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安藤 武史 院長の独自取材記事

安藤歯科医院

(江東区/門前仲町駅)

最終更新日:2024/04/02

安藤武史院長 安藤歯科医院 main

江戸時代からの下町として知られる門前仲町で、約100年にわたり地域住民の歯の健康を守ってきた「安藤歯科医院」。現在は4代目の安藤武史先生が院長を務め、地元の人々のみならず近隣のオフィスで働く人たちなど幅広い患者が受診する。一人ひとりを大切にする診療方針は、曽祖父・祖父・父、そして安藤院長へと受け継がれ、口腔内だけでなく体全体の健康を考えて、ライフステージに合わせた治療やメンテナンスに努める同院。「患者さんとの会話を重ねて信頼関係を築き、歯だけではなく『人を診る』診療を提供していきたいと思っています」と話す安藤院長に、同院の成り立ちや診療の特徴、患者をリラックスさせるための工夫などについて聞いた。

(取材日2024年2月15日)

緊張をほぐす小さな優しさにこだわる下町の歯科医院

こちらはとても長い歴史があると伺いました。

安藤武史院長 安藤歯科医院1

大正時代の半ばに私の曽祖父が開業しました。父が3代目として院長に就任したのが1989年です。私は2000年に東京歯科大学を卒業して大学病院で研鑽を積み、2005年頃から当院での診療を始めました。その後、2019年に院長に就任し、4代目として診療を続けています。門前仲町はいわゆる「下町」と呼ばれる地域。私もここで生まれ育ってきましたが、代々地元にいらした方が高齢で商売をおやめになったり、引っ越されたりして、住んでいらっしゃる方も変わってきましたね。また、会社やマンションが増えた分、お勤めの方やお子さんの姿をよく見るようになりました。この町に以前から住んでいる方にも、新しく越してきた方にも、どちらにも安心して通っていただける歯科医院でありたいと思っています。

院内は明るくて温かみのある雰囲気ですね。

ありがとうございます。2021年にリフォームした際に、患者さんの緊張感を少しでも和らげられるよう、診察室と待合室に淡い黄色やグリーンなど温かみのある色彩を取り入れました。院内で流す音楽は耳に優しいものを選んだり、四季折々の絵や花を飾ったりと、居心地の良い空間づくりを心がけています。また、診療椅子に寝てエプロンをつける前に、患者さんの体にタオルをかけています。これは父がずっとやっていたことで、ひざ掛けが1枚あるだけで患者さんの緊張感が違うと思うんです。さらに、歯科治療が嫌われる二大原因は「音とにおい」だと思うので、できるだけ音の小さな切削器具を導入したり、消臭剤を置いたりといった工夫もしています。

患者さんがリラックスできるように配慮されているのですね。

安藤武史院長 安藤歯科医院2

最初は患者さんも緊張されています。私も人間ドックを受診したり、病院へ行ったりする時は緊張するので、自分の経験を踏まえて患者さんの立場で考えることが大事だと思っています。診察でも、「人を診ろ」という大学時代の恩師の言葉を肝に銘じていますね。こちらが聞きたいことを質問する前に、まずは患者さんが話したいことをとにかく聞いて、その方が何を求めているのかをきちんと把握するようにしています。そして、何でも気軽にお話しいただけるように、治療とは直接関係ない雑談から話を始めることも心がけています。例えば、初めてお会いする患者さんの場合、その方のイントネーションに注目して、出身地を推測することも会話のきっかけづくりになります。もちろん患者さんの様子を見ながらですが、何げない会話を重ねながら信頼関係を築き、楽しく診療していければと思っています。

治療はあくまで「補うためのもの」。自分の歯を大切に

どのような患者さんが多いのでしょうか。

安藤武史院長 安藤歯科医院3

近隣にお住まいの方がほとんどで、土地柄、入れ歯を使用されている高齢の方が不具合を訴えて来院されるケースが多いです。また、長く通院されている患者さんがご自分のお子さんを連れて来てくださることもあります。当院は何かに特化することはせず、歯科全般を総合的に診療していますが、治療の後は定期的にメンテナンスに通っていただいて、管理を継続していくことを心がけています。また、父の時代からの患者さんは多いのですが、現在は主に私が治療にあたっています。なじみの患者さんが来院された時には父も顔を出して、会話を楽しむこともあるんですよ。

