自分も同じ医療の道に進み、開業医になりたいと思っていたんです。内科の道に進んだのは、患者さんの生活に一番密着した科だと考えたからです。体全体を診なければいけない点にも興味を持ちました。

救急科から内科へ移られてからは、どんな経験をされましたか?

川崎孝広院長 かわさき内科クリニック2

東京女子医科大学東医療センターの内科に勤務したのですが、そこは消化器内科や循環器内科など専門科同士の垣根がなく、さまざまな先生方と協力しながら幅広い診療を行うことができました。こうして勤務時代にはさまざまな疾患、最重症から軽症、予防医学などあらゆる状態の患者さんを診させていただき、「かかりつけ医」という開業医になるための経験を積むことができました。そのため内科、外科を問わずお答えできると思いますので、心配事があれば何でもご相談いただきたいですね。

「血管保護」のための「メタボ健診」を推進

特に力を入れていることは何ですか?

川崎孝広院長 かわさき内科クリニック3

内視鏡検査による病気の早期発見に力を入れています。胃・食道だけでなく大腸の内視鏡検査にも対応し、「苦痛を与えない検査」をめざしています。内視鏡検査は胃が年に1回、大腸が2、3年に1回を目安に受けるのが理想的なのですが、一度苦しい思いをしたら、何度も受けたいとは思わないですよね。でも、検査をしないで進行に気づかず、手遅れになるケースも少なくありません。早期であれば胃がんも大腸がんもほとんどが手術で取り除けるんです。実際、当院の検査で早期がんやポリープが見つかり、そのまま切除された方もたくさんいらっしゃいます。痛みの感じ方は人によって異なりますので非常に難しいところですが、「怖いから受けない」という選択はしてほしくありません。だから少しでも苦痛を軽減できるよう、また発見できたはずの病気を見逃さないよう、検査1回を手術と匹敵する慎重さで行っています。

具体的にはどのようにして苦痛を和らげるのですか?

スピードを重視するのではなく、ゆっくりカメラのチューブを挿入していき、丁寧に操作します。それでも胃で5〜10分、大腸で15〜20分あれば検査は終わります。また、患者さんのご希望に応じて、鎮静剤や全身麻酔を使うこともあります。全身麻酔は完全に眠った状態になりますが、鎮静剤は意識をぼんやりとさせることで不安や苦痛を緩和します。当院では8割近い方が鎮静剤を希望されていますね。胃の検査は鼻からチューブを入れる経鼻内視鏡もご用意しています。基本的には体への負担が少ない経鼻をお勧めしていますが、経口内視鏡検査にも対応しています。

生活習慣病の患者さんを診ることも多そうですね。

高血圧・糖尿病・脂質異常症の治療に通っていらっしゃる方が多いですね。これらは血管障害のリスクを高める病気といわれていますが、病状が悪化しても自覚症状があまりなく、倒れてから気づくことが少なくありません。中でも脂質異常症は、まだ認知度の低い病気ですが、症状が出るのは心筋梗塞や脳梗塞になった時。その時点ではもう手遅れなのです。一方で、治療に積極的な方は少ないのが現状。コレステロール値を下げるための薬は一定量を飲まないといけませんが、それを知らないまま市販薬を少し飲んで安心している方や、薬自体を嫌って、「症状が出てから飲む」という方もいます。生活習慣病は、症状はなくても絶対に治療が必要な病気です。

「メタボ健診」というのを行っておられると伺いました。

川崎孝広院長 かわさき内科クリニック4

生活習慣病を予防することの大切さを広めるために、当院では「メタボ健診」を始めました。高血圧・糖尿病・脂質異常症は、メタボリック症候群から発症することの多い三大疾病といわれています。つまり、メタボを防ぐことが、心筋梗塞や脳梗塞の予防にもつながるのです。「メタボ健診」の本来の目的は、「痩せること」ではなく「血管保護」をすること。そのことを皆さんにもっと知っていただきたいですね。

患者の不安を取り除けるよう、丁寧な説明を尽くす

患者さんと接する際に心がけていることは?

川崎孝広院長 かわさき内科クリニック5

わかりやすく丁寧に説明することです。患者さんは不安を抱えておられますので、今どんな状態で、どんな治療をするのか、今後何をしなければいけないのかをしっかりお伝えします。医療の話は言葉だけで説明されてもわからないことが多く、限られた診療時間の中でご理解いただくのはとても難しいことですが、資料や図解を使いながら、記憶に残るような説明を行っています。例えば、胃の内視鏡検査でポリープが見つかった場合も、その危険度、今後の検査の頻度、病状を改善させるために欠かせない食事療法や運動療法について、細かくご指導するよう努めています。

患者さんへのアドバイスがあれば伺えますか?

お薬はきちんと飲み続けてほしいと思います。継続的に飲まないと効果は得られず、病気の進行につながることも。薬を変更して錠数を減らすことや、生活習慣を改めることによって薬を中止することも可能ですので、薬を飲むのをやめたい、減らしたいという時は自己判断で中止せず、必ずご相談ください。もう一つはクリニック選びですが、皆さんにはぜひ、ご自分のためになる、通いやすいクリニックを見つけてほしいと思います。それほど難しく考えず、食べ物屋さんを選ぶような気持ちでさまざまなクリニックに通ってみて、一番居心地の良かったところ、気の合う先生のいるところを選んで良いのです。とりあえず大学病院に行く、といった状況が必ずしも患者さんのためになるとはいえません。お住まいの地域に良いクリニックは必ずあると思います。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

川崎孝広院長 かわさき内科クリニック6

患者さんの待ち時間を何とか減らしたいといつも考えています。直接待ち時間の解消にはつながらないかもしれませんが、スマートフォン・携帯電話専用の予約システムを導入し、診察の順番を確認できるようにしています。しかし、一気にたくさんの患者さんに受診いただくこともあり、なかなか難しいですね。診察時間を短縮するわけにはいきませんから。これからも「患者さんお一人お一人をしっかり診る」というポリシーを守りながら、皆さんの健康年齢の維持をサポートできたらと思います。

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