診療の際に心がけていることを教えてください。

治療についてわかりやすく説明するために、デジタルカメラで治療前後の口腔内写真を撮影し、患者さんに必ず見ていただくようにしています。自分でも試してみたのですが、鏡だけでは口腔内の細かい部分はわかりません。カメラで記録を残しておけば、治療後にメンテナンスに移った時に経過の記録にもなりますので、積極的に活用しています。また、虫歯や歯周病などの感染症以外に、歯ぎしりや噛む力による痛みや不具合も最近注目されています。写真で歯のすり減り具合を記録しておけば、感染症以外で痛みが出た時に原因の発見や治療方針の決定に役立ちますし、患者さんも理解しやすいと思います。

なるべく天然歯を残す治療を心がけていると伺っています。

安藤武史院長 安藤歯科医院4

はい。歯科医療の技術が進み、精度の高い詰め物・かぶせ物、入れ歯やインプラントなどが登場しましたが、それでも天然の歯に勝るものはありません。歯科治療はあくまでも補うためのものですから、できるだけ患者さんご自身の歯を残せるように考えて治療するようにしています。歯科医師側としても、以前は「悪い所は削る・抜く」という姿勢でしたが、「できる限り歯を残そう」という方向に治療方針が変わってきました。また、最近は定期検診にきちんと通う方が増えている傾向にありますね。この地で父と二人で長年診療してきましたが、当院でも「痛くてどうしようもないから何とかしてほしい」と駆け込んで来る方が減った印象です。患者さんの意識も、自分の歯を大切にする方向に向いていると感じています。

地域とともに歩み、患者の悩みに向き合える歯科医院に

訪問診療にも力を入れているそうですね。

安藤武史院長 安藤歯科医院5

はい。父の時代からの患者さんには高齢の方が多いです。そのため、体の状態が変わって通院できなくなってしまったような場合、こちらから積極的に足を運びたいと考えているのです。寝たきりですとどうしても治療の内容に限界がありますし、限られた道具での治療になるので作業的に難しい点もあるでしょう。しかし、そこをうまく工夫することも腕の見せ所だと感じます。また、ご自宅に伺うことで診察室ではわからなかった生活背景を知ることができ、患者さんへの理解が深まるのも訪問診療の良さではないでしょうか。通院が困難な患者さんはますます増えていくでしょうから、今後も患者さんやご家族からの要請に応える形で訪問診療に力を入れていきたいと思っています。

地域での活動についてもお聞かせください。

江東区と江東区歯科医師会が行っている成人歯科検診や75歳以上を対象とした口腔機能検診などの歯科検診事業の他、区民祭りや歯の衛生週間のイベントなど口腔内の健康への興味を促す啓発活動も行っています。また、母校・東京歯科大学の同窓会の活動にも取り組んでいます。こうした活動を通してさまざまな先生方とお話しする中で、医療をはじめとする各分野の情報を得る機会も多く、患者さんとのコミュニケーションにも生かしています。それから近隣の保育園の嘱託歯科医も務めていて、検診の他、職員や保護者の方向けの講習会でお話しすることもあります。曽祖父・祖父・父、そして私と4代にわたり、地域の皆さまに支えられながら診療を続けてまいりました。これからも、地域の皆さまとともに歩み、その悩みに向き合える歯科医院でありたいと思っています。

お忙しいと思いますが、どのようにリフレッシュされていますか?

安藤武史院長 安藤歯科医院6

大学時代はサッカー部に所属していました。今も運動しないとストレスがたまってしまうので、週2回はジムに行き、好きな音楽を聞きながらランニングとサウナを楽しんでいます。週末は衛星放送でヨーロッパのサッカー観戦に明け暮れていますね(笑)。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

高齢の方は、やはりご自分の歯が残っている方ほど姿勢も良く、明るくお元気な印象があります。健康で長生きするためには、残っている歯の本数が多いほど良いといわれています。歯の寿命を延ばすために、定期検診を忘れずに受けていただきたいですね。当院では、麻酔は痛みの少ない電動注射器を使用するなど、痛みに敏感な方に配慮した治療を行っています。また、口腔内バキュームや空気清浄機の設置の他、治療に使用する機器はしっかりと滅菌対策を講じ院内感染を防ぐよう努めています。後で悔やまないよう、気になることがあれば気軽にお越しください。

